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取材者は「取材対象者」と「読者」を結ぶ人。ゆぴさんのインタビュー講座、最後まで深かった件について。

「書く+α」が学べるMarble
インタビュー講座もついに執筆編(最終回)。
今回もいしかわゆきさん(以下ゆぴさん)が講師の、盛りだくさんな1時間半でした。

3回目となるインタビュー講座ですが、ラストの執筆編でも「取材対象者(インタビュイー)と読者のことを考えて書く」という一貫した軸のもと、講義をされていました。
インタビューライターに限らず、大切な極意。

ちなみにゆぴさんは、

応募通過率5%の審査の音声の総合プラットフォーム「Voicy」

にて配信もされています。
最近も興味深い配信をされていたので、ぜひ興味ある方はゆぴさんのVoicyへ。(基本無料です)

前置きはこのあたりにして、早速スタートします。

素材の整理

いきなり書き始める前に・・。
取材中の空気感や流れを知るためにも、「書き起こし」の作業をする。

書き起こしとは・・・インタビューで録音した音源を文字にすること。
そのまま(文字にしただけ)
→素起こし(改行などをつけて見やすくした)
→ケバ取り(意味のない単語、言い淀み、言い間違いなどをカット)
の順に行う。

POINT>編集さんに求められる場合もあるし、インタビューの雰囲気を改めて掴むためにも、やっておくことが吉◎

構成案をつくる

構成案とは?

構成案は、記事の骨組みとなる大切な部分。
この時点で、
・もともとのインタビューの目的はなんだっけ?
・読者は誰を想定しているっけ?
・どんな順番で書くと魅力的かな?
など、再度確認!

↓原稿のイメージ↓(★は重要、後ほど説明あり!)
タイトル・サブタイトル★
リード文★
本文
見出し説明
見出し説明
まとめ(自分はどう感じた?どう思った?なども)
PR・告知事項

質問の順ではダメですか?

質問内容を考える際に、ある程度の流れは決めているはず。
なので、質問順=構成案順となることも十分です。

しかーし!!
インタビューでは、アクシデントはつきもの。
下記のような場合は、順番を入れ替えると◎

質問1
回答1
質問2
回答2
質問3
回答3と&回答1がくる
(例「そういば!」と追加回答がきたり、「さっき上手く言えなかったけど・・」のような補足回答がきたり)

上記のような場合、回答3と一緒にきた回答1を最初の回答1にもっていく。
POINT>読みやすい!を優先しましょう。

実際の構成案(ゆぴさん流)

1)書き起こしから要約を作成
 ●パンチラインは活きるように、メモしておく。
 (例)デキる営業は「待たない」など、人の感情が動きそうな言葉。
 ●質問ごとに、ある程度のまとまりがあるはずなので、それぞれで要約をつくる
 例)経歴、●●の魅力、なぜ●●をしようと思ったのか?など。

2)要約を並べてみる
要約をしてみると分かる通り、何を書くか?が明確になる
例えば、ターゲット、ターゲットの聞きたいことなど。
(書き起こしからスタートすると、蛇足、不足が増えてしまう。)

3)文章の工作をする(並び替え、くっつける、捨てる)
構成の並び替えをしてみる。
また、「捨てる項目」を決めることも大切。
例)インタビューを行った1番の目的、パンチラインが活きる文書などを考えたときに、話が逸れそうな内容など。

POINT>読みやすくて、おもしろい原稿になればよし!

4)見出しと、仮タイトルをつける
ゆぴさん曰く、見出しは、リズム感とのこと。
ただ、一概にこれが正解!みたいなものはないので、様々な見出しをみて勉強したり、この人の文いいなぁ〜と思う人のを参考にしたりが◎

(1)〜(4)の作業を終えたら、一度編集者さんにみていただくのもあり。また、カットした内容などに不安があるなら、それも伝えて提出がおすすめ。

執筆の進め方

インタビューの形式について

・対談形式→2者で対話しながら進む
・引用形式→取材対象者の一部の発言を引用しながら論じていく
(情景描写なども含んで文章化する力必要のため、難易度は少し上がる)
・ひとり語り形式→取材対象者になりきって語っていく
(最近、noteなどで多い。取材された感がないように書く、取材者の性格や口癖などのインストールも必要。これまた難易度は少し上がる)

現代人はなかなか文字を読まぬ。そのためには・・?

