【台湾珈琲を楽しむ】コーヒー農園体験記vol.3-阿里山コーヒー農園栽培研究所は、大物揃い・品種の宝庫前編
ここからが農園体験の始まり。
ですが、最初に伝えたいのは…
皆さんは、どんなコーヒーが好きですか?
嗜好品の一つであるコーヒーの消費量は年々増え、沢山の方がお家でも楽しんでいる飲料の一つだと言えます。好きなコーヒーは苦めでビターチョコのような味わいだったり、ある人は香りが華やかで、紅茶のような軽い口当たりが好きだったり。人それぞれ好みがあると思います。
コーヒー最初は、そんな好みから始まり、もっともっとコーヒーを飲んで熟知していくと最終的には、どの国のどの農園のどんな品種でどんな栽培方法でどのように育てられているのか…と言ったマニアックな世界に。
日本では、コーヒーのほとんどは輸入品です。日本の気候がコーヒーの木の栽培には向いておらず、身近にコーヒーの木を見る事はないのです。
そんな日常である私にとっては、ただ単に庭に咲いているような大きな背丈のコーヒーの木を発見するだけでもわくわくするもの。
ですがこの阿里山コーヒー農園には、美味しいコーヒーの品質を研究している栽培農園があります。なんとそこには、世界中から希少と呼ばれる品種が勢ぞろい…自分の好きなコーヒーが採れる木が目の前にあったらどんなに嬉しいでしょうか!
阿里山コーヒー農園(鄒築園觀光農園)で一番わくわくした事
コーヒー界のエリートと呼ばれる品種が揃ったこの研究栽培所はマニアには興味津々のお宝と言えます。
台湾珈琲の品質が向上しているのはこの研究の成果ゆえと言われています。オーナーの方政倫(ファンジョンルン)さんことコーヒープリンスさんは、現在こちらの農園で、世界各国から様々なコーヒーの木の品種を育てていると言っていました。
ティピカ、ブルボン、リベリカ、ゲイシャ、ウシュウシュ、パカマラ、モカ、SL…
呪文のようなこの言葉は、全てコーヒーの栽培品種です。
世界中に行って来なければ見れないコーヒーの品種が目の前に。
わくわく、どきどき。お宝がいっぱい( *´艸`)
見るだけでもテンションがあがります。
コーヒープリンスがコーヒーの栽培で大切にしている事
オーナーの方政倫(ファンジョンルン)さんことコーヒープリンスさんは、農園主でありこちらの観光農園のオーナーさんであります。
短い間でしたが、話していてよくわかったのは、とてもコーヒーが好きだという事です。
消費者目線で、色々なコーヒーに興味を持ち淹れて飲み、何が美味しいのか?またどのようなコーヒーがお客様に喜ばれるのか?を根本にコーヒーの栽培に携わっていると思いました。
ただ単に、量産目的に作る病害虫に強いコーヒーではなく品質重視、より味わいが美味しいものを。味重視と終始おっしゃっていました。
よくある産地ではやはり収量を重視する事が多いのも現実です。
「美味しいコーヒーほど量が採れなく、手がかかる」というのが現状です。
世界各国の希少品種をここで育てる事によってどんな味になるのかを記録し
更によりよい品種改良も研究されています。
もしかして、これとこれを合わせると…驚くような美味しさに出会う事もあるかも知れない…その時には自分の名前の品種をつけたり…と未来を創造しながら楽しくコーヒーを育てています。
途中見せて頂いたこちらの小さな苗はコーヒーの木。芽が出たばかりの状態ですが、なんと新しいアラビカ種と言っていました。もしかしたら、いつか世に出る新種かも!(;^ω^)
コーヒーノキー栽培品種ケニア「SL-34」
ケニアと言えば、お隣にはコーヒー発祥の地エチオピアがあります。お隣に位置しながらもコーヒーの栽培が始まったのはまだまだ最近の事のようでキリスト教の宣教師が苗を持ち込んだのが始まりと言われています。主力品種と言えばこのSL-28、SL-34 の栽培品種。
SLは、1935年かつて、ナイロビにあったといわれる世界初の珈琲研究所
「スコット・ラボラトリー」の略称
こちらの栽培品種は、1935年から1939年にかけてブルボン種から選抜された数多くの品種の一つ。
SL28は、干ばつに強く
SL34は、高知での栽培に適応しています。
そしてともに素晴らしい香味を持ち、ケニアコーヒーの名声は一気に広まったことで有名と言えます。当店でも提供した事のあるケニアのコーヒーです。
アフリカの大地を思わす力強いボディーとモカにも負けないフレーバー、一度飲んだら忘れられない味わいでファンが多いのです。
今回これがお初「ケニアSL-34」in Taiwan
台湾でも近年増えている品種の一つです。アフリカのケニアの品種ですが、アジアの台湾でも環境が合う見たいですね。
コーヒーノキ栽培品種「ティピカ種」
コーヒーの優等生であり、高品質くせのない味わいと言えばティピカです。
しかしながら、ティピカ種100%というのは近年中々出会えません。
実際には色々な品種がいつの間にか交配してきちんと管理するのは大変だと言われています。
人気のティピカ種。
始まりをいうにはまずはコーヒーのルーツから。
始まりは、エチオピア。アビシニア高原に自生していたコーヒーの木は、(アラビカ種)イエメンへ移植され、その後国外へ持ち出されヨーロッパへ
ヨーロッパの植民地へ広がり、みるみる間に世界的農産物となりました。寒さが苦手、ある程度の雨量も必要となれば育てられる環境も限られる農産物。日本では、一部で育てられていますが量は限られていますね。
中でも、在来種がいくつかあり伝番で沢山ひろまったキーとなるのがアラビカ種の中の「ティピカ種」と「ブルボン種」特徴的な味わいを持ち見た目もはっきりと違いがわかります。
ティピカ種の若葉は、ややくすんだブロンズ色。
コーヒーの木を育ている方は、ぜひ新芽の色を確認して見て下さい。
もしかしたら…ティピカ種系統かも知れません!
