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声劇台本:「インタープレイ」

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
今回は僕のお世話になっている方からのお題で書いた〝会話劇調のモノ〟です。刑事二人の掛け合いです、最近難しいことばかり考えていたので気軽に書きました。宜しければ「好きな俳優さん」とか「好きな声優さん」とかを思い浮かべて読んでみてください。


【インタープレイ】

作:カナモノユウキ
《登場人物》
真面目な刑事
破天荒な刑事


破天荒な刑事:
「俺、刑事辞めようかなぁ~。」
真面目な刑事:
「おまえ、それ86回目だぞ。」
破天荒な刑事:
「何だおまえ、俺の独り言数えてんのかよ!気持ち悪いな~。」
真面目な刑事:
「数えてるんじゃねーよ、嫌でも耳に入る数を言っただけだ。」
破天荒な刑事:
「それを数えるって言うんじゃねーかよ!」
真面目な刑事:
「それが嫌ならボヤくな、聞いてるこっちの身にもなれよ。うるせーな。」
破天荒な刑事:
「ボヤかずにやっていけるかよ、これで一か月だぞ?この車内での張り込み。」
真面目な刑事:
「確かに長いな、いつになったらホシは動くやら。」
破天荒な刑事:
「車のシートは固いしよー、バディの男は整髪料臭いしよー、どんだけ俺を苦しめるんだよー。」
真面目な刑事:
「いいから黙って張り込みやれよペヤング頭が!」
破天荒な刑事:
「あ!おまえ今天然パーマ全員敵に回したからな!」
真面目な刑事:
「おまえ一人に対してしか言ってねーよ。」
破天荒な刑事:
「はーあ、もっと派手な事件ねーかなぁー。ちょうどこの前みたいのさ。」
真面目な刑事:
「この前って、あの麻薬密売現場での撃ち合いか?」
破天荒な刑事:
「そうそう!あれぐらい派手なら刑事のやりがい感じるだろ!」
真面目な刑事:
「バカ垂れが、あのとき俺の援護が無かったら、おまえハチの巣だったぞ?」
破天荒な刑事:
「バカ言え!おまえの援護が無くても無事に生き延びてったわ!」
真面目な刑事:
「はーん!じゃあその前の銀行強盗とのカーチェイス!アレはどう言うつもりだよ!」
破天荒な刑事:
「華麗なコーナリングだったろーがよ!」
真面目な刑事:
「どこがだよ!俺が強盗のトラックをパンクさせなかったら、おまえと一緒にトラックの下敷きだったんだぞ!」
破天荒な刑事:
「ちーがーいーまーす!アレはおまえの銃の射程にうまく陣取った、俺様のドライビングテクニックのお陰だろ!」
真面目な刑事:
「何がドライビングテクニックだよ!アクセルバカみたいに踏んでハンドル回しただけだろーが。」
破天荒な刑事:
「そんなこと言うおまえだってなー、去年の立て籠もり事件での突入!勝手に飛び込んでたじゃねーか!」
真面目な刑事:
「おまえが作戦聞いてなかっただけだろーが、勘違いしておまえが叫ぶから段取りめちゃくちゃだったんだろーが!」
破天荒な刑事:
「あーあー素直じゃねーな!自分のミスぐらいしっかり受け止めろよな!」
真面目な刑事:
「はぁ~、勝手に言ってろ。おまえと話すだけ時間の無駄だ。」
破天荒な刑事:
「お前から喧嘩吹っ掛けて来たんじゃねーか。」
真面目な刑事:
「ちーげーよ、おまえが〝派手な事件がいい〟って言ったとこからじゃねーか。」
破天荒な刑事:
「え?そうだっけ?」
真面目な刑事:
「ホント馬鹿だな、おまえ。」
破天荒な刑事:
「……こんな馬鹿野郎様の首根っこ掴んどくのが、おまえの役目だろ?」
真面目な刑事:
「都合よく言ってんじゃねーよ、大変なんだぞコッチは。」
破天荒な刑事:
「俺様は感謝してんだぞ?おまえの射撃の腕が〝たまたま〟良かったから、マフィアの撃ち合いから生きて帰れたし。」
真面目な刑事:
「〝たまたま〟じゃねーよ、ハッキリと俺のお陰だって認めろよ。」
破天荒な刑事:
「カーチェイスも〝たまたま〟弾が上手く当たったから、逮捕まで出来たしな。」
真面目な刑事:
「だから〝たまたま〟じゃねーって!」
破天荒な刑事:
「おまえがいつも〝冷静〟だから、俺様は熱くなれるんだよ。」
真面目な刑事:
「……よく言うよ、ホント。」
破天荒な刑事:
「何だよー!俺様が珍しく褒めてやってんだからありがたく思えよ!」
真面目な刑事:
「うるせー、愚痴の次は感謝とか、言うことがかけ離れすぎてるんだろうが。」
破天荒な刑事:
「俺様とおまえはさながら、ジャズの〝インタープレイ〟だな。」
真面目な刑事:
「何かっこつけて言ってんだよ。」
破天荒な刑事:
「おまえだって、俺様に影響受けてんだろ?」
真面目な刑事:
「受けてない、おまえに合わせる内に成長しただけだ。」
破天荒な刑事:
「強がるなよー、なー相棒!」
真面目な刑事:
「うるせーよ。……ったく、いいから真面目に張り込みやれよ。」
破天荒な刑事:
「何だよ、照れてんじゃねーよ相棒がよ。」
真面目な刑事:
「違う、これ以上無駄口叩くと所長にチクるぞ。おまえの無駄口とかモロモロ。」
破天荒な刑事:
「おまえ、嫌な脅しするなよなー。あー、また辞めたくなってきた。」
真面目な刑事:
「また始まった。」
破天荒な刑事:
「…やっぱ刑事、辞めようかなー。」
真面目な刑事:
「よし、わかった。このヤマで俺がおまえの認めるベストなセッションをしたら、その無駄口止めるか?」
破天荒な刑事:
「ほぉ、面白いな。合わせられるもんなら合わせてみやがれ。俺様は暴れるぞー?」
真面目な刑事:
「ん?………おい、アレってホシじゃないか?」
破天荒な刑事:
「え!?そうだな、しかもあの荷物……確実に動いたじゃねーか!よし!行くぞ〝相棒!〟」
真面目な刑事:
「指図すんな、こっちのセリフだ〝相棒〟。」


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

「声劇」というジャンル自体勉強中なのですが、「シチュボ」よりは少し内容濃いめに書いたので長いです。キャラを〝破天荒〟と〝真面目〟に別けたので、どう演じてくださるかによって大分印象も変わると思うので、読んでくださる方々の遊びやすいように、思い思いに演じて下さると嬉しいです。

力量不足では当然あるのですが、
最後まで楽しんで頂けていたら本当に嬉しく思います。
皆様、ありがとうございます。

次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


【おまけ】

横書きが正直苦手な方、僕もです。
宜しければ縦書きのデータご用意したので、そちらもどうぞ。


《作品利用について》

・もしもこちらの作品を読んで「朗読したい」「使いたい」
 そう思っていただける方が居ましたら喜んで「どうぞ」と言います。
 ただ〝お願いごと〟が3つほどございます。

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    ※事前報告、お願いいたします。

  2. 配信アプリなどで利用の際は【#カナモノさん】とタグをつけて頂きますようお願いいたします。

  3. 自作での発信とするのはおやめ下さい。

尚、一人称や日付の変更などは構いません。
内容変更の際はメールでのご相談お願いいたします。


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