大南拓磨へのエール
私は2019年からジュビロ磐田を応援しているので、「個人残留」と言う言葉を初めて知ったのは、2019年Jリーグのシーズンオフでした。
この年、ジュビロ磐田は2度目のJ2降格となりましたが、そのオフシーズンに2名の選手がJ1チームに完全移籍することが発表されました。
大南拓磨とアダイウトンです。
当時主力だったこの2人が抜けることは衝撃でした。
J2降格するタイミングでJ1チームに移籍するなんて。
悲しかった。
めちゃくちゃ悔しかった。
来季ジュビロのJ1昇格のためにまた一緒に闘えるものだとばかり思っていたので。
降格するジュビロを出て、J1に残る選択肢もあるのだと、この時初めて知りました。
正直に言います。
以前は「個人残留」に良いイメージは持っていませんでした。
あれから3年。
私は、サッカーやJリーグを語るにはまだまだ経験や知識は足りないものの、少しずつではありますが事情が分かってきました。
最近は、そう思えるようになりました。
プロサッカー選手が現役でいられる時間は決して長くありません。
より強いチーム、より高い年俸、そして、世界や日本代表を狙うならば上位カテゴリーで戦い、その技術を磨いた方が絶対に良いはずです。
アダイウトンはFC東京でも多くのサポーターに愛され、ジュビロ時代と変わらず活躍をつづけています。2023年もFC東京と契約することが発表されました。
大南拓磨も柏レイソルで主力DFとして活躍し、2022年の今年はEAFF E-1サッカー選手権2022で日本代表に選ばれました。
そして12月9日、川崎フロンターレへの完全移籍の公式リリースがありました。新聞報道では、今年のJ1王者横浜F・マリノスとの争奪戦になったとあります。
率直に思ったんですよ、
「拓磨、良かったなあ」
昨年の王者フロンターレと今年の王者マリノスの争奪戦になる選手に成長したことを素直に嬉しく思ったのです。
来季以降J1で上位争いできるチームで戦うことは、次回のワールドカップには28歳になる拓磨にとって、大きなステップアップだと思います。
もしかしたら将来は海外クラブへの移籍も狙えるかもしれません。
チーム愛と義理人情だけで「個人残留」して欲しく無い、と言い続けるのは違う気がするようになりました。
もちろん、私は大前提としてジュビロ磐田サポーターですので、ジュビロのために戦ってくれる選手が大好きですし、一番に応援します。
でも、先日、清水エスパルスの権田修一選手が「個人残留」について以下のコメントを出しました。これが全てのような気がします。
ワールドカップカタール大会では、日本は決勝トーナメントでクロアチアと戦い、PK戦の末惜しくもベスト8進出とはなりませんでした。
4年後のワールドカップでベスト8以上を目指すならば、若い世代の更なるステップアップが必要であり、もし「個人残留」する選手がいたとしても、辛い気持ちに折り合いをつけて、笑顔で送ってあげる気持ちも必要なのではないかと思うようになりました。
特に若い選手なら、むしろ背中を押してやる気持ちが必要でしょう。
2023年は、J2で戦うジュビロ磐田。
未だ監督は決まらず、大井健太郎以外の選手の去就は不明です。
この後の移籍市場で「個人残留」を果たす選手も出てくるかもしれません。
もちろん「個人残留」は辛いです。
でもその選手のサッカー人生と日本サッカーのレベルアップを考えるならば、辛くともそれは有りなのです。
では、ジュビロ磐田を応援する私の心の持ちようはどうすればいいのでしょうか?
私にできることは、残ってくれた選手と共にジュビロ磐田を再びJ1で上位で戦えるチームになってくれるように、ヤマハスタジアムやエコパスタジアムで応援するしかありません。
そして、再びJ1昇格し、かつて「個人残留」した選手と戦うときにはジュビロを全力で応援して勝利する。
試合後にはかつてのその仲間に対して盛大なチャントと拍手で迎える。
ジュビロ磐田を応援しつつも、「個人残留」果たした選手の活躍を密かに見守る。
もし「個人残留」を果たす選手がでたならば、そんな日が来ること思い、このシーズンオフのジュビロ磐田の選手の動向を見守りたいと思います。
「拓磨!フロンターレでタイトル獲れよ!」
「ジュビロと対戦する時は、今度こそ勝つからね!」
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?