ティピカ種は、甘味がありくせがない後口、綺麗な味わいに高品質の定評があり安定のコーヒー。出会えたらぜひ飲んで下さいね。
コーヒーノキ栽培品種・幻のコーヒーとも呼ばれる「ブルボン・ポアントウ」
まさかここでお目にかかるとは…
コーヒーのルーツ「ティピカ」と「ブルボン」のお話でも出てきたブルボン種の品種の一つ。ブルボン種の始まりは、エチオピアの自生していたコーヒーの木をレユニオン島(かつてブルボン島)と言われた島で栽培し、突然変異でブルボン種となったのが始まりです。
幻のコーヒー「ブルボン・ポアントウ」
かつてフランスのルイ王朝が愛したコーヒーと言われたブルボンポアントウ。フランス共和国の海外県マダガスカル島の東方のインド洋上に在るレユニオン島。その小さな島では、希少な生物多様性類まれな自然美、世界自然遺産に認定されるほどの特異な景観を持っています。
この地にコーヒー栽培がもたらされたのは1715年フランスルイ14世の時代。その当時ブルボン島と呼ばれていました。
コーヒーは、瞬く間に王族貴族に愛される飲み物となりルイ15世、文豪バルザックにも親しまれました。フランスの作家バルザック、本名オノレ ド バルザック、色々な事業を起こして失敗。その膨大な借金を返すため驚異的なスピードで原稿を書き続けました。
その原稿づくりにまつわる有名な話↓
『真夜中起床。机に6本のローソクを灯し書き出す。始めたら最後目がくらみ、手が動かなくなるまで中断しない。4時間から6時間ぶっとおす。体力の限界が来る。と彼は椅子から立ち上がりコーヒーをいれる。だがこの一杯も次への拍車のためだ。8時に質素な食事。すぐに書き出し、昼間で。食事。コーヒー。1時から6時まで書く。途中コーヒー。』
バルザックはこの生活を20年続けました。74編の長編とおびただしい数の短編を書きました。
古の文化人や王族に愛されたコーヒーもその後消滅。その愛されたコーヒーこそが原種であるブルボン種でした。そんな消滅したコーヒーが再び長い歳月をかけて、UCCと現地の方、政府機関の方で復活させたというのがブルボン・ポアントウです。
「とても美味しい」
「とがった形の珍しい豆」
「ブルボン種の原種にとても近い」
「天然カフェインレス」
何年か前でありますが、私も飲んだことがあります。今まで出会った珈琲の中でも高級品の一つ。1杯2500円で頂きました。一度は飲んで見たかったコーヒーでしたので出会ったときに迷わずオーダー。
カップの価格は今はもっと上がってるかも知れませんね! ちなみにその当時のコーヒー豆の販売価格は150gで13000円ほどでした。Σ(・□・;)
コーヒー好きとしては、高いけど飲んで見たい。
好奇心や興味がわきますよね。
なんとそんな高嶺の花・ブルボン・ポアントウが目の前に。
葉っぱが、細長くひらひらしているのが印象的でした。
栽培農園体験記。
品種の宝庫①では、
ケニアSL-34,ティピカ種、ブルボン種などを紹介しました。
大物を紹介しましたので一旦休憩。
品種の宝庫は、②に続きます。
皆様お楽しみに( *´艸`)
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