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許される空

昔から、空が好きでした。空というよりは、空の青く、果ての見えないところが好きなのです。
川が好きなのは、最近気付いたのですが、おそらく、空と同じで果てが見えないからなのでしょう。海も、同じ理由。列車やバスや、速度の遅い乗り物が好きなのも、果てに辿り着くのに時間が掛かるからなのかもしれません。
果てがないことに、自由を感じるのです。果てがないのは、自由だと思えるのです。これを辿って行っても、ゴールがないんだと思えると、目指さなくていいことに安心します。


目指すことに、取り憑かれているような気がするのです。私の周りだけなのでしょうか。
一番になること、トップクラスであること。目指すことも大事なのでしょうけど、そうでなくても生きやすいことが大切だと思うのですが。


空を飛ぶ夢は、自由になりたいという願望の表れだと聞いたことがあります。
私は空を飛ぶ夢を見たことはないですが、空も海も青いので、青は自由な色だと思えます。
だから私は青が好きなのでしょう。気が付けば、周囲の人に呆れられるほど、手に取るものは青色です。
許されたい、自由でありたい、もしかすると私はそう思ってそう思って、空が恋しいのかもしれません。


目指さなくていい、目指すべき場所もない、そんな自然を見ると安心します。許されている、そんな気がします。私は別に許されなくても生きていけるはずなのに、それを望んでしまうということもおかしな話なのですが。
もしかしたら、私は許されたいのでしょうか。何を?何から?
生きていることを、空から?
だとしたら、私は、許されるために空を見上げるのでしょうか。


空が好き、というよりも、空がこわい、のかもしれません。



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