どくにもくすりにもならない。

元・可燃性文書。ふぃくしょん。

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最近の記事

独白するメランコリックリーチクライマー

身長の高さは人生に置いて必ずしも有利に働く要素ではない。 それ自体は付加的要素であり、基本的なパラメータに一定の数値を乗算するものなのではないかと思っている。良くも悪くも乗算だ。イケメンが長身であれば数倍モテるが、私のような人間であれば数倍人を遠ざけることになる。 スポーツによっては長身が有利に働くのだろうが、クライミングではそうとも言い切れず、辛酸を舐める場面も多くあった。 その多くは他人からの心無い言葉であったが、物理的にも長年負荷をかけ続けた腰が「辛すぎるっピ!」

    • クライミングが与えた出会いと人生の変化

      重度の人見知り且つコミュ障である私が、人に恵まれ楽しいクライミングライフを送っているのには理由がある。一人のジムスタッフの存在だ。 彼は「ジョジョの奇妙な冒険」と「グラップラー刃牙」をこよなく愛しており、共通の話題があったことや、その人当たりの良さも手伝って、初対面の私でも自然に打ち解けることができた稀有な男だ。ここでは彼をJJとしよう。 JJは雇われのジムスタッフだが、実質的には経営の全てを取り仕切る中心人物である。特にジムの生態系管理には日々注視しており、人と人とを繋

      • 加虐的女子クライマーによる不可逆的被害

        誰しも苦手な人間が存在するわけだが、クライマーと言う人種に絞った場合にその比率は高くなるのではなかろうか。特に私は生来の気質から対象範囲が広く、なんなら初対面の人間全てが苦手なので、何かと気苦労の絶えない日々を送っているのであった。自業自得である。 中でもフーコちゃんは別格の存在だ。彼女に対しては苦手と言う枠を通り越して嫌いだと言う者もいるが、一方で彼女に心酔しているらしい人間もおり、その評価は極端に二分されている。 彼女のことを避ける人間が多い理由として、まずはその口の

        • 嗚呼、愛しきおじさんクライマー

          ミゾグチさんと言うクライマーがいる。 ミゾグチさんは森羅万象のクライマーに愛される才能を持ったおじさんである。実際私の知る限りでは彼のことを悪く言う者はいない。 それは彼が容姿端麗で人当たりも良く、学や気品があり、何よりクライミングに対する姿勢が誠実で、つまりはその表面上に欠点らしい欠点が見当たらなかったからだろう。 ちなみに結婚はしておらず一人の時間を登山とクライミングに捧げる自由人である。 人は「ミゾグチさんならその歳でも引く手数多だね」などと茶化すのだが、私が彼

        独白するメランコリックリーチクライマー

          エゴと下心と刻まれた空の記憶

          進化とは何か。どうやらそれは生物単体あるいは生物集団の形質が世代を経る中で変化していく現象のことで、今現在クライマーと言う種もその進化とやらを求められているらしい。 飛べ。今こそ飛べ。飛べないクライマーはただのクライマーだ。飛べるクライマーはなんだ。知らん。多分進化したクライマーだ。 ・・・ 「中途半端が一番ダメだから。思い切ってこういう感じで気軽に飛んで。」 ふわっと羽根のように細い身体が宙を舞う。コーディネーション入門編のような課題で見目麗しい女性クライマーが、進

          エゴと下心と刻まれた空の記憶