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不安やプレッシャーにどう向き合えばいいか?~元プロゴルファー宮里藍さんからの学び~
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
仕事をしていると「この案件をうまく進めることができるのだろうか」という不安やプレッシャーからうしろ向きに考えてしまうことがあります。
また、うまくいっていたとしても「幸せの後には、不幸が訪れる」、「世の中そんなに甘くはない」と考えてしまうこともあります。
そして、そんな自分は「心が弱い」・「メンタルが弱い」と感じている人もいるのではないでしょうか?
20代のころの自分もそんな場面が多かったように感じます。
今日は、そんな不安やプレッシャーをどう捉え、どう対応していくと良いかについて考えたことをお伝えします。
■『心が弱い・メンタルが弱い』をどう捉えるか?
仕事やスポーツの試合、演奏会など自身が矢面に立つ場面、
「うまくいくのだろうか?」
「うまくいかなかったらどうしよう?」
そんなことをつい考えがちです。
矢面に立つ場面を真剣に考えれば考える人ほど、その想いは強くなります。
そして、自分は「心が弱い」・「メンタルが弱い」と思い詰める。
まずは、このような状況をどう受け止めたらよいのでしょうか?
脳科学の中に「損害回避傾向」というものがあります。
これは、脳が損害のほうを重く見積もる傾向のことを言い、人間の脳は損害の3倍ぐらい利益が予測できないと行動したがらないようにできていると言います。リスクをしっかり見る人間のほうが生き残る確率も高くなりますから、大切な傾向です。
そうなんです。実は、人はもともと心が弱いのです。
程度はあるけれども、みんな心が弱いのが大前提ということなんですね。
そしてここから言えることは、「心が弱い・メンタルが弱いのは、自分のせいではない」と捉えたほうが良いということ。そう「脳のせい」だから。
そうすると少し気持ちが楽になりますね。
一方で、生存ということを目的とすれば、この脳の傾向は役に立つのですが、仕事などの矢面に立つ場面では、なかなか役に立ちづらい。むしろ障害になってしまいます。
「心が弱い」・「メンタルが弱い」状態を変えることはできるのでしょうか?
■元プロゴルファーの宮里藍さんのお話
ゴルフの本場アメリカ女子ツアーで9回の優勝を成し遂げた元プロゴルファーの宮里藍さん。日本人として偉大な記録を打ち立てた宮里藍さんの最大の強みは「精神力の強さ=心の強さ」でした。
しかし、もともと強かったわけではありませんでした。
良いショットが打てたり、良い結果が出たりしても、
「でも、こんな良いことはそんなに続くものじゃない」
「次のホールはやばいかも…」
と、うまくいっているのに、自分で自分にブレーキをかけてしまうという傾向があり、安定した結果を残せずにいました。
そんな時、通算72回の優勝を勝ち取ったアニカ・ソレンスタムさんと一緒に大会に出場する機会がありました。
そこでアニカ・ソレンスタムさんは宮里さんに「良い結果を出したら、次も良い結果を出す。そしてその次もずっと良い結果を取りに行こうと考えている」と話したと言います。
■「精神力を強くする」ためのトレーニングをしていた
アニカ・ソレンスタムさんの話を聞き、「すごい前向きな考え方をするな」と感じた宮里藍さん。
そこで、アニカ・ソレンスタムさんが師事していたゴルフコーチのピア・ニールソンさんに教えを乞うことにしたのです。そこで、強い精神力をつくっていきました。
その教えはこうです。
ゴルフのプレー中には、
①打つ前に状況を判断する「シンクボックス」
②そこで決めたことに専念し、クラブを振り切る「プレーボックス」
③1打を振り返る「メモリーボックス」
の3要素がある。
特に「シンクボックス」と「プレーボックス」の間では迷いが生じやすく、迷った状態でプレーボックスに入ってしまうと良いショットを打つ確率が下がってしまう。そこで、シンクボックスとプレーボックスの間に『決断ライン』を設定して、そこ越えたら考えることを止め、決めたことをやり切ることに集中する。
また、「メモリーボックス」では、「ネガティブな記憶はポジティブな記憶よりも3倍早く残ると言われている」ことから、感情的にならず客観的な視点でポジティブな要素を挙げ、「できたこと」を脳に刻む。
宮里藍さんは、これを練習や大会の中で何度も何度も繰り返しました。
「余計なことは考えない。今やるべきことは、このショットを正確に打つことだけ。」
「誰が相手でも関係ない。相手のことはコントロールできないのだから。」
「自分は、自分のできることをただやるだけ。それが唯一、コントロールできること。」
そう考えるようになります。
そして、「良いショットをしたら喜んで、悪いショットをしたら素知らぬ顔ですぐ忘れて切り替える」ということができるようなり、偉大な結果を残すことができたと言います。
アジア出身の女子テニス選手として、史上初めてシングルス世界ランキングトップ10入りを果たした元プロテニスプレーヤーの伊達公子さんもこんなことを言っていました。
試合になったら、勝つことに集中するのではない。次の1球に集中する。次の1球にベストを尽くすためにどうするかに集中する。
勝つことに集中すると余計なことを考えてしまう。
勝つことへのプレッシャー。負けたらどうしようという不安。
しかし、それは考えてもどうしようもないこと。
1球1球のベストの積み重ねが勝利という結果を生む。
「心を強くする」・「メンタルを強くする」というのは、根性論的なあいまいなものではなく、方法論があり、鍛えることができるものなのですね。
共通しているのは、「自分の目の前のことに集中してベストを尽くす」ということ。
不安やプレッシャーが目の前に現れたときには、ぜひこのお話を思い出してもらえると嬉しいです。私も実践していきたいと思います。
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