マガジンのカバー画像

【連載エッセイ】神様に会いにいく

23
古事記の神様の物語をひもときながら、京都の神社をめぐるエッセイです。※2016年から約1年間ウェブマガジンKosmagで連載していたエッセイの再掲載です。
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

神様に会いにいく vol.5 神様オールスター(日向大神宮②)

神様に会いにいく vol.5 神様オールスター(日向大神宮②)

vol.4からずいぶん更新が間が開いてしまいました。この原稿は過去にKossmagというメディアで連載していたものの再録なのですが、なんとこのvol.5だけ原稿がどこかにいってしまって見つからなかったのでした。しかし、写真だけは残っている。もう一度書くのが大変なので往生際悪くあれこれ探していたのですが、ようやく諦めました。書きます。ここさえ乗り切れば、あとは原稿があるのでサクサク更新できるはず!

もっとみる
神様に会いにいく vol.6 ツキヨミノミコト(月読神社)

神様に会いにいく vol.6 ツキヨミノミコト(月読神社)

なんとvol.6も原稿がなくなっていたので、写真を見ながら思い出し書きをしようと思います。次に訪れたのはここ! 京都の西にある松尾大社。

祀られている大山咋神(おおやまぐいのかみ)はスサノオの孫ということで様々な霊験あらたかな神社で特にお酒関係で有名ではありますが、今回の目的は松尾大社ではなく…

神社より団子…(※この連載はすべて自撮りです)

ではなく…

松尾大社から少し離れた摂社「月読神

もっとみる
神様に会いにいく vol.7 イザナミノミコト(熊野神社)

神様に会いにいく vol.7 イザナミノミコト(熊野神社)

前回までの連載で、アマテラス・ツキヨミノミコト・スサノオの三姉弟に会えたので、次は彼らの母であるイザナミノミコトに会いたくなった。

日本神話の中で、イザナミほど壮絶な人生、いや神生を歩んだ神はいない。イザナミはイザナギと夫婦になって多くの神々を産んだが、火の神を産んだときに陰部に火傷を負って苦しんで死んでしまった。

そのとき、イザナミは苦しみのあまり尿や便や吐瀉物を漏らすのだけど、なんと、その

もっとみる
神様に会いにいく vol.8 神さま=仏さま?(新熊野神社)

神様に会いにいく vol.8 神さま=仏さま?(新熊野神社)

イザナミノミコトに会いにいこうと思い、調べてわかったもうひとつの神社が「新熊野神社」。新と書いて「いま」と読みます。熊野神社のニューバージョン? と一瞬思ったのですが、そうではなく、熊野に34回も参詣するほど熱心な熊野信仰者である後白河法皇が自分のお寺を守る鎮守社として創建し、紀州の熊野に対して「新」熊野神社と名付けたそうです。

はい、さらっといろいろややこしいことを書きましたが、おいおい少しず

もっとみる
神様に会いにいく vol.9 火の神 カクヅチノミコト(愛宕神社)

神様に会いにいく vol.9 火の神 カクヅチノミコト(愛宕神社)

イザナミノミコトは数々の悲劇にみまわれながらも自分らしさをつらぬいたが、「らしさ」を発揮することもなく死んでしまった神様がいる。火の神カクヅチノミコトだ。

vol.5でも説明したように、イザナミはこのカクヅチを生んだせいで火傷をしてしまい、それが元で弱って苦しんで死んでしまう。悲嘆にくれたイザナギはカクヅチを切り殺してしまう。カクヅチは、母を殺し、父に殺されてしまうのである。

火は人間にとって

もっとみる
神様に会いにいく vol.10 水の神 タカオカミ神(貴船神社)

神様に会いにいく vol.10 水の神 タカオカミ神(貴船神社)

突然ですが、電車に乗ります。

この叡山電車はその名の示すとおり、京都の北東にある比叡山方面に向かう電車。
途中までは街中を走るけれど、だんだん山の中に入っていく。約30分後、「貴船口駅」で降りたらそこは川のせせらぎと緑に包まれる別世界。
ちょっとした小旅行気分になれるのです。

毎日たくさんの観光客が京都にやってくる。京都という町は、きっと、少し特別なことが起こりそうな、ちょっとだけ自分が変われ

もっとみる
神様に会いにいく Vol.11 イワナガヒメ(貴船神社)

神様に会いにいく Vol.11 イワナガヒメ(貴船神社)

というわけで、前回の続きです。本殿をあとにして奥宮へ向かいます。

貴船は夏は川床料理、冬は牡丹鍋が楽しめる有名な料亭街でもあります。が、目もくれず奥宮を目指すわたくし。

いつかここで川床料理食べたいなあ…と考えていたら急激にお腹が空きました。

腹が減っては取材はできぬ。貴船には料亭だけでなく、お蕎麦屋さんやカフェもあります。二階の窓から川を眺めながら食べるお蕎麦は格別。でんべさん。

さて、

もっとみる