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「あなたはこれまでどういった事をされてきたんですか?」の本当の意味

こんにちは、金入です。お金が入るでかねいりです。
あ、あまり受けませんでしたね(笑)これは、初めてお会いする方に必ずお伝えする私のあいさつで、特に経営者や金融機関の方々には、良いリアクションをして頂く事が多いんです。お金が好きだからかもしれませんね(笑)

さて、皆さんは、お客さま先に訪問した際に、「あなたはこれまでどういった事をされてきたんですか?」という事を聞かれた経験はありませんか?そしてその時、どのように答えていたでしょうか?また、どのように答えた方が良いものなのでしょうか?

私は、経営コンサルタントという仕事をしています。仕事でのカウンターパートは、中堅・中小企業の経営者。
はじめてお会いする経営者の方に、必ず聞かれることがあります。それは、「金入さんは、どういった事をされてきたんですか?」という事。はじめは、これまでやってきた経歴をそのまま話していたのですが、相手は「ふ~ん」という感じで響いていない様子の事が多く、何か間違った回答をしてしまったのではないかと感じた覚えがあります。
一方で、経営コンサルタントとして、自分がやってきた事を端的にわかりやすく伝えたいという想いがありました。それは、そうする事ができなければ、自分を信頼してもらうことができず、新しいお仕事をスタートすることができないと考えていたためです。

そういった事を考えてきた中で、ある事に気づきました。
経営者からの質問の「金入さんは、どういった事をされてきたんですか?」は、そのまま受け取ってはいけないということ。
この質問は言い換えれば、「金入さんは、私に何をしてくれるの?どう役に立ってくれるの?」という事を言っているのだと。

そこから、その質問がきた時にどう答えるか考え、「組織強化に強みを持っています」、「採用支援が得意です」、「若手の戦力化についての経験を持っています」というように伝えるようにしました。以前に比べると少し興味を持ってくれるようになりましたが、「ふ~ん」という感じはあまり変わらなかったのです。

ある経営者との会話の中で気づいた事

そんな悩みを感じている中、ある経営者の方と話している際に「自分がなぜ経営コンサルタントになったのか?」という事を話す機会がありました。

私の父親兄弟が地元で事業を行っていて、その会社は江戸時代から商売を変えながら続いている会社です。私の家は分家で、本家の長男、いわゆる後継者がいたのですが、その彼は、私からすると、いとこにあたり、歳が私の2つ下。その彼から「継がない、継ぎたくない」という話を近くで散々聞いていました。
そこで就職活動をする際に「いとこは会社を継がないかもしれない。そうしたら、この会社はどうなるのだろうか。代々続いてきた会社をなくしていいのだろうか」そんな事を思い、就職するのであれば、その会社を将来手伝っていく事を想定した職業にしようと考えたのです。その時に、たまたま経営コンサルタントという職業がある事を知り、これは思い描いていたものに一番近いと感じ、新卒で大手監査法人系のコンサルティング会社に入社しました。そこで経験を積んだ後、より地元の会社の環境に近い企業の支援をしたいと考え、中堅・中小企業をメインのクライアントとするコンサルティング会社に転職。
そうした中、いとこが「会社を継ぐことにした。自分がやりたいことをやるためには良い環境だと気づいた」という展開に。まさかの展開ではありましたが、一番良い結果になった事を喜ぶとともに、ここで、自分が地元に戻る理由はなくなったわけです。
そこで考えたのは、「そうであれば自分がやりたいことをやろう」という事でした。自分のやりたい事って何なのかを考えたときに出てきたのは、「もっと良い会社にしたいという想いを持った経営者の支援がしたい。二人三脚で一緒になって会社を良い方向に導く支援がしたい。」という想いでした。それは、これまでの経験を通して、「自分が関わる事によって会社が良い方向に変化する可能性がある」という事を強く実感していたからでした。
そういった意味で、父親兄弟が事業をやっていたこと、後継者であるいとこのジレンマを近くでみてきたことは、自分にとっての原点であり、これからの自分を描いていくための重要な要素になっていたのです。

この話を聞いていたその経営者は「そうだったんですね。金入さんのことがよくわかったように思いましたし、どんなことをしてくれるのかも伝わってきました。また話を聞かせてください。」と関心を示してくれました。

そこで気づいたのは、「あなたはこれまでどういった事をされてきたんですか?」の本当の意味でした。
それは「あなたはなぜ経営コンサルタントをやっているのですか?」という事だったのだということです。「やってきたこと」ではなく、「その目的」が知りたかったのだという事に気づきました。
言い換えれば、「あなたは何のために仕事をやっているのですか?」・「仕事をすることによって何を実現させたいのですか?」・「仕事を通して世の中をどう良くしていきたいのですか?」という事です。

経営者は、未来を考え決定する事が仕事です。そして、レベルの高い経営者は、必ず世の中を良くする事に貢献する未来を描いています。だからこそ、それらの経営者は、関わる人に対して「やってきたこと」よりも「目的・想い・志」を重要視するし、その姿勢を見ているのだという事を理解することできました。

皆さんの働く目的は何ですか?

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