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正解の分からないものたち

日常生活を営む中で「これってどうするのが正解なんだろう?」「一体、何が正しいのだろう?」と思うことは、数えきれないほどある。

分からないことがあれば、だいたい人に聞いたり、ネットで調べたりして答えを探すだろう。でも中には、そうするまでもない、軽いというか、浅いというべき、そんな問いも存在する。

僕の中にある、そんな「正解の分からない問い」のいくつかを書き出してみることにする。


箸の置き場

食事をするときに、箸の置き場に困ることがある。
箸置きがあるならそこに置けばよいのだが、問題はそれがないときだ。
テーブルの上に直に置くのは憚られる。
かといって、食器の上に置くのも何となく行儀が悪い感じがするから、食事を始めてから終えるまで、ずっと箸を握り続けるなんてこともざらだ。
この場面の正解が一体なんなのか、未だに分かっていない。


靴を結ぶタイミング

小学校中学年くらいだったろうか、それまでの粘着テープで留める靴から、靴紐で結ぶタイプのものを買うようになった。
大人の階段を上ったのと同時に、新しい問題が生じるようになる。
そう。歩いている時に、時折「靴紐がほどける」という問題だ。
いや、問題なのは「どのタイミングで結び直すべきか」の方だ。
そのままにしておくのは格好悪いし、何かと危険だと分かっている。
分かっているけれど、街中で歩いている時には止まれなかったりする。
結び直すときもあるが、結構な確率で「きちんと結べているフリ」をして、歩き続けてしまう。そうして目的地についてから、結び直す。
どこかで立ち止まってでも、結び直すべきなのだろうか。


オンラインでの目線合わせ

今の世の中は便利なもので、zoomやGoogle meetなどのアプリを使うと、いつでも誰とでもオンラインで話をすることができるようになった。
いろんな人と直接話ができるのは楽しいし、最初は全く使えないアプリが、使用回数を重ねるうちにだんだんと使えるようになる。そうやってできることが増えるのも、楽しみの1つだ。
基本的には楽しいオンラインでの交流で、悩んでしまうのは目線の合わせ方である。
きっと、パソコンのカメラを見つめるべきなのだろう。
でも、開いている画面や映っている自分の顔を見ようとすると、どうしてもカメラよりも目線が下に移ってしまう。
相手の顔を見て話をしようとすると、どうしてもカメラに目を向けられないのだ。
正しい目線の当てどころが分からずに、カメラと相手の交互に見るという形で話をするようにしている。


こうやって自分の中の問いを提示することで「誰かに答えを教えてもらおう」と思ったのだが、やっぱりこのままでもいいかもしれない。そう感じた。

答えの分からない問いに「自分なり答えを見い出す」ことこそが、日常生活の楽しみかもしれないから。

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