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若手と共に未来を創る|ジュビロ磐田 松原后

昨年、2022年Jリーグ夏の移籍ウインドー。

他のクラブは選手補強の報道が次々と飛び交う中、ジュビロ磐田はなぜか蚊帳の外でした。

当時のジュビロは成績不振に喘いでいおり、夏の時点で残留争いに巻き込まれていました。それだけに、何とか選手補強でウィークを補い後半戦に臨んで欲しいと願っていました。

一方でこれまでのジュビロは、サポーターからも「ステルス」と呼ばれるくらい、人事に関して比較的事前に報道されない傾向にありました。ですから、きっと水面下で動いていて、相応の複数人の選手を補強するはずと淡い期待を抱いていました。

しかし、結果として夏の新加入選手は1人。

小野勝社長(当時)は予算はあったものの伊藤彰監督(当時)のリクエストに応えきることができず「ジュビロの力不足」とコメントしました。


その唯一の補強選手。


それが、ベルギーのシント=トロイデンVVでプレーしていた松原后でした。
松原は2022年6月で契約満了となっており既にシント=トロイデンVVを退団していました。

" I'm so hungry. " のコメント共に、ジュビロの下部組織時代の写真を添え、ジュビロ移籍への意気込みをTwitterで発信してくれたのが印象的でした。

たった一人ではあるけれど、いや、たった一人であったが故に、当時J1最下位で苦しんでいたジュビロに来てくれた事に本当に心強く感じたのは私だけでは無かったと思います。




松原后の移籍発表からもうすぐ一年。

ジュビロ磐田公式YouTubeチャンネルでは、毎月選手1人をピックアップしたドキュメンタリー動画【EMOTIONS】が公開されます。

2023年6月24日【EMOTIONS】#18として松原后の動画が公開されました。

松原后のジュビロでのエピソードで必ず語られるのが「松原会」

構成員は、古川陽介、藤原健介、後藤啓介、鈴木海音、吉長真優、森岡陸という若手メンバー。

この松原会は、たびたび静岡のメディアなどで採り上げられました。

若手の面倒を見る松原とその若手メンバー間の面白エピソードが披露されるなど、当初はジュビロサポーターへの良い意味で「ネタ」のような感じで私自身は捉えていました。

でも、時が経ち、この「松原会」という存在は、若手成長の一翼を担っているように思ってます。

【Emotions】内で、松原が2022年夏にジュビロに来た時の若手の印象について、

「若手が自信無さげな感じで、あんまり試合にも絡めてない。」

と発言しています。

松原自身がかつて清水エスパルス時代に先輩から受けた厳しい指摘、嬉しく思った声かけ、それらが糧になった事。ピッチ内だけでなく、ピッチ外で先輩から受けた経験が大きかったこと。

それらを「松原会」という形で、ジュビロの若手に還元していると感じました。

その象徴的なのが【Emotions】で移動中の車内シーン。

松原が古川陽介は得意のドリブルだけは選手として足りない事を語りました。

現役選手同士で「○○選手のスゴイ所は?」といった褒め合う企画は良く見ますよね。でも、ウイークポイントを真剣な口調で語ることは非常に珍しいと思います。一方で松原は、古川がその課題に意識的に取り組んでいるとしてしっかりフォローしています。何より松原と古川の間で強い信頼関係が築かれていることを示すシーンに感じました。そうでなければ、公開できないでしょう。

また、ここ数年はコロナ禍でチームや選手間でも行動制限を余儀なくされ、大っぴらに食事に行くこともできなかったと思います。ようやくコロナ禍前の生活に戻りつつある現在、「松原会」のメンバーは度々SNSでプライベートの時間を楽しむ姿が発信されました。

今年、「松原会」の構成員は、リーグ戦メンバーに食い込みつつあります。それは各選手の努力の賜物ではあるのですが、昨年自信無く映った若手達を引き上げた松原后の貢献も大きいと思います。

一方で若手と言えど、下手をすれば自分のポジションを脅かしかねない存在になると思います。

よく、昔のプロ野球選手の逸話を聞くと、同じチームでもライバル同士なので先輩はアドバイスなんかしてくれなかった、なんてことを聞いたことがあります。

でも松原は積極的にコミュニケーションをとって、エスパルス時代の経験や、海外での挫折などを踏まえ、若手達の成長を促し、そしてチームの勝利J1復帰に向けて共に歩んでいます。なかなかできることではないですよね。


昨年夏、ジュビロにただ一人移籍してきた松原后。

「松原会」として、多くの若手が兄貴分として慕い、構成員として結束をみせています。でも、互いをライバル視することは忘れず、互いに高め合っています。

ただ一人の補強ではあったものの、松原は多くの若手に自信を植え付け、そのプレーに大きな影響を及ぼす存在となりました。

松原后の加入は、「若手の底上げ」を促すことに繋がり、ジュビロに多くの選手を補強したに等しい結果をもたらしたと思っています。




松原后は、2022年オフにアビスパ福岡からのオファーを断り、J2のジュビロに残留したことが報じられています。これには、藤田俊哉SDの慰留が大きく影響したようです。

「漢気」で残留を決めてくれたと思います。

日本代表を目指していると言われる松原后。そのためには何としても今シーズンJ1復帰を果たさねばなりません。

また松原会の構成員も将来の海外移籍やパリ五輪、W杯出場を目標に掲げていますから、一刻も早くJ1で戦うことを望んでいるはずです。ジュビロがJ2に留まっているようでは、貴重な若手達もいつまでもジュビロにいるとは限りません。

したがって、これからのJ2リーグ後半戦に向けてまさに正念場です。

でも松原が最後に言っていたように「わくわく」しませんか?

町田はじめJ1上位チームを追いかけ、横内監督のもとで成長しつつあるジュビロを見届けたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田と松原后のファン・サポーターに歓喜が訪れる事を願って。



・・・

ところで、

ジュビロ磐田のメディアプロダクション「くまふメディア製作事務所」さん。恐らく今回の【Emotions】にも携わったのだろうと思います。左サイドバックの選手は「松原会」には入れないそうです。冗談でしょうけど(笑)。



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