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なぜかクリスマスが近づくと観たくなる、映画『ワン・デイ 23年のラブストーリー』について。

空気がキリリと冷えてきて、小雪もチラチラ舞ってきて、わざわざ外出しなくともテレビから流れてくるコマーシャルの影響で、家の中にまで赤や緑やゴールドの(そして「チキン喰えよ」の)クリスマスムードが運び込まれてくるこの季節。
なぜか、この時季になると思い出す、そしてもう一度観たくなる映画というのが、私には1本だけある。
※クリスマスに関係のある内容というわけではない。


映画『ワン・デイ 23年のラブストーリー』


出会いは2014年の秋。
よくあるつまらんラブストーリーだろうと、全然期待してなかったのだけれど、23年間の「7月15日」だけを切り取っていくという構成が興味深くて、夜中に放送されたのを録画してみたのだった。暇つぶしになるしね、と。


そして一人、お気楽な午後に軽い気持ちで観はじめて、
「ほら、やっぱり、ありがちなラブストーリーっぽい。想い合う二人が、なんだかんだとタイミングを外しまくりながらも、どうせ最後は結局めでたしめでたし!のハッピーエンドなんだろ?」
「それにしても、男はクズすぎるし、女は痛すぎるな~」
「しっかしこの女優さん、めっちゃカワイイしキレイ!! アン・ハサウェイ……? あ、『プラダを着た悪魔』の人か!」
「まぁでも、構成は面白いな。さくさく進むし」
な~んて、まったく夢中になることなく、とりあえずラストを見届けようと、流し観していた。


それにしても男性のほう、前半と後半で「同一人物!?」ってくらい別人に見える……。
「女優さんはさ、メイクや髪型や服装でかなり上手く化けられるけど、男の人はなかなか変化つけられないでしょう?」って。
それが、後半になって急にかっこよくなるから驚き!笑



そんなどうでもいいことばかり考えながら観ていたのだ。



これから観るかもしれない人のためにネタバレはしないけど、
そして私はまんまとよそ見していて、思わず巻き戻したけど、
(どうでもいいが「巻き戻し」って今はもう言わないらしいね……)




いきなりガツンとくる。衝撃。




「映画」を使って、こんなふうなことができるんだ……と感心した。しびれた。
でもそれは時間が経って落ち着いてからの感想で、観ている最中はもう、なんていうか……ショックでただただ打ちのめされた(もっと的確な表現があるのだけれど、ネタバレになりそうなのでやめておこう)。



とにかく――

目を覚まさせてくれる映画です。


「日常に呑み込まれ、大切なことをやり過ごしてないか?」

「私の人生、これで、このままで、いいのか!?」


と、激しく心を揺さぶられましたよ、本当に。



でね、同じ年のクリスマスに(確か…夫と一緒に観てみたくて。彼も「いいよ」と言ってくれたので)もう一回観てみたら!!!
(だから、このシーズンになると思い出すのだろう)

前半の二人のくだらない(?)あれやこれやが、くだらなければくだらないほど違ったものに見えてきて、なんだか全然別の映画みたいで、本当にこれはよく練られて創られた「作品」なんだと、しみじみしたのだ。


そして2回目なのに! 結末を知っているのに!!


やっぱりものすごい衝撃を受けて、打ちのめされる私だった……。




「人生に本気で向き合おう、向き合いたい!」と、なかなか思うように進まない現実の前で負けそうになりながらもなんとか踏ん張って、挑み続けようとしている人には、この映画に込められた“想い”がガツンと響くことでしょう。

それはきっと「祈り」のようなもの――。


彼女の人生は、あれで幸せだったのかもしれないけれど、
「私だったら、どうだろう?」と考えたとき、猛烈に叫び出したくなる!!!


「このままじゃ嫌だ!!!」
と。





「人生は短い」

何度も言ってきたけれど、何度だって言ってやる。


本気で掴み取りにいかなきゃ。

私は私に、見たい景色全部見せてやるんだ。



そういう“自分にとって大切なこと”を、忘れたふりして生きていくような時間は、ヒマは、私にはもうないから(今の私はもう、それを選ばない)。

「そんなに焦ってどうするの?」「転ぶよ?」なんて誰かが私を笑おうと(しかしもう「40」なのだ、あっという間に「40」だ)、転んで血だらけになりながらだって駆けてやる。



最後に笑うのは私だ。

そういう生き方をするのだ。




そんな想いを、内なる情熱を、強く激しく蘇らせてくれる大切な映画――(そう、この作品は本よりも「視覚」をとおして味わうほうが効果的だろう)。
クリスマスだからこそ(?)、観たくなる。思い出したくなる。
そして“今の自分”を再確認したくなる・させてくれる、魂ゆさぶり系の作品です。

今年のクリスマスも、久々に観てみようかな……。きっとまた、打ちのめされるんだろうな……。




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“はじめまして”のnoteに綴っていたのは「消えない灯火と初夏の風が、私の持ち味、使える魔法のはずだから」という言葉だった。なんだ……私、ちゃんとわかっていたんじゃないか。ここからは完成した『本』を手に、約束の仲間たちに出会いに行きます♪ この地球で、素敵なこと。そして《循環》☆