1)写真の入れる位置、太字の位置を意識する!
 スクロールに、写真・太字があると離脱しにくい。

2)タイトルはこだわる
タイトルで記事を見るか否かが決まると言っても過言ではない。そのため、タイトルには超こだわること。

★めちゃくちゃためになる、タイトル例★
<有名人の場合>
その人の発言or+◎◎が語る「メインテーマ」
例)「仕事はクオリティで決まらない」前田高志が語る、フリーランスがしるべき”価値”の話
<一般人の場合>
その人の発言+「メインテーマ」
例)まずは”結果がでるまでやる”と決めた。旅する起業女子がストイックに努力し続ける理由

・名前を出さない変わりに、代名詞や権威性となるものを探す
・驚き、発見、新鮮という視点でもOK((例)土日の体感時間を1週間に延ばせる!?〜〜)

POINT>読者のことを考えて、読者のメリットとなる!と思えるタイトルを意識する。

タイトルはいくつか挙げて、編集部に聞くのもあり!
→「複数候補があると編集者的にも助かる!」byマーブルスクール「編集・メディア」の講師 えるもさん

リード文

1)役割
導入部分。→読者を本文に導く大切な部分。
・記事の概要
・面白そう!という期待値
・「読者の共感」などを聞いて読者との距離を縮める。
などが記載されている。

2)書き方、ポイント
・「こんな悩みない?」と投げかけて、読者に自分ごととして思わせる
→共感、距離感を縮める。

・下記の3点をいれる。
■共感=わかる!誰もが感じたことがあるようなこと。
■ベネフィット=こんなものが得られる
(例)この記事を読めば、世界で活躍するリーダーの考えがわかるかも・・など
■権威性=なんかすごそう。(話がおもしろそう)
(例)今回ご登場いただくのは、8年間、自らプレゼンしたコンペの勝率が100%を誇る営業の〇〇さんです!

やりがちNG文章

QA形式は、つまらないのでNG。まるで、対話しているような文章を心がける。
・相手の言葉を受け取るような文章
 「ワイン!そんなこともお詳しいんですね?」
・本当に会話しているような相槌(音読すると◎)
・相槌でライターの色を出してもOK。
自己主張ではないけど・・例えば、柔らかい印象だったり、返しが面白いかんじだったり
・実際に発言していない言葉も入れてOK!創作して◎
会話の流れなどを考えて、「わかりやすい」「おもしろい!」なら大丈夫。

文字数のルール

・全体の文字数は→3000文字〜5000文字
・タイトル→MAXでも45文字(検索結果は29文字)
・1文は何文字?
→文字数の目安はないが、基本的に一文一義。3行あったら注意!

POINT>長すぎると、誰にも読まれなくなる。削る勇気!

言葉のルール

・固有名詞は説明する
 例)Marble→「書く+α」が学べるキャリアスクール「Marble」
・同じ言葉を続けない
 ※しゃべり言葉のままで書くとくどいので、調整が必要
・知らない言葉を使わない
 例)パイが広い→パイが大きい、ミレニアム世代→ミレニアル世代

余白とリズムのルール

・改行のタイミング
 ■3行で改行
 ■パンチラインはあえて前後に改行をいれて目立たせる
・句読点
 「、」が多いと細切れに感じ、少ないと詰まって見える
 →音読してみる
・ひらく漢字
 →漢字とひらがなのバランス。
 「記者ハンドブック」を手元において確認。
・メディアのルールを聞いておく(メディアレギュレーション)
・リズムは、好きな人を真似する。

表現のルール

ライターは、創作者なので、表現は自由度が高い!
回りくどい、わかりづらいと思ったら補完してOK。
ただし、本人が言わなさそうな言葉選びはしない。

・情報が不足していたら?
情報を書籍などから抜粋したり、追加取材したりする
・言葉が難しかったら?
読者のレベルに合わせて言い換える

「整文」しすぎず、「その人らしさ」を残そう!

推敲のポイント

・一晩寝かせる
→煮詰まったら一度頭を切り替え、新鮮な気持ちで読み直す
・音読する
→語尾や句読点のリズム感を確認。日頃から音読のクセを。
・80%で出してみる
→書いているうちにわからなくなってしまったら、編集者の手を借りるのも手。

詳しくは、古賀史健さん著「取材・執筆・推敲」を参考にするととても良い◎

講義を受けての感想

インタビュー講座。
最終回の今回も盛りだくさんの1時間半(と、ちょっとオーバー笑)でした。

講義を受けての感想は、第一回からゆぴさんがずっと伝えている通り、取材対象者と読者が喜びあってこそのインタビュー。(もちろん、メディアも。)

取材対象者がどれだけ魅力的でも、読者に関心がない、読みづらい・・と記事は読まれません(取材対象者に取材した意味もない)。
一方で、課題を抱える読者がいたとしても、読者の課題に沿う取材対象者(引き出せす質問、活きる記事も含め)でないと、やっぱり読まれません。

だからインタビューライターは、「インタビュイー(取材対象者)の魅力」と「読者の読みたい!を刺激する」ような記事を創作する必要があります。

となると・・・
インタビュイーと読者を結ぶことが、インタビューライターのお仕事・醍醐味なんじゃないかな?と感じました。
また、これはインタビューに限らず、他のビジネスでも同様ですね。

インタビュー講座はいったん終了しましたが、講座動画を見返すたびに(例えば、半年後の自分とかも)新しい気づきがある、それくらい有意義な講座でした。
まさに、「書く+α」を学べた講座です。

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