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2024 J1 第2節「川崎フロンターレ vs ジュビロ磐田」超主観的振り返り

川崎 4-5 磐田
【得点者】

川崎:エリソン(前半36分)、エリソン(後半10分)、マルシーニョ(後半14分)、山田新(後半40分)
磐田:植村洋斗(前半6分)、ジャーメイン良(前半18分)、ジャーメイン良(前半29分)、ジャーメイン良(後半35分)、ジャーメイン良(後半45+7分)

「死闘」

こんな試合を誰が予想したでしょうか。

2024年3月1日。

ジュビロ磐田は、アウェイで昨年の天皇杯王者 川崎フロンターレと激突。両軍合わせて9ゴールという壮絶な撃ち合いとなり、ジュビロ磐田が辛くも勝利!

私は、等々力での決戦を現地で観たいという気持ちが抑えられず、平日の金Jでしたが「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)」へ遠征しました。

仕事終わりで向かったため、現地に着いたのは試合開始の30分前くらいでした。

ホーム開幕戦は前年J1王者ヴィッセル神戸と対戦し完敗したジュビロ。戦前の予想では、川崎勝利と予想する人が多かったと思います。

大方の予想を覆して、ジュビロが勝利を勝ち取ったことは最高に気持ちがイイ。

しかしこの勝利は、単なる撃ち合いではありませんでした。エキサイティングな試合を演出したのは植村洋斗ジャーメイン良。

SNSでは「バカ試合」なんて表現もされてましたが、とにかく心臓に悪い試合展開でした。


スターティングメンバー

ジュビロ磐田

神戸戦とその後の練習試合を踏まえて、大きくスタメンを変えることを予想しましたがほぼ変わらず。中村駿が初スタメン。替わりにレオゴメスがサブに回りました。

サブメンバーでは金子翔太がベンチ外に。替わりに藤川虎太朗がベンチに入りました。


川崎フロンターレ

前回対戦は2022年。

ジュビロサポーターとしては元ジュビロの大南拓磨との対戦が楽しみでした。車屋紳太郎選手は負傷

前回対戦した2022年に在籍していた、レアンドロダミアン選手、谷口彰悟選手、チャナティップ選手などは退団しましたが、チョン ソンリョン選手、家長昭博選手、脇坂泰斗選手、小林悠選手、遠野大弥選手などは健在。

開幕湘南戦で得点していエリソン選手は要注意でしたが・・・・。


先制点は植村洋斗!

神戸戦でも顔をだしてしまったジュビロの悪い癖である「立ち上がりの失点」だけは避けて欲しい。

そんな願いを良い意味で裏切ってくれたのが植村洋斗

前半6分。左サイドから松原后が大きく逆サイドにクロスボールを上げ、左足を振り抜いた植村洋斗。ボールはゴール左隅に飛び込んでジュビロが先制!

悪い時のジュビロは、早々に先制されて難しい試合運びになる場合が多いのですが、逆に開始6分という早い時間帯で先制したのは精神的にも非常に楽になったと思います。

植村洋斗はこれがプロ初ゴール。キャンプ中の練習試合から本職のボランチではなく右サイドバックでの出場を続けていた植村洋斗。得点という形で結果を残す素晴らしい立ち上がりを見せました。

先制点の祝福を受ける植村洋斗

そして、今回のDAZN実況は私の大好きな下田恒幸さん

左脚で狙って来たあああああ!

J2では下田恒幸さんの実況は聴けないので、ジュビロのゴールで絶叫してくれる下田さんの声が久しぶりで、嬉しすぎる。

解説の水沼貴史さんも「おおおおおおお!」と思わず声が出た先制ゴール。お見事でした。


ジャーメイン良のヘディング弾!

良い滑り出しを見せたジュビロ。

植村洋斗のゴール直後の前半18分。

またも松原后が左サイド45度方向からクロスボール。そこにジャンプ一番ジャーメイン良がヘディングで合わせて2点目!

開幕の神戸戦では無得点に終わったジュビロでしたが、ジャーメイン良はクロスバーをかすめる惜しいシュートを放っており、調子は悪くないと思っていましたが2試合目で得点を決めたのは良き。

松原后がクロスを上げる
ジャーメイン良のヘディング 連続写真1
ジャーメイン良のヘディング 連続写真2
ジャーメイン良のヘディング 連続写真3
ジャーメイン良のヘディング 連続写真4
ジャーメイン良のヘディング 連続写真5
ジャーメイン良のヘディング 連続写真6


ジャーメイン良が3点目

前半29分。敵陣ボックス左サイドでパスを回し、中村駿がボックス内にボールを入れる。右から斜めに入ってきた松本昌也がフリック。そこへ待ち受けたジャーメイン良が左足でゴール右側へ流し込んで3点目!

