見出し画像

ロゴ制作のはなし

前回「北海道の東へ行った話。」を書いたのでその続きです。

私は、『一般社団法人てしかがスタイル』という北海道川上郡弟子屈(てしかが)町にて新しく設立された団体のロゴ制作のお仕事を承りました。

簡単にいうと地方創生を行う団体なのですが、地方創生を成功に至らせるにはそれなりに年数を要しますし、志を共にする仲間を増やしていかないと成り立ちません。

『てしかがスタイル』は【産業と暮らしの質を高め、持続可能な地域社会の実現】を理念としていおり、「まちづくりの高度化」「一次産業の高度化」などのプロジェクトが存在します。このプロジェクトに対し、現在様々な企業や賛同する仲間が集まってきており今後本格的に団体としての活動が活発になっていくので、そのスタートラインともいえるロゴ制作を担えることになり、大変光栄です。


完成したロゴ

さて、まずは完成したロゴを披露します。

一般社団法人てしかがスタイル 完成ロゴ

大変気に入っております。
賛否両論あって然るべきだとは思いますが、私は大変気に入っています。

もちろん「ハイできました」といって完成したロゴではないので
完成に至るまでの秘話をちょこっとお話ししたいと思います。

最初はコンセプト・方向性探り

どんなロゴを作るか?まずはコンセプトを探ることから始めます。
弟子屈町がどのような町であるのか、てしかがスタイルが目指す未来はどのようなものか、先方にヒアリングをしながら様々なネタ(種というべきかな)を集めまくり、方向性・コンセプトの違いで4種のロゴ原案を提案しました。
※提案書は先方と認識の相違が出ないようわかりやすくを心がけ、最終的に38ページになりました。

その結果、定まった方向性がこちら。

私はこの原案に「Official POP」と名付けて提案しました。
関係人口を増やすにあたり親しみやすさを重視し、ちゃんと公式感があるようなロゴ。のつもりです(笑)

関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です

総務省

地方創生に欠かせないもの→行政や自治体、また企業同士で協力・共栄していくこと→てしかがスタイルもエコシステムの一つとして機能する→その観点から「公式感」を出すと共に、まずは関係人口を増やしたい→「親しみやすさ」は外せない。といった感じを切り口とした場合のロゴ案です。

※このほかに提案したものは割愛しますが、切り口が違うので当然ロゴ案も違います。上記案とは全く別のかっこいいロゴです。かっこいいです。割愛しますが。

造形を再考する

方向性が決まったところで、てしかがスタイルさま側から「テシカガ」となっているシンボルを「てしスタ」にしてみたらどうか?
と提案がありました。

「てしスタ」。響きがいい。覚えてもらいやすそう。
早速着手し、提案したシンボルがこちら。

文字一つの形が縦長か、正方形に近い形か、この他にも太さの違いなどで複数検証しました。(検証楽しいよね!)

四角に入れてみてはどうか?ということにもなりました。
入れてみて造形を試行錯誤しました。

四角に入れてみた。

ここで私はユニクロの偉大さに気づきます。
四角の枠に4文字を均等に並べると、ユニクロを彷彿とさせてしまう・・・

色が違っても、文字が違っても、
私たち日本人の脳には「四角の塗りつぶしで4文字はユニクロ!」と圧倒的に刷り込まれてしまっている。くっ・・

せめて「てしスタ」この文字の雰囲気だけでもユニクロから遠ざけたい。
一旦四角に入れることは置いておいて、文字の造形を整えることに着手します。

造形を整える

カタカナの「スタ」を角張ったものにしていたので、ひらがなに合わせて丸みを持たせるように調整しました。

まるみを持たスタ。
色んなてしスタ。ちょっとずつ違う。

上記は提案した資料の中から抜粋しているのですが、イラレはお見せできないくらいとんでもないことになっています。

色々検証し、先方にも見てもらいながら協議と調整を重ね、ようやく元となるものができました。

完成版の元となった案

思考に戻ってみる

さて、ここでコンセプト・方向性に立ち戻ります。
四角問題を後回しにしてたので。

四角である必要はあるのか?四角でなければ何がいいか?なくてもいいか?様々なアイディアと元々のコンセプトを行き来しながら、手を動かしていたところ思いつきました。

ふきだし」です。

てしスタって声に出したい、いい響き。
産業と暮らしの質を高めるという理念をゴールとしたとき、同じ志を持った関係人口・滞在人口・交流人口にあたる人たちの「合言葉」が「てしスタ」になったら・・・という考え方はどうだろう?となった訳ですね。

この話と作ったロゴを提案し、採用され👏ようやく最終段階に入ります。

完成直前のロゴ

緻密な調整!規則と感覚を行き来する

最後の調整は、規則と感覚の行き来です。
私はいつも、規則→感覚→規則→感覚→規則を繰り返してロゴを完成させます。

レシピ通りに作っても美味しくない時ありますよね。
最終頼るのは自分の舌で、美味しいと感じるまで調整しますよね。

デザインでは規則通りに作ってもなんか気持ち悪い〜なんてことがあります。
それを気持ち良くするのは自分の感覚ですよね。
でも規則に沿っているのもそれはそれで気持ちが良かったり。
ここから上記の完成直前のロゴを自分なりに「きもちいい」ところに持っていきます。


こんな感じ。

「ス」の横幅の長さだったり、余白だったりをピクセル単位で調整します。
線や丸は別レイヤーにして何回も何回も表示非表示を繰り返して「きもちいい」ところを探します。
私はこの作業が大好きだったりします。笑

最終的に吹き出しの角は丸くなりました。
吹き出しじゃないバージョンも作りました。

そんこんなを経て、最終ロゴが完成したので、気に入っています。
という話でございます。

かわいい子ですね〜〜よしよし❤️

ガイドラインを作成してロゴ制作を完了いたしました。
(実はついこの間完成したばっかり!)

てしかがスタイル、略して『てしスタ』とみんなが言ってくれるといいな〜と制作者は思っております。

そんなてしかがスタイルですが、てしスタメンバーのみなさんが、Instagramやnoteを随時更新していますので気になった方は覗いてみてくださると嬉しいです!

ロゴやデザインにはなかなかの思いで向き合ったりするので、こんな風に書ける機会をアドベントカレンダーとして企画してくれた友達のきったーさん、ありがとうございます!

最後になりましたが、私、本日誕生日です!

誕生日おめでとう!と思った方はスキ、
てしスタいいね!と思った方はスキ、
北海道行ってみたい!と思った方や弟子屈町興味ある!と思った方もスキ、
お願いしま〜す!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?