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【神戸三田ブレイバーズ】ホームラン王を狙う2人が見据える「今年と来年」

優勝争いをするチームにおいて

コロナの影響で活動休止をしていた神戸三田ブレイバーズだが、いざ活動再開すると勢いが止まらない。9月15日の試合ではチームで3本塁打を含む15得点を記録した。

ゲーム差が少し広がった今、チーム内でも「優勝したい」という機運が高まっている。9月18日の試合が終わって、2位に2.5ゲーム差がついた。

柏木寿志

9月16日の06ブルズ戦、ダブルヘッダーの第1試合。6回、3点を追う場面で先頭打者として打席に入り、中村雅友のストレートを左中間の一番深いところに弾き飛ばした。各球団のスカウトが視察をする中での3号ホームランとなった。

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そのまま全力でベースを全力で走り、チームメイトからの歓迎を受けた。

「打ったのはストレート、試合の間隔があいたのでタイミングが取りづらかったのですが、しっかりタイミングを合わせることができました。タイミングが合ってよかったです」

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(ホームラン後のお決まりのポーズ)

開幕当初こそなかなか打率が上がらなかったが、夏になるにつれ調子を上げていった。

そして盗塁数が格段に増えた。15日の試合でついに堺・大神康輔を逆転。
走れるシチュエーションで走る、と自ら決めたことを徹底した結果だ。

今季は選抜入りを順当に果たし、スタメンで出場も続けている。守備面でも守備範囲が広がり、深い守備位置からランナーを刺すなど、進歩を見せている。

「去年は同じチームにいた小山(一樹)さんのドラフトの会見を見て、甘くないんだなとも思いました。でも、ドラフト候補になるということがどんなにすごいことかというのもわかりました。来年絶対同じ舞台、ドラフト候補になってやろうと決めて今年やってきました」

そのためにアピールするポイントはたくさん作っておきたい。盗塁に、ホームラン王のタイトルも手に届くところまで来ている。そこについても「狙いたい」とはっきり言った。

まだ19歳。柏木に、「どんな選手になりたいか」を聞いてみた。

「自分のプレーで『柏木さんのような選手になりたい』と子供たちがあこがれてくれるような選手になりたいです」

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手が届くところに来た可能性。残りの試合で確実に夢を手繰り寄せていきたい。

田渕航平

開幕前にチームに加入して半年ほどが経つ。
185㎝87㎏。その大きな体で5月半ばほどから正捕手の座をゲットした高卒1年目の捕手だ。

18日の試合が終わって打率は.280まで上がった。ホームランもここまで3本放ち、16日のダブルヘッダー第二試合ではあと少しでホームランというフェンス直撃の打球も放った。

ここ最近の好調についてこう語る。

「低めを振らないように我慢しています。少し構えも変えて、打席の前のほうに立って変化球が落ちきる前に打つようにしています」

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(1試合3安打目を打ってうれしそうな田渕)

しかし「もともと打てるタイプじゃなかった」という通り、シーズン前半は低めのボールに手を出し三振を繰り返し凡打の山を築いていた。

「金属バットで打つ感覚だと右方向の打球を打つとバットが折れるんですよ」

そういったこともあり、ある日の試合後、悔しくて泣いてしまったことがあった。その時にもらったアドバイスが支えになった。

「それまでは「打てなくても仕方ないかな」と思っていたんですが、引退した濱田勇志さんに『お前はキャッチャーなんだから打てなくても周りのことをしっかり見てやれることがあるはずだ。バントでも打てないなりに打席でできることがあるはずだ』って言われて、そこからすごく楽になりました」

打席で力まなくなったことで打った時の感触がいいものが残った。それを追い求めているうちに結果が出てきた。そして結果が出てくるとやる気が出てきたというサイクルが生まれた。

目下ほかの課題もある。盗塁阻止率や守備面だ。

「キャッチャーフライを取るのがちょっと苦手ですね。阻止率ももっと上げていきたいですし……今チームが首位にいますけれど、だいぶ投手に助けられています」

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(ファウルフライを落とす田渕)

今年は来期のNPB入りへの土台の年と位置付ける田渕。

「バッティングは力まずに遠くに飛ばすイメージをしています。それでヒットになれば儲けものだなと。ホームラン王も見えてきましたので、獲れるものは何でも獲りたいですね。そして優勝したいです」

高卒1年目、優勝に向けて猛チャージをかけるこのキャッチャーに注目してほしい。

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(取材日 9月16日、18日 SAZZY)

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