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社員の退職が続出する中で会社をどう立て直すか? ~ある経営者の判断から考えたこと~

こんにちは、お金が入るでかねいりです。

突然ですが、質問です

「会社の中で、退職者が続出。
この状況に対してあなたならどう感じますか?
もしあなたが経営者ならこの状況をどう捉えて、どう動きますか?」

今日は、こういった状況の中でのある経営者の考え方と行動から考えたことをお伝えできればと思います。

■組織作りに注力して業績を伸ばす

その企業は、約200名のメーカーA社
社長が代替わりし、後継者が後を引き継ぎ、紆余曲折ありながらも業績を伸ばしてきました

期待をする社員には、年齢に関係になく、若くても部長や課長に抜擢。抜擢するだけではなく、そのための教育にも力を入れていました

また、役職者だけではなく、社員全体に対しても仕事に対する考え方や進め方の具体的な内容や会社の方針・理念に関する教育・育成にも時間をかけていました

そうした人材育成には、年間で1000万円以上を投資していました。

■退職者が増え、不安が膨らむ

そうした中、社員の退職が続出
その中には、若手社員だけではなく、ベテラン社員や幹部社員もいました。退職者が退職者を呼ぶという状況も一部ありました。

若手社員が数名退職するということはあったのですが、このような状況は今までにない状態でした。

退職者が増えたことで、あらゆる部署で人手不足な状況となりました。中途採用で人を採用するも、もちろんすぐに戦力化できるわけではないため、その状況は大きく変わりません。

この状況がいつまで続くのかという不安が社内に広まっていました。

■A社の社長の捉え方

その状況の中、A社の経営者は葛藤はありながらも、冷静かつ前向きでした。

退職者の中には、家庭の都合や健康上の都合など、致し方のない理由で辞める人もいましたが、その多くは、会社や社長の方針に否定的な人たちでした。

社長はそうした人たちが辞めることで、会社が一枚岩になれるチャンスだと捉えました。そして、現社員に対して、今後の展望や施策の意図・狙い、社員への期待を改めて丁寧に伝えるアクションを実施。

そして、もうひとつ。A社の社長は、この機会は、これまでやってきたことを見直すチャンスだと捉えました。

辞めた幹部が所轄していた部署を引き継ぎのために社長と他の幹部が業務整理を行っている中で、その部署の業務スピードが想像以上にゆっくり進んでいることがわかりました。どういうことかというと、慎重に仕事を進める手順・段取りが作られていて、その影響で業務スピードが遅くなっていたのです。

そこで社長は、前後の仕事に影響がない、もしくは影響が少ない業務について「やらないこと」・「やめること」を整理して、業務スピードを速めることを指示しました。

その状況下で、私はA社の社長にある質問をしました。
「今後、人材への投資はどうお考えですか?」と。そうしたところ「これまで通り続けていく。自分が考えるビジョンを成し遂げていくためには人材育成は欠かすことはできない」と話をしてくれました。

■不安な状況のときこそビジョンに立ち返る

退職者が続出し、社内に不安が膨らむ中、この負の連鎖をどう断ち切るかは、とても難しいことです。

そうした中で、ありがちなのが、社員の気持ちに寄り添ってしまい、ネガティブな考えに引きずられてしまうケース。具体的には、社員の不安な気持ちを聞きすぎて、実態以上により問題を深刻に捉えてしまい、打開策が見えなくなることがあります。

しかし、A社の経営者は、早い段階で、視点を変え、このピンチな状態をどう活かせるかと捉えなおすことができました。

それができた要因として考えられるのは、「何年後までにこういった会社にすると決めたビジョン」を持っていたこと。そして「そのビジョンに向けての成果が着実に上がってきているという実感と自信」があったからではないかと思いました。

そういったものがなければ、A社の社長のようななかなか決断はできないと考えます。

A社には、今後も注目をしていきたいと思います。

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