前半は、敵陣で非常に良くパスが回っていたと思います。特にこの3点目は相手DF陣をかいくぐってシュートに繋ぐ綺麗な流れでした。

中村駿がボックス内へパス
松本昌也がフリック
ジャーメイン良が・・・
流し込んだ!

強敵川崎相手に、何と前半だけで3-0という差をつけたジュビロ。

しかし私は、こんなことであの川崎フロンターレが終わるはずがないと思っていました。まだ前半ですし、3点差を広げても全く安心はできませんでした。

というのも、前回J1で戦った2022年のジュビロは、
・第4節 ホームG大阪戦
・第7節 ホーム川崎戦
・第32節 ホーム鹿島戦
で、リードしながらも試合終了間際に追いつかれ、勝ち点3をあと少しの所で落とすという苦い試合を何度も経験しています。

その時の事を思い出し、

「川崎は絶対に修正してギアを上げてくるはず。」

案の定、その予感は的中してしまいました。


川崎が逆襲開始

前半36分。

山本悠樹選手のシュートに対し伊藤槙人が身体を張ってナイスブロックしましたが、そのこぼれ球にエリソン選手が倒れ込みながら左足でボレーシュート。川崎1点目。


前半は1-3で折り返し、後半10分。

川崎のコーナーキック。またもエリソン選手が高い打点のヘディングシュート。川崎2点目。


そして、後半14分。
エリソン選手のシュートはブロックしましたがその跳ね返りのボールに詰めていたマルシーニョ選手が蹴り込んで3点目。

0-3のビハインドになっても川崎の選手達は全く動じていないように見えました。決して焦れずに後ろでボールを回しながら、チャンスをみればすかさず仕掛けて確実に決める。

そのフィニッシュは、エリソン、マルシーニョという外国籍選手の強烈な個の力で決め切る。

ここ数年のJ1リーグを牽引してきた川崎フロンターレの強さを見せつけられました。

もしジュビロが逆の立場で0-3でビハインドだったら、ここまで追いつく力があるだろうか?

やはり川崎フロンターレはこのままでは終わらない。残り時間約30分で試合は、ふり出しに戻ってしまいました。


ジャーメイン良がPK獲得&ハットトリック

同点に追いつかれたジュビロ。

再び勝ち越すため、横内監督は交代カードを切ります。

後半19分
・山田大記 → マテウスペイショット
・平川怜  → 古川陽介
後半29分
・松本昌也 → 藤川虎太朗

後半35分。植村洋斗が持ち運んで最前線のジャーメイン良に絶妙なスルーパス。これを後から見ると本当に見事にパスが渡っていますね。

ボックス内に走り込んだジャーメイン良ですが、川崎のGKチョンソンリョン選手もそのボールに走り込み交錯。

倒れ込んだジャーメイン良に対し、飯田淳平主審はノーファウルの判定。

しかし、ジュビロの選手達はPKではないか?と猛アピール。

ジュビロサポーターがひしめくビジター席からも「PKじゃないの?」の声が広がる中。ゴール裏中心に「ジャーメイン!ジャーメイン!ジャーメイン!」のコール。

VARが主審に助言し、オンフィールドレビューを行うことに。
J2だったらこのままで終わっているところだった・・・。

オンフィールドレビューの映像は、スタジアム内の大型スクリーンにも映し出されるのですが、滑り込んだチョンソンリョン選手の右脚がジャーメイン良の脚に当たって倒れ込んでいるように見えます。その映像が流れた瞬間、ジュビロサポーターはPK間違いなしと見て、大きな歓声が上がります。

VARの待ち時間は本当にドキドキする。

飯田淳平主審の最終決定はPK!

ジュビロサポーターは大盛り上がり。

勝ち越しのチャンスを掴んだジュビロ。PKのキッカーはもちろんジャーメイン良。

ジュビロサポーターが祈る思いで見つめる中、主審の笛が鳴り響き、ジャーメイン良が蹴り込む。

ゴール左上隅に突き刺さってジュビロ勝ち越しに成功!

藤川虎太朗の祝福を受けるジャーメイン良
そのままゴール裏へなだれ込む

このゴール裏サポーターとの歓喜のわちゃわちゃを観るのが最高に幸せ。このためにチケット代払っていると言っても良い。

更にジャーメイン良はこれでハットトリック達成!

