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神様に会いにいく Vol.18 ウガヤフキアエズ尊と三柱鳥居(木嶋坐天照御魂神社)

※この原稿は2017年1月に書いたものです。

どうもー、寒竹です。

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いやいや、毎日毎日寒いですね。
(※自撮り写真がいつも同じパターンになるので模索中です)

今回は粉雪が散らついている中、こちらの神社にやってきました。

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木嶋坐天照御魂神社。このしまに、ます、あまてるみたま、じんじゃ、と読みます。通称は木嶋神社。蚕の社(かいこのやしろ)とも呼ばれています。

どうせ顔しか写らないし、と思って着ぶくれしてきたのに、顔部分だけでは「天照御」くらいしか入らず、ばっちり着ぶくれっぷりが写ってしまいました。

少し離れたところから撮った写真。

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右の石柱の横で自撮りしたわけです。石柱の長さがおわかりでしょうか。

地下鉄「太秦天神川」駅から歩いてすぐ。住宅街を抜けると、この木で作られた鳥居と、こんもりとした森が現れ、急に空気が変わります。

前回のvol.17で京都三珍鳥居のひとつ、厳島神社の唐破風鳥居を紹介しましたが、残りふたつは何だろうと調べたら、ひとつは木嶋神社の境内にある三柱鳥居でした。

どんな神様が祀られているのかも調べると、今追いかけているストーリーにつながりそうだったので、さっそく三珍鳥居のふたつめを見にきました。

帽子を取って中へ。

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入ってすぐ、この先にお稲荷様が祀られている。いろんな野鳥がさえずりながら木々を飛び回っていた。

拝殿。

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本殿。

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雪が降っていたのに、このときだけ雪がやんで日が射した。背の高い木々に取り囲まれた本殿は木漏れ日に彩られて、神聖だけどあたたかい雰囲気でわたしを待ってくれていた。


本殿に祀られている神様は、

天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
大国魂神(おおくにたまのかみ)
穂々出見命(ほほでみのみこと)
鵜茅葺不合命(うがやふきあえずのみこと)
瓊々杵尊(ににぎのみこと)

の5柱です。

アメノミナカヌシは、この世界に最初に出現した造化三神の一柱。イザナギ・イザナミよりも先なのです。

しかし、造化三神とかいわれると、またコンプリートしたくなりますね(こうして、寒竹の気分のままに訪れる神社が決まっていきます)。

オオクニタマは国土そのものを神格化した神様だそうです。国土が神様だなんて、そんなこと考えたことがなかったけれど、山が神様になったり、木が神様になったりするのだから国土だって神様になるだろう。でも、放射能で汚染したり、海を埋め立てたり、いろいろなものを建てたり壊したりしている現代では、国土が神様という概念は、残念ながら、もう忘れ去られてしまっているのかもしれない。

穂々出見命は別名・彦火火出見尊。vol.13で紹介した山幸彦です。お兄さんの海幸彦の釣り具を借りて、針をなくして、取り戻すために海神さまのところに行ったのに、海神の娘とラブラブになって、3年間も針のことを忘れていた、あの天真爛漫な神様です。

ニニギは山幸彦の父。そして、今回初登場のウガヤフキアエズは、山幸彦と海神の娘・豊玉姫の息子なのです。親子三代がここにいらっしゃる!

ウガヤフキアエズの誕生物語も面白いので、いずれまた。

京都三珍鳥居のひとつを追ってきたら、いろいろな神様たちに会えて何だか得した気分。物語がつながっていく。

さて、三柱鳥居ですが、本殿の横に木の鳥居があり、鳥居をくぐると池と竹垣が見えます。

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この竹垣の向こうに、三柱鳥居があります。鳥居が3つつながったような不思議な造形。

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もっと近くに寄れるのかと思っていたけど、竹垣で近づけない。完全に神様の空間だった。

鳥居は神聖な空間への入り口というイメージなのだけど、3つの鳥居に囲まれてしまったら、いったいそれはどういうことになるのだろう。入ったり出たりするのか、それとも閉じこめられてしまうのか。中央には神様が降りてくる依代があるので、そこに神様がいらっしゃるのだろう。でも、門に囲まれた場所なんて落ち着かないんじゃないだろうか。どうして昔の人は、こんな鳥居を建てたのだろう。

いろいろ考えはじめると止まらないけれども、木々に囲まれたこの鳥居の不思議なたたずまいを見ていると、どんな理由であれ、すでに存在しているということが圧倒的な説得力をもってわたしに迫ってくる。

考えるのをやめると、ただただ美しい光景がそこにあった。

美しいと思う気持ちと、神聖なものに思いを馳せる心は、どこか似ている。自分の悩みや醜い気持ちを忘れて透明になって、相手に吸いこまれていくような気持ち。そして、向こうから澄んだものが自分の中に入ってくる感じ。

いつまでも眺めていたい空間だった。

木嶋坐天照御魂神社
右京区太秦森ヶ東町50
地下鉄「太秦天神川」駅4番出口 徒歩5分
075-861-2074


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