現代版桃太郎 生誕編 第3話
2057年2月
大吾とクシナダが生まれて一年。大吾は普通の赤ちゃんのように歩くまで成長した。クシナダは大人の姿から変化せず、普通に言語は話すことはできていふが、漢字やアルファベットを書くことにうろ覚えの部分が目立つ。そんなクシナダに惹かれた桃太郎はまだ一歳だからといって大吾を見捨てており、クシナダにだけ甘くする。桃太郎と嫁との間に不穏な空気が出つつあった。
大吾の初恋
大吾は桃太郎の嫁のお腹から産まれていないせいか、嫁ではなくクシナダに甘えるようになっていた。同様に、クシナダも大吾にメロメロになりながら子育てに熱中している。
大吾『ねぇね、あそぼーよー』
クシナダ『あー大ちゃん!!あそぼー』
大吾『ひざまくらしてー』
大吾は普段クシナダに膝枕を頼む。まぁ国宝級美女の脚で寝れるのならたとえ小さい子供でも嬉しいことであろう。さらにこの頃かクシナダは大吾が将来美少年になる事を確信し、将来を共にしたい気持ちが片隅にあった。
大吾『ねぇね!だいすきーーー!!』
クシナダ『ずっと一緒にいられるといいね』
大吾『ねぇねと一緒がいいーー!!』
大吾がクシナダと遊んでいる側に、桃太郎が突然
桃太郎『ちょっとクシナダと出かけてくるわー』
クシナダ『いま、遊んでいる大吾はどうしますか?』
桃太郎『いやいいよ、子育てなら嫁がやってくれる。お前には服とか必要だろ!いいからお前はついてこい』
クシナダ『子育ては私に任せて奥さんとお出かけすればいいじゃないですか!たまには奥さんも大切にしないといけませんよ、、』
クシナダは寂しそうに家を後にした。大吾もクシナダの後ろ姿を見て、目に涙を溜めるほどだった。
実は桃太郎はこの頃から、クシナダを独り占めしたいと考えていた。竹の中から連れ出して、赤ん坊から成人までの過程を間近で見てきたのだから無理もない。近所からクシナダが外に出ると視線は一気にクシナダに集まる。桃太郎は県知事会に秘書としてクシナダを同行させる事もあり、一緒にいると桃太郎は他の県知事にマウントを取る。なおこれにあたって秘書は3人いたが、二人理不尽な理由をつけられてクビになっていた。
大吾の淡い恋も、別れを告げる時が来た
2057年4月
『週間門春』
岐阜県知事!!二度ある事は三度ある!!歳の差カップルと昼間のラブホ入り!!
そのカップル。つまりクシナダであった
この日もいつものようにクシナダと大吾はイチャイチャしていた。一方奥の部屋で、桃太郎は問い詰められていた。
嫁『みたわよ、あなたを信じて来たのに、、』
すると嫁はクシナダと大吾の元に行き
嫁『この最低女!!であった当初から何かおかしいと思っていたんだ!!』
クシナダ『いいえ!私からも説明させてください!!』
嫁『関係ないわ』
すると桃太郎の嫁は桃太郎が小さい大吾を連れて岐阜市にある母方の祖母の家に逃げ込んだ。
逃げ込んで以降、何もわからない大吾は
『ねぇねに会いたいよぉ、、』
泣きながら毎日を過ごす日々。しかし嫁も、夫と不倫したとはいえ小さな大吾がクシナダに恋心を寄せていた事も知っていた。
『いつか会えるから、信じていようね、私もきっと会えると信じている』
一方でクシナダも、小さな大吾のことを想う日々があり、桃太郎と喧嘩が絶えないこともあった。
淡い記憶
2059年4月
大吾は岐阜市にある幼稚園に入園した。大吾の周りには明、隆也、裕人。3人の友達と馴染むことができた。しかし大吾の心の中に、あの淡い記憶が走馬灯のように蘇ることは稀にあった。幼稚園の通園時、コンビニから出る成人女性に駆け寄る事や、声をかける事がある。ある特徴を持った成人男性なら確実に前科がつくであろうが、岐阜市民は優しいのか、頭を撫でること多かった。大吾はクシナダと会いたい。でも薄々会えないとも感じていた。
また、大吾の担任の先生はかなり美しい。容姿もクシナダにそっくりであったため、大吾は先生にいつもなつき、ねぇねと呼んでしまうこともある。先生に注意されると渋々先生と呼んで、隆也にいつもからかわれていた。
いつもの昼寝の時間に、大吾の心が爆発してしまった。
先生『みんなーお昼寝の時間ですよーーみんなはゆーーっくり寝てくださいねーーー』
園児全員が寝ている はずだった。大吾はただ一人寝ているふりをして目を開けていた。当然先生は看破って
先生『大吾、、寝なさい、、寝る時間だよ、後で眠たくなって、ちょっと、、大吾??』
大吾『先生、、これからねぇねって呼ばせてよ、、ねぇねの膝じゃないと寝れない、、』
先生『いや、だめ!先生って呼んで!布団はあっちだよ、皆んな布団で寝れているよ、ほら、大吾も寝ないと』
大吾『じゃあねぇねも布団に入ってよ、だったら寝てあげる』
先生『でも、、もぉ、、、じゃぁいっしょに寝てあげるから、、大吾も寝るんだよ、、』
先生は大吾の布団に入った。先生は大吾が寝たと思安心して寝てしまった。すると大吾は先生の脚にしがみついていた。あの頃とは違いジーンズの上からであったが、大吾はあの頃の膝の暖かさ、匂い、懐かしさのままに感じていた。すると同時に大吾はクシナダを想い出したのか、大吾は涙を流していた。先生は気づき、大吾を膝枕で寝かせた。
昼寝の時間が終わり、親のお迎えが徐々に来た。
裕人『バイバイ!大吾!!またあした!!』
大吾は最後の一人になってしまった。
先生『先生の膝、ほんと好きだね ママにいつも、膝枕をしてもらうの、』
その言葉を聞いてしまった大吾は、下を向き、言葉が出なくなってしまった。
先生『ねぇ、お迎え嫌なの、ママと何かあった?』
大吾『ねぇね、、撫で撫でして』
先生は大吾を抱き抱え、大吾は笑顔で力強く抱きしめた。
大吾『ねぇねがすき!』
先生『もぉ、、でも、人を好きになるってことはいい事なんだよ!これはママに言わないとね』
その後大吾にもお迎えが来て、大吾は先生に笑顔で手を振った。クシナダとは違い、また明日も会えるから、、会えるから
教育実習
先生『今日はね!!教育実習だよー!皆んな挨拶よろしくねーー!!』
大吾のクラスに、一人女性が配属された。大人のような顔立ち、艶のある髪、20歳を超えているように見えるがなんと小学生らしい。何年生かはわからないみたいだ。
『池田恵(*)です。よろしくね!』
教育実習生は、事前に大吾のことは聞かされていた。先生に懐くだけでなく、顔立ちは幼稚園の中でもトップに入るほどイケメン。しかも運動神経は抜群。小学生とも互角にサッカーができるほどであった。
早速。大吾の元に駆け寄る。すると
『この子、なんだか懐かしい感じがする。』
『一緒にいたような気が、、』
この教育実習生も、生き別れの弟がいるみたいだ。
続く
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現代版桃太郎、毎週土日に更新中!!
その他ブログも毎週水曜に更新予定!!
次回は!教育実習生が大吾に駆け寄る、すると大吾も教育実習生に対して、何か懐かしい感情が生まれてしまう、、明日更新!ぜひ見てください!!
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