2023 なでしこリーグ1部 第16節「静岡SSUボニータ vs 大和シルフィード」超主観的振り返り
ボニータの選手達の目には、涙が浮かんでいました。
ワールドカップのため中断していた「なでしこリーグ」が再開。静岡SSUボニータの選手達もピッチに帰ってきました。
2023年8月27日、プレナスなでしこリーグ1部 第16節。静岡SSUボニータは大和シルフィードと対戦。ホームゲームでしたが、ゆめりあサッカー場ではなくヤマハスタジアムで行われました。
私は現地で参戦。
猛暑の中で行われた試合でしたが、残念ながら0-1でボニータは敗戦。厳しい結果を突きつけられました。
前回対戦振り返り
前回対戦は、4月30日、第7節アウェイゲーム。
今思い出してもめちゃくちゃ悔しい試合。
前半両チームスコアレスで折り返す一進一退の攻防。
均衡を破ったのはボニータ。75分、高島絢音のコーナーキックに日野李保がヘッドでスラして先制。
このまま逃げ切れるかに思われた試合終了間際の88分と89分に濱本 まりん選手が立て続けの2得点で逆転。あと数分耐えられたら勝ち点3を奪えた試合を落としてしまいました。
ボニータにとって、これ以上ない悔しい敗戦となりました。
スターティングメンバー
中断前とメンバーの入れ替わりがありました。
今季初スタメンは金丸翔子。3バックの一角に入ります。
森田和伽は4月8日第4節以来12試合ぶりの出場。自慢の快速で得点を決めて欲しい所。
そして小池真理は、3月26日第2節以来14試合振りにスタメンに復帰です。
疋田祝華と林知奈は今季初のベンチ入りとなりました。
前半
小池真理が攻め上がる
小池真理は、ボールをもつと一気に前線に駆け抜けるプレーをみせるので毎回わくわくさせてくれます。
2分、彦坂桃花からの長いスルーパスに対し、裏へ抜けた小池真理。右サイドからクロスを上げます。得点にはなりませんでしたが、試合開始早々から持ち味を発揮します。
三輪玲奈の好守備
右のWBに入った三輪玲奈。前線で活躍する選手ですが、この試合は守備で光りました。
7分、右サイドから攻める北方沙映選手と対峙し、クロスをブロック。
PK獲得!しかし・・・
16分、相手ボックス付近で小川彩乃選手からボールを奪った小池真理。三輪玲奈にボールを預け、すぐさま前線の中川瑚々へパス。ドリブルでボックス内に進入するも倒されてPK獲得。中川瑚々はドリブルで仕掛けるプレーを見せてくれるので、このようなチャンスが訪れますね。
キッカーは日野李保。
ややグラウンダーなボールがゴール右方向へ。しかしやや中央寄りでボールの勢いも弱かったか。GK水口茉優選手に弾かれてPK失敗。キーパーも読んでいたんでしょう。
ボニータはこれまでなかなか複数得点できていないので、PKのような大チャンスを逃してしまったのは非常に痛かったですね。
中川瑚々の積極性
中川瑚々の積極的なプレーが随所に。PK獲得に繋がったボックス内での仕掛けもそうなんですが、16分にはGKの位置を見定めてロングシュートも放ちました。
ボニータ連続攻撃!
29分、ボニータ梅津真央のコーナーキック。ボックス内で日野李保がダイレクトでボレーシュート!しかしGK水口茉優選手に弾かれます。
弾いたボールを今度は森田和伽がシュート!しかしこれもGK水口茉優選手に弾かれてしまうという連続ビックセーブ。
どちらかのシュートも完全に枠を捉えていたのですが、GK水口茉優選手があまりにもスーパーでした。残念ながらボニータのゴールならず。
16分のPKと、29分のセットプレーからの大チャンスを決め切れなかったのがこの試合の勝負の分かれ目になってしまいました。
それにしてもGK水口茉優選手のプレーが凄すぎた・・・。
前半のプレー集
後半
後半も三輪玲奈が好守備
後半15分、大和のカウンター。甲斐奈菜美選手がドリブルで駆け上がる。GKと一対一になりかけましたが、三輪玲奈が好ブロック。
痛恨の失点
両軍スコアレスのまま、後半も残り時間15分を切り、一点勝負になってきました。
76分、白井未来選手が中央からドリブルで運んでいき、ボックス付近まで侵入します。左サイドからボックス内に走って来た須恵裕貴子選手がシュート。更に、そのボールを甲斐奈菜美選手が方向を変え、ボールはゴールへ。
方向が変わったことで寺田郁美も届きませんでしたね。
試合終盤で痛恨の失点。
これが大和の決勝点となり、ボニータは敗戦となりました。
後半のプレー集
次戦に向けて
公式記録では気温31.7℃。しかし直射日光を受けるピッチ上はそれをはるかに上回る気温であったと思います。非常に過酷な条件で、選手達は最後まで懸命に走り抜けました。
猛暑の試合でしたが入場者数は860人。
前回ヤマハスタジアムで開催した第12節日体大SMG横浜戦の711人を上回る記録となりました。
Jリーグの試合に比べれば少ないと思われるでしょう。
しかし、普段のホームグラウンドである「ゆめりあサッカー場」での入場者数は200人台です。もっと多くの人が訪れて欲しいとは思いますが、メインスタンドだけでなく、ゴール裏にも観客が入り、普段よりも多くの歓声が響き渡ったことが嬉しかったです。
女子ワールドカップのため、なでしこリーグは2か月弱の期間中断していました。当日配られた選手の手作りのマッチデープログラムにも記載がありましたが、中断期間中は真夏の酷暑の中で猛練習を積んだそうです。
中断明け一発目となるこの試合に、多くの人が来てもらえるように、何日も前から選手達はSNSで来場を呼び掛けていました。
しかも相手は最下位の大和シルフィード。残留のためには絶対に勝ち点3が欲しい試合でした。
ボニータの選手達はこの試合に掛けていたんだと思います。
絶対に勝利を掴もうと。
しかし無情にも敗れてしまったボニータ。
試合終了後、ここまで多くのボニータの選手達が、悔しさで涙を流す姿を初めて見ました。特にPKを決めることができなかった日野李保は泣き崩れていました。
サッカーでよく言われる言葉ですが、大和のGK水口茉優選手があまりにも良すぎたとはいえ、ボニータには厳しい結果となってしまいました。
WOMは金丸翔子。インタビューでは、敗戦による悔しさから絞り出すようにコメントしていた様子が印象的でした。
第16節を終えて、ボニータは順位を1つ上げて11位。
残留圏から落ちました。
しかしまだ6試合残っています。
更に9位愛媛FCレディースとは勝ち点2、10位スペランツァ大阪とは同じ勝ち点13で並んでいます。
残留争いのチームとは勝ち点が拮抗しています。
まだ何も決まったわけではありません。勝負はこれからです。
次節は9月3日、アウェイでスペランツァ大阪と戦います。ボニータと同じ勝ち点で並んでいるだけに、何としても勝利を掴んで順位を上げて欲しいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
静岡SSUボニータのファン・サポーターに歓喜が訪れることを願って。
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