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絵本がつなぐ高齢者と子どもたち

読み聞かせではなく「本読み会」

高知県南国市は高知市のお隣です。やなせたかしさんが幼少期を過ごされたり、後免(ごめん)町があったりで有名です。
1年、南国市と高知市の県境にある高知刑務所で勤務してたので、馴染みのあるところだったりします。
その南国市を中心に高齢者と子どもたちを対象とした「本読み会」という活動を行っている方がいらっしゃいます。
高知市に「えほんの店 コッコ」というお店のオーナー、森本ちかさんです。
森本さんは絵本屋さんをやりながら読み聞かせの活動も行っていました。
そういった活動の中でちょっと変わった経験をします。
一方的に絵本を読む読み聞かせではなく、その子が選んだ本を一緒に読むという体験です。
読み聞かせと異なる子どもの集中力と一体感を感じたそうです。そして、い子どもと一緒に絵本を読む活動は「本読み会」に進化していきます。

「本読み会」の実施方法

本読み会は次のように行われます。
参加者は読み手と子どもたち。子どもたちの数の半分くらいの読み手がいるといいでしょう。
会場に絵本をたくさん。そして、テーブルと椅子を用意します。
まずはそれぞれ自己紹介。
子どもたちが、読みたい本を選んで読み手に持っていきます。順番を待っている子は、今読んでもらっている絵本を一緒に楽しみましょう。
読み手は、子どもたちに絵本を読んであげてください。
お礼を言って交代です。
と、これだけです。
なので読み手は練習をする必要はありません。
ちょうど我が子に読んであげるように読んであげればいいのです。

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「本読み会」の効果

「おじいちゃん、おばあちゃんはゆっくり読んでくれたわかりやすい」
これは、地元テレビ局の取材が入ったときの小学校一年生のコメントです。
おじいさん、おばあさんの年齢を重ねた声色、読む速さが、子どもたちのテンポにあったいるのでしょう。
そして、何より、絵本を読んでくれる5分間、十分間は、その子だけに向けられた時間のプレゼントになっているのではないでしょうか。

「本読み会」は世代間交流に役立ちます。
「本読み会」は「地域のおじいちゃん、おばあちゃんと孫」という関係を作り出しているのです。
参加する高齢者にも素晴らしく良い影響を与えています。
子どもたちと高齢者の交流は、本読み会だけに止まらず、高齢者の役割や生きがいの創出、世代間の交流による助け合や子どもを地域で健全育成しようという機運の醸成につながるのではないかと思います。
絵本が地域活性化に役立つという事例です。

絵本屋としてできること

私も絵本屋として読み聞かせ活動を行っていますが、森本さんの本を読んで、もっとできることがあると気が付きました。
森本さんは自身の目標として「65才以上の方に3冊以上の絵本」とおっしゃっています。
これは、商売の話ではないのです。森本さんは絵本の力を信じているのです。
その地域に、絵本のタネをまけば、思いやりと優しさにあふれる人々の交流が育つという確信があるのです。
私も絵本屋としてできることがあるはずなのです。そのために、絵本を持って右往左往するのです。


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