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ウニヒピリといっしょに

吉本ばななさん、平良ベティーさん、平良アイリーンさんの講演会に行ってきた。

はじめてホ・オポノポノのことを知ったのは、もう10年くらい前だと思うのだけれど、その時は頭で理解しようとしていたから、「4つの言葉をただ繰り返すだけ?目の前で人が転んでもそれが自分の責任??どういうこと??」と、まったくちんぷんかんぷんだった。

それでも、何となくこれは良いものだということだけはわかって、見様見真似?でクリーニングっぽいことをしてみたり、ウニヒピリを意識しようとしてみたり、本を読んだりして、少しずつでもつかんでみようとしてきた。

そうやって読んできた本の中でも、いちばん読みやすく、親しみやすかったのが、平良アイリーンさんの『ホ・オポノポノジャーニー』だった。

本では、アイリーンさんが悩んだり、迷ったり、葛藤しながら人間としてフルに生きている自分のままで、ホ・オポノポノの智慧とそれを実践する人たちに出会い、学んでいく体験が素直に、誠実につづられている。

その等身大のあり方にとても勇気づけられたから、今回の講演会でも、実際にお姿が見られるのをすごく楽しみにしていた。

講演会の最初、アイリーンさんが舞台に上がってしゃべり始めた時、あまりにも本の印象のままだったから、思わず笑顔にならずにはいられなかった。ほんとうに素直に、ただ自分のままそこにいて、率直に言葉をつむいでくれる。そうやってアイリーンさんが投げかける質問や思いに、ばななさんとベティーさんがまたそれぞれのあり方で率直に言葉を返していく、そのやりとりの感じもとても心地よくて、聞いているだけで自分の内側が嬉しくて、くすくす笑っている感じがした。

ウニヒピリを、つまりはほんとうの自分を大切にしている人たちを前にすると、私たちのウニヒピリは喜ぶんだなあ、と思った。

その時に怒っていたり悲しかったり落ち込んでいたり、いろんな感情や思考に覆われていたら、気づかないかもしれない。でも、ほんとうの自分のままでいてくれる、その許可を自分に与えている人が近くにいてくれる時、私たちの内側の深く、魂の真ん中のところは、かならず喜んでいる。

だから、自分のウニヒピリを大事にしていることが、すごく大事なのだと思う。
そうしたら、そばにいるだけで、誰かのウニヒピリも嬉しくなるかもしれないから。

*  *  *

平良ベティーさんが、仕事相手の人が自分とは合わない感じのモードでわーっと話をしてきた時に最後まで聞かずにすっと席を立ってしまう、それがすごいと思う、そこにあるのはやっぱり愛なんですか?と、アイリーンさんに聞かれた時に、「ビジネスだからメリットも考えるし、相手の時間も自分の時間もロスしたくないし、いいものをつくるならダイレクトに話さないと」と、さらっと答えていたところ、その嘘のなさ、迷いのなさが、すごくかっこよくて感動した。

まさに真実なのだけれど、それを実際に行動に移しながら生きるのは、ほんとうに愛と覚悟がなければなかなかできない。

私はまだまだ、気を使ったり、情に流されて、ついつい相手と自分の時間とエネルギーを無駄にしてしまうことがしょっちゅうだ。

アイリーンさんが言っていた「いま自分がいる場所を見ると、すべてが自分の説明書になっている」という言葉も、うわーほんとうにその通りだなあ…と身につまされた。

これはお金の話のところでだったのだけれど、たとえばこんな家に住みたいとかこんな仕事をしたいとか、理想としているものは置いておいて、今の自分の周りをただ冷静に見てみれば、そこにすべてが表れている、という話だった。

こうなりたいけど、今そうじゃない、というのは、つまりはそうじゃない今を自分がまだ選んでいるから、ただそれだけのことなのだ。よね。

そう思いながら自分のいる場所を眺めてみると、ほんとうにありたい場所にはまだたどり着いていないなあ、と思う。でも、たった一年前と比べても、今の方がずっといいなと思うので、少しずつは進んでいるのだと信じたい。

それから、アイリーンさんが離婚を考えていた時にヒューレン博士に言われた「離婚をするならインスピレーションを通してするのがいい」という言葉も、とても印象的だった。

変化には良いも悪いもなくて、思考(記憶)に基づいているか、インスピレーションに基づいているかという違いがあるだけ。後者であれば、流れに乗って変化していっているということになる。

そう言われたアイリーンさんは、何度も何度もクリーニングしてみたのだけれど、「離婚したい」という気持ちはどうしても思考からでインスピレーションではないと感じたので思いとどまって、今のところは関係性も穏やかに変わってきたのだそうだ。

何かを決める時に、恐れや不安からではなく、心が自由な状態で決められているかどうか、それをしっかり見定めることはすごく重要だし、すごくむずかしい。その時だけじゃなく、普段から油断しないで一生懸命、自分に向き合っていないとできないことだと思う。

ほんとうの自分で生きるって、なんて大仕事なんだろう!

