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ソロ活で水族館で4時間で

札幌市には、都市型水族館がある。新さっぽろには昔からあるのだが、2023年の夏に新しく街なかにできた。今回は3回目の訪問。狸小路アーケード街に、どどん!とできた「AOAO SAPPORO」だ。
今まで子どもたちを連れて行っていたので、自分一人でゆっくり過ごしたいなぁといつも思っていた。

そこで、思い立ったが吉日!
本当に急に思い立って、WEBで当日券を購入した。買ってしまえばこっちのもの。行かざるを得ない状況を作り出す!これがカナザワユウキ流(追い込むタチ?)。

狸小路3丁目までテクテクし、QRコードで入場。修学旅行生も結構いる。そんな純粋な姿とは相反する中年は、好き勝手に水槽を目指す。
ネイチャーアクアリウムでうっとり。美術館の額縁のように、その中に作りこまれた世界に引き込まれる。

広い椅子もあるので、座ってちょっとだけ遠くから眺めるのも良い。暗い空間で、ぼうっとしていたら、遠くの椅子でおしゃべりに興じる女子高生たちが目に入った。 
ああ、楽しそうだ。 中年から見れば、君たちもこの水槽で泳ぐ魚たちのように、無邪気で美しい。それをじいっとずうっと眺めていたい気がしたが、不審者通報されそうなので我慢する。

観察と発見の部屋に移動。
小さく分けられた水槽とともに、本が並べられているのが心にきゅんと来る。そう、ここで座って本を読みたかったのよ!!

魚たちに関する本が多いのは確かだが、動物やそれ以外の内容の本も多く興味深い。うへうへと本棚を物色し、気になった本をペラペラめくる。その向こうに、チンアナゴが揺れている。ああ、なんという魅惑的空間。
1冊の本を開いて、読み始める。

しかし、多くの人が行きかう中ではやや落ち着かない。今度来た時に、ひとつのタイトルごとに読むのはどうだろう?と妄想する。そういうのって、素敵。いや、格好良くないか?!大人として!!そういう大人に、わたしはなりたい!!

興奮冷めやらぬまま、移動。ウミガメが身近に泳ぐ大きめの水槽を、ふいっと素通りし、目当ての「オオサンショウウオ」の前に立ちはだかる。あああ、生きる化石よ。なんという美しい表情をしているのだ。
何考えてるんだろうなぁ、この子。
「今日も会いに来たよ」なんて囁けるほどの、水族館ヘビーユーザーになりたい!格好良くないか?!大人として!!(以下同文)

オオサンショウウオに語りかけようとしていたら、修学旅行生の少年が見たそうにしていたので、場所を譲った。大人だからな。どうぞ、見てくれ。わたしはその奥の三葉虫の化石を見るよ。
愛すべき三葉虫。
三葉虫のことを語らせると、1時間は話せるので(嘘です。せいぜい10分くらい)、ここでは割愛するが、とりあえずわたしが大好きであることだけは書いて伝えておこうと思う。
※三葉虫は、古生代に生きていた生き物です。気になる人は、調べてね。

ちなみに、このフロアにはコワーキングスペースがある。
本も少し置いてあるし、ここでパソコン開いて仕事したらなんて素敵だろうと再び妄想。とりあえず久しぶりに水族館にきたのだから、仕事より、観察だ。散策だ。クラゲだ。ペンギンだ、と移動する。

階段を登ると、人気高き「刺胞動物」である、クラゲがいた。多くの人が群がるほど、彼らは見ていて美しい。ここの水族館では、ただのホコリのように漂うクラゲの赤ちゃんから、順を追って見せてくれるから、やや親目線でクラゲを愛でることも可能だ。
脳みそないくせに、なんでこんなにかわいいんだろうね、クラゲ。

館内に唯一あるカフェ「シロクマベーカリー」へ。迷うことなくサッポロクラシックを注文し、再びクラゲの前へ。テーブルにビールを置いてゆっくりとそれを飲みながら、眺める。
誰がなんと言おうと、癒しの時間だ。こんな時間を過ごしている、自分に酔いしれる。1人で水族館。ソロ活。水族館。1人でビールでクラゲ。そして右にはペンギン。

1人って、好きに時間を使えるから贅沢だ。
誰かとあれこれ言いながら楽しむ時間もいいけど、1人の時間も大切。でもね、誰かとの時間があるからこそ、1人の時間も意味あるものとなるのだ。ずっと1人では、孤独すぎる。

人は、決して1人ではない。
そんなことを、漂うクラゲとともに夢想する。
あーー、ビールおかわりほしい。ついでに腹も減ってきた。クロワッサン食べよう。再びカフェで注文し、今度は座ってゆっくり楽しむ。アジのフライと、青のりが効いたクロワッサンサンドがおいしい。
でも、これがデートだったら青のりが歯についたりなんかしちゃって、気になると思うのだが。いいの?シチュエーション考えてメニュー構成しようよ、などと思う。ま、1人で来てる中年には関係ないけどね。青のりついてても、気になるのは次の店に行くときくらいだ。

再びコワーキングスペースに戻ってきて、今度は本を読むことに。前に来た時に気になっていた「リアルサイズ古生物図鑑」というものだ。立ち読みはしたが、ゆっくり見られなかったため、今日は見たい!

空いているテーブル席に持っていき、本を開いた。あああ、面白すぎる。うっかり声を出してしまいそうなのをこらえ、人目を気にしてうつぶせる。あああ、楽しい!ああああ、この本好き!アノマロカリスが時価で売られてる!ピカイヤが金魚すくいされてるぅ!ハリプテルスがスノーボードに連れて行ってもらってる!
興奮冷めやらぬ、中年。
単なる怪しい、中年。
それが、わたし。

大満喫し、水族館をあとにした。

年間パスポートが欲しい
まもなくオープンしてから1年になる、AOAO。年間パスポートはないが、期間限定で「夜だけ入館3ヶ月」とか「1か月だけ入館し放題」的なチケットは過去にも販売していた。今は、1か月で3000円のチケットが売っていた。
ああ、買おうかな、どうしようかな。悩みながら、本日は退館。

あっという間に4時間経過していた。また、来ます。

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