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いなくてもいい人間たち

「僕なんていなくてもいいですよね」
と周りを困らせることを言う50代の方を知っています。


勿論、私だって「あなたでなければ」と言われたいと思います。けれどそんなこと、一つもないのだと知っています。私が出来ることは私以外の人にだって出来るし、誰かに出来たことは他の誰かも出来るに違いないことです。それは『今』ではないにしても、いつかは出来るに違いないのです。
だから私は、「あなたでなくても出来ることだけど、敢えてあなたにお願いしたい」と言われたいです。


私の代わりは幾らでもいると思うのです。誰だってそうだと思います。どんな役職だろうと仕事だろうと、代わりの人は絶対にいるものだし、何ならいなければいないで出来ることだって多いのです。
私がしなくたって、何事も、きっと誰かがするに違いありません。
どんなに偉大な人物が亡くなっても第二の○○と呼ばれる人は出てくるし、それだけで世界が滅びるなんてことはない。だから、今まで人類は繁栄してきたのだと思います。
諦めとか達観とかそんな風ではなく、事実として。私はそれを受け止めたい。だって、世界には70億を超える人々がいる。私にだけ出来る役割があるなんて、とてもじゃないですが信じられません。


でも、それだからこそ私は安心してどこにでも行けるし、安心して死ぬことが出来ます。だって、この世で自分にしか出来ない役割があるのなら、死ぬことすら許されない訳ですから。
そうだけれど敢えて今のお前がいいんだと言われたら最高だなと感じます。


私はただ、自分が自分でいることに誇りを持てる自分でありたいです。いなくてもいい私でも、だって、いては駄目な訳ではないですから。
私が生まれた確率がどのくらいなのか知らないけれど、私がここにいること、それしか確かではないから、それに自信を持つしかないじゃないですか。私の代わりはいても、私の命の代わりはないから。



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