「ウニヒピリとどう対話するか」という質問に、ばななさんが、

「私にとって、ウニヒピリの声は体の声。宇宙や自然より信頼できるものはない。体はいちばん自然に近いから、私は体を信頼する」

と、言っていたのだけれど、それは本当に真実だなあと思う。

私が、ウニヒピリと対話するってこういうことかな?という感じがわかるようになってきたのも、ボディーワークを始めてから、もっといえば、クラニオを始めて体の声に耳を澄ませることを思い出してからだった。

そして、私がボディーワークを勉強し始めたきっかけは、前にもnoteで書いた気がするけれど、ばななさんの『健康って?』を読んでだった。

小説家なのに(と思われたことが、きっとすごくあったと思う)、ばななさんが、ずっとずっと、体がだいじだよ、と、言い続けてきてくれたことが、とてもありがたいし、ほんとうに嬉しい。そうでなかったら、私のウニヒピリは今も私に無視されたままだったかもしれない。

*  *  *

講演の帰り道、ウニヒピリがとっても喜んで、いつもよりずっとおしゃべりになっているのがわかった。

遊ぼう、遊ぼう!

小さな声が、話しかけてくる。

そうか、ずっと一緒に遊びたかったんだね。

いつの間にか、お金のためとか、人のため(ほんとうの意味でじゃなくて、気を使って)とかにばかり、時間もエネルギーも費やすようになっていた。全身全霊で遊ぶやり方を忘れてしまったから、「やらなきゃいけないこと」に注意を向けることで、気をまぎらわしていた。

ちゃんと聞かなくて、ごめんね。
待っててくれたのね。

私は人が大好きだけれど、ひとりでいるのも大好きだったことを思い出した。

ひとりっ子だったから、ひとりで遊ぶのはいつでも得意だった。
ぬいぐるみや、虫や、野良猫と遊ぶのが好きだった。
いつか魔法で空が飛べるようになると信じていたから、何度も椅子から飛び降りて親に怒られたりしていた。

本を読んでお話の世界に入り込むのが好きだったし、自分でお話を書いて、絵も描いて、本をつくったりするのも大好きだった。
そんな時は、何時間だって誰とも口をきかないで没頭していた。

あの、ただひたすら夢中になる感じ。
自分の中にだけある世界や物語を目に見える形にしていく、すごく大変なんだけれどすごく楽しい、ワクワクする気持ち。

いつ頃からか、その感じをすっかり思い出せなくなっていた。

SNSがどんどん普及して、誰かに向けた言葉を書くことにすっかり慣れてしまっていたし、ライターの仕事をしていた時は、何かの目的を達成するための言葉ばかりを書いていた。そうじゃない言葉の書き方を、忘れてしまっていた気がする。

自分のために書くのが、いちばん好きだったのに!

親や友達ができた作品を見て喜んでくれたら嬉しかったけれど、それは単なる結果でしかなくて、子どもの頃、いつだって、何かを書こうと思うのは自分のためだった。

楽しいから、形にしたいものがあるから、ただ夢中になって何かを書いたり創ったりしていた時、私はウニヒピリと遊んでいたんだと思う。
あの時見ていたのは、自分の内側だけだったから。

やっと思い出したから、これからはまた、ウニヒピリと遊ぶ時間をつくっていこうと思う。今の生活には、パッと注意を惹かれる面白いことがたくさんあって、ついついそれで気持ちをまぎらわすくせがついているけれど、時々はしずかに、何かを創ったり、書いたりしてみよう。日々の出来事を流していかないで、今しているみたいに、内側で感じたことや思ったこととゆっくり向き合ってみよう。言葉とたくさん遊んでいこう。

それから、時々は人間の友達だけじゃなくて、ぬいぐるみや虫や猫と遊んだり(それは結構いまでもやっているけど)、魔法も信じることをやめないでいよう。誰にも迷惑をかけるわけじゃないんだもの。

ウニヒピリが喜ぶことを、ちゃんと一緒にしていこう。

そう改めて決心したら、お腹の奥で、ウニヒピリがにこにこ満足そうにしている感じがした。

大事なことを思い出させてくれて、ありがとう。
もしもまた忘れたり、ずれたりしたら、教えてね。
なんて言わなくても、いつだって、自分の内側の小さな声は、こっちだよ、と伝え続けてくれているのだと思う。
決して、あきらめることなく。

私たちがただ立ち止まって、耳を澄ませればいいだけなのだ。

講演会の帰りにいただいたお花。
どれがいいですか?と聞いてくれたので、選ばせてもらったよ。
オレンジとピンクの鮮やかな美しさ!

一足先に買えた「講談社から出る素敵な本(と、ばななさんが何度も宣伝していた(笑))」も、すごくおもしろいです。
ウニヒピリが喜ぶ本!

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