残り10分+アディショナルタイム。
何とか逃げ切って欲しい。

しかし、試合はこれで終わりませんでした。


痛恨のPK献上

川崎の鬼木監督は4枚替え。

小林悠選手、瀬川祐輔選手、遠野大弥選手、山田新選手を投入。

後半37分、その替わった山田新選手がジュビロボックス内の深い所でリカルドグラッサに倒されてしまい、今度は川崎にPKを献上。

せっかくPKで勝ち越したのに、直後でPKを献上する結果。これにはさすがにガッカリして力が抜けてしまいました。

もう川島永嗣が防いでくれることを願うしかありません。

「川島!川島!川島!」

川島に何とか防いで欲しいとジュビロサポーターからは川島コールが響く。

ボールが飛んだ方向に飛んだ川島永嗣でしたが、残念ながら届かず。再び同点となってしまいました。

残り時間は5分とアディショナルタイム。

ここまで来て引き分けなんて嫌だ。負けなんてもっての外。
VARもあったので時間はまだあるはず。

何とかジュビロの勝ち越しを願って、応援に力が入ります。


ジャーメイン良の意地

後半アディショナルタイムは9分の表示。
思いのほか長い時間にどよめくスタンド。

スコアは4-4。

まだ時間はある。

91分、リカルドグラッサの自陣からのフリーキックに対し、マテウスペイショットが相手ボックス付近で高い打点でヘディングで受ける。これが体格生かしたペイショットの持ち味。

そのボールを受けたジャーメイン良がボックス内で相手DF3人に囲まれながらも蹴り込んで勝ち越しゴール!!

かと思われたのですが、VARが介入し、ボックス内にいた瀬川祐輔選手が先にハンドをしたと判定され、何とゴールは取り消しでPKに。

「ここまでしても、ジュビロに勝たせてくれないとは。」

主審に言い寄るジュビロの選手達を制して冷静に対処していたのは、山田大記がベンチに下がった後ゲームキャプテンを務めた上原力也。隠れたナイスプレーだったと思います。

ジャーメイン良のメンタルにかけるしかありません。PK沈めて試合を決めてくれ。今日は何回こんな思いをしたかわからないくらい感情がぐちゃぐちゃになりそうでした。

主審の笛が鳴り響き、ジャーメイン良が2回目のPK!

ジャーメイン良がこの試合2回目のPK

今度は派手なセレブレーションは無く、古川陽介マテウスペイショットが祝福。特にペイショットは暫くの間ジャメの肩を寄せて労う様子が印象的でした。複数得点しながらもなかなか勝ち切る展開にならない状況に対し、同じFWとして共通する想いがあったのかもしれません。

ジャーメイン良の勝ち越しゴールを祝福する古川陽介とマテウスペイショット
肩を寄せて労うマテウスペイショット

試合終了後、PKシーンを振り返り、自分が取ったPKだから「外してもそんなに叩かれないだろう」と思って楽に蹴ったと語るジャメ。このメンタルの強さとコントロールできる力は、私には想像を絶するものがあります。本当に素晴らしいプレーでした。


長い長いアディショナルタイム

VARの検証が何度もあったこの試合。当初表示された9分を超える時間プレーが続きました。

その間、川崎の選手達は最後に力を振り絞ってジュビロゴールに襲い掛かりました。ジュビロの選手達はなんとか身体をはってクリアを続けます。

ジュビロサポーターからは「まだ終わらないの?」という悲鳴に近い声が。

後からDAZNで確認しましたが107分の表示でしたね。実質17分のアディショナルタイムを戦ったことに。

この間本当に長かった。

辛くも逃げ切ったジュビロ。遂に川崎フロンターレから白星を飾ることができました。

勝利の「ウエーイ!」


次節へ向けて

ジュビロのJ1復帰後の開幕カードは

・ヴィッセル神戸
・川崎フロンターレ

という昨年の1王者&天皇杯王者という、昨年のタイトルホルダーのチームと連戦しました。

結果は、1勝1敗で勝ち点3。

神戸には完敗。
川崎には勝ったものの4失点で辛勝。

2試合で6失点していることから、ジュビロがここからJ1定着していくためには課題があることは間違いないと思います。

でも、Jリーグでも上位の実力を有する神戸・川崎と開幕で当たったことにより、ジュビロの現在地は、ある程度判ったのかなと思います。

少なくとも前回J1で戦った2022年のような悲壮感は無いと思います。

しかもこの2試合で勝ち点3を獲得したことはポジティブに捉えて良いと思います。いくら現在地を知っても勝ち点ゼロではさすがに以降の戦いは精神的に苦しいでしょうから。

次節は、3月9日ホームヤマハスタジアムで柏レイソルを迎え撃ちます。

柏は2022年に勝つことができず、J1の強度と速さを嫌というほど思い知らされた相手。あの時の借りを返す時が来ました。勝って連勝といきましょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。


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