一人で臨んだ記者会見 ジュビロ磐田 後藤啓介
Jリーグ各チームの新体制発表の写真と言えば、監督を中心に新加入選手がずらりと並ぶのが恒例です。
他クラブや海外から来てくれた選手が推しているチームのユニフォームに袖を通し、緊張を漂わせながらも笑顔で今季の戦いを見据えたコメントをカメラの向こう側にいるサポーターに語ります。
新加入選手が融合して躍進するチームを想像し、サポーターは
「期待しかない!」
と胸を膨らませます。
2023年のジュビロ磐田は、ファビアンゴンザレスの二重契約問題によるFIFAからの制裁で選手補強ができませんでした。
新戦力として記者会見の壇上に上がったのは、ジュビロ磐田U-18から昇格した後藤啓介ただ一人でした。
ジュビロ磐田の新体制発表の歴史の中で、最も寂しい写真なのかもしれません。
しかし、J2に降格し、社長・監督も変わる新生ジュビロ磐田にとって、その第一歩を印象づける写真です。
たった一人ではありますが、後藤啓介はその抜群の長身から見下ろすように、しっかりと前を見据えます。
藤田俊哉SDは、高校二年生からの飛び級昇格で有りながらも、後藤啓介のトップ昇格はちょっと遅いくらいだと仰ってました。
確かに、後藤啓介の一言一言は、高校二年生とは思えないくらいの落ち着いた雰囲気を醸し出します。
昨年、2022年7月20日天皇杯で公式戦デビューを果たした後藤啓介。後日放送されたジュビロTV#521では「全く緊張しなかった。」と発言しています。
その天皇杯はラウンド16東京ヴェルディ戦。
試合は1点ビハインドの0-1。
もう後が無い、試合終了間際の後半42分に後藤啓介はピッチに入りました。
なんとか1点とって延長戦に持ち込みたかったジュビロだったので、非常に緊迫した状況。
しかし、後藤啓介はむしろワクワクしていたというのですから、その肝の座ったメンタルに将来が本当に楽しみです。
結果、ジャーメイン良がアディショナルタイムに同点ゴールを決め、延長戦にもつれこみましたので、持っている男かもしれません。
・・・
「夢はワールドカップ優勝」と語った後藤啓介。
将来、SAMURAI BLUEのユニフォームをまとって戦う後藤啓介を振り返った時、この「たった一人の記者会見」がその第一歩になるのです。
そのキャリアをジュビロ磐田でスタートする後藤啓介。
まさに「期待しかない!」のです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田と後藤啓介のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。
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