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世界のドリブラーへ-ジュビロ磐田 古川陽介-

12月17日、ようやくジュビロ磐田の2023年契約更新の第一報がありました。以下の選手達です。

・八田直樹
・山田大記
・鈴木雄斗
・三浦龍輝
・上原力也
・松本昌也
・森岡陸
・古川陽介
・藤原健介

noteで何度か申し上げてるのですが、ジュビロ磐田はファビアンゴンザレスの二重契約問題で補強ができません(CAS上訴中)。来季は現所属のメンバーとレンタルバックの選手のみで戦わねばなりません。

他のクラブは新加入や契約更新の情報が飛び交う中、ジュビロは全く選手の契約更新情報がありませんでした(ソース無しの噂はありましたが)。それだけに、私も含め多くのジュビロサポーターがやきもきして過ごしていたと思います。

来季は戦力的に厳しい状況にもかかわらず、しかもJ2降格のジュビロに残ってくれた選手には感謝しかありません。


今回契約更新した中の一人、ルーキー古川陽介

契約更新発表の同日に、古川陽介のDREAMSが公開されました。

DREAMSは、若手選手の中から毎月1人をピックアップし、知られざる想いを発信するジュビロ磐田の公式YouTube企画です

契約更新と同日に公開するとは、公式さんも粋なことをされますね。

古川陽介の一年目を改めて振り返ります。

J1デビューと葛藤

4月2日第6節柏レイソル戦でJ1デビューを果たした古川陽介。

ただ、この試合はジュビロの完敗でした。今季振り返って最も良くなかった試合の一つと言っても良いかもしれません。
速さ、強さ、決定力。全てにおいて柏レイソルに上回られ、なす術無く無得点で敗戦しました。

古川もこの試合、カットインからのシュートなどを見せましたが、結果には結びつきませんでした。

DREAMSの中でも「サイドで張ってボールを受ける」長所だけではプロ相手では限界があることを知ったものの、選択肢を変えることへの抵抗があったことも吐露しています。

早くもプロでの壁を経験しました。

その次のリーグ戦出場は5月22日の第14節札幌戦でしたが、たった2分間だけ。それから9月までリーグ戦に出場することはありませんでした。

試合に出られない期間、ジムでの毎日のトレーニングでは、八田直樹が毎日付き合ってくれた事を話しています。

八田直樹は今季リーグ戦出場は無く、ルヴァンカップの1試合のみに留まりました。八田はGKなので、なかなか試合出場のチャンスを掴みづらいポジションではありますが、チームメイトからは試合の出られないことが多くても、常に練習熱心と評される選手です。

古川が「心が折れずに最後まで今シーズン頑張れたのはその人たち(八田直樹など)のお陰」と言うように、同じく試合に出られない状況のベテラン八田直樹が見せた背中は、古川陽介にとって支えだったに違いありません。

ちなみに、八田直樹も2023年はジュビロ磐田と契約更新することが発表されました。当然八田はGKとして再び返り咲くことを狙っているはずですが、一方で古川など若手に対する影響力を示す存在としても八田の契約更新はチームとして価値あるものなのかもしれません。

成長と王者から奪ったゴール

古川がリーグ戦に復帰したのは、シーズン終盤の残留争いに入った9月17日ホームセレッソ大阪戦。この日は2-2のドロー決着となりましたが、松田陸選手をドリブルで交わして松原后にクロスを上げるなど、大きな成長を遂げたことを見せつけました。

そして、その努力が実を結んだのはやはり10月12日のアウェイ横浜F・マリノス戦。

これまでのドリブルで突っ込むのではなく、味方(松原后)をつかって自分を空ける。鍛えた体幹での反転シュート。試合に出られない期間自分を磨き上げた結果が凝縮されたプレーでした。

今季の王者横浜F・マリノスから大金星を上げたこの試合。ジュビロサポーターの多くが今季のベストゲームに挙げる試合だったと思います。その中心にルーキー古川がいたことは、ジュビロ磐田の希望です。

静岡ダービーの涙

殊勲のマリノス戦直後の10月22日第31節アウェイ清水エスパルス戦「静岡ダービー」。

古川はアディショナルタイムでのジャーメイン良の同点ゴールをアシストする活躍を見せました。

しかし、その直後、逆転ゴールの決定機を外してしまい、痛恨のドロー決着。残留争いをしていたジュビロにとって是が非でも勝ち点3が欲しかっただけに、試合終了後のゴール裏での挨拶で号泣する古川の姿が忘れられません。

また、今回のDREAMSで初めて気づいたのですが、古川が兄貴と慕う松原后が、うなだれる古川の頭をはたいた後、強く肩を寄せ、整列するように背中を強く押すシーンがありました。

古川の悔しい気持ちは痛いほどよくわかります。でも、この試合で勝ち点3が取れなかったのは古川一人のせいではありません。前半に失点し、試合終了間際までジュビロはリードされており敗戦濃厚でした。

しかも、古川は後半34分からの賞味11分間だけの途中出場。
松原なりの「しっかりせい!前を向け」といった手荒いながらも𠮟咤激励の意味があったように思います。

本人も時が経ってDREAMSの中で語っているように、この悔しさを「今の自分では考えられないくらいの実力」をつけるきっかけにして欲しいものです。

世界のドリブラーへ

高校時代から注目されてきた若手の有望株だけに、古川の去就が注目されましたが、2023シーズンもジュビロ磐田と契約更新することが発表されました。古川本人からもTwitterでコメントを発信しました。

二年目で真価が問われる年。

舞台はJ2に移りますが、古川のような若手が現主力のポジションを奪うくらいにならなければジュビロの未来はありません。

古川だけでなく、同期の藤原健介も契約更新をしました。来季はU-18から後藤啓介も加わります。

この若手達が台頭し、次のジュビロを作る第一歩として2023シーズンを駆け抜けて欲しいと願うばかりです。

そして、未来のワールドカップ日本代表のユニフォームを纏い「世界のドリブラー」に成長する姿を観たいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジュビロ磐田と古川陽介のファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。


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