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理科教員としての魅力・ルーツを語ろう!

僕は今、理科の教員をしています。
高校生の物理を主に教えている傍ら、最近では中学校の理科を教えることにもなりました。
そんな中で最近は、改めて『理科の教員の魅力』を再認識する事ができました。
それはずっと前から同じように持ち続けてきた想いであり、今僕がこの仕事を続けている一つの大きな理由になっているものだと思います。
今日は、そんな話をしていきましょう。

結論を言いますと、理科の教員の魅力は『ワクワク』という言葉に集約されるでしょう。簡単な幼稚な言葉に聞こえますが、こうとしか言えない部分だと思います。

この言葉を認識するに至ったのは、僕が大学生のときに参加した『理科実験セミナー』的な名前のイベントです。正式名称も場所も忘れてしまっています。
そこでは全国の理科教員の方々が、自作の実験道具や普段の教育実践などを持ち寄って、お互いに学び合うという目的がありました。
そんな中で僕も教員志望の大学生として、あぁ、こんな実験があるんだ、という風にイベントを楽しんでいたと思います。

ふと視線を他の参加者に移すと、どの方々も目をキラキラと輝かせ、『これはすごいものを見たぞ!』『なんでこんなことが起こるのだろう…』『今度やってみよう!』という風な感想を口にされていました。
参加者は比較的、高齢な方が多かったように思い出します(50代がメイン層?ベテランの先生の出展物を学ばせていただいてました)。そんな方たちの輝いている目が、いまだに僕の目に焼きついています。

昔もっていた、何かに対して目をキラキラさせながら出会うという体験は、徐々に無くなっていくものだと思っていました。でもこの仕事は、どれだけ続けていても新しいものとの出会いで、その度にワクワクするし、上手く実験結果が出てくれば感動をするし、上手くいかなければなんでなんだろうと解決に向けて試行錯誤できる、そんな魅力のある仕事なんだと思います。
少年のような非常に純粋な心の部分が原動力になる、そしてその感動が次の世代へと繋がっていく、そんな魅力のある仕事なんだと思います。

僕自身も今、自分の専門とは離れた分野を指導することになり(中学理科なので全く未知の世界ではないですが)、予備実験等も常に新しいものとの出会いです。そんな中で、(おぉ…!)と思うことも増え、そう思ったものがあれば、猫が雀を咥えて飼い主の元にやってくるように、他の人にも「これ、すごくないですか?!」と見せたくもなるし、同時に自分が心からワクワクしていることも分かります。

とは言っても、理科の先生は結構忙しいと思っています。
授業の準備一つとっても、ある目的のために実験を計画して、まずは実験道具がしっかりあるのか、その実験は上手くいくのかを確認して、その後に実際に生徒が触れるもの(実験プリントや器具等)の準備に取り掛かる、という風に。机上だけでは完結しない部分の多さが特徴だと思います。かつ、物理・化学・生物・地学と、非常に広範な内容を習得・指導することが期待されます(教員免許状は『理科』なので)。

しかし、その原動力は、自分の中の奥の方にある少年のような興味関心の部分であり、ワクワクする気持ちなんだと思います。
僕もベテランと呼ばれる日には、名前も分からなかったあの人たちみたいに目が輝いていれば良いなと思います。そこに何かしらのメッセージが乗っかって、誰かの元に届いて、何かが繋がっていけば良いな、とも思います。

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