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〖短編小説〗2月16日は「天気図記念日」

この短編は919文字、約2分で読めます。あなたの2分を頂ければ幸いです。

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「何回言ったら分かるの」「ちゃんとして」「はなしを聞きなさい」「言う事ききなさい」「そんな子ママしらない」など

怒る言葉はたくさんあるのに、ほめる言葉はなぜ少ないんだろう。ボクが知ってるほめる言葉は「えらい」「がんばった」くらいかな。いったい何がえらくて、何をがんばったんだろう。よく分からない。

今日は宿題を忘れて先生に怒られて、昨日は学校で友達とふざけていたら、急に友達が泣き出してどうしたらいいか分からなくなって結局、先生に怒られて、家に帰ったらママに怒られた。

少し前に、パラリンピックのテニスの選手が学校に来た。その時こんなことを言っていた。「誰もが誰かの役に立っています。あなたも、あなたも、そしてあなたも。胸を張って生きてください」
偶然にも2番目のあなたもの時に、ボクは指をさされた。ボクが誰かの役に立っている?

自分の得意なことをプリントに書く授業があり、友達は「なわとび」とか、「友達となかよく遊ぶこと」とか書いていた。ボクは何も思いつかなかったので、とりあえず「怒られること」と書いた。その後に先生に怒られた。ある意味合っていたのか?

日本の上に寝ているというと、みんな驚く。え?寝る時だけ大ききなるのと聞かれたこともある。なんだいその無駄なウルトラマンは。
答えは簡単、日本列島の絵が書かれた敷布団の上にボクは寝ているのだ。古事記とかにでてくる神様に怒られそうな気がするが、おかまいなく毎日ぐっすりと寝ている。

そして、お気に入りの日本列島にボクは久しぶりにやってしまった。やってしまったからにはもう隠しようがない。テストは点数が悪ければ隠しておけるが、日本列島はそうはいかない。世間一般的に言われている、所謂おねしょだ。

目覚めた瞬間、悟った。なぜなら下半身が冷たい。いつもなら自分の体温で布団の中はほかほかだが、冷たい。
そっと、掛け布団をめくると、やっちまったと気が付いた。しばし呆然。小学校に入っておねしょをしたのは久しぶりだったから。

掛け布団を払いのけ、日本を確認。謎の模様が浮かび上がっていた。

「日本の上空は、西高東低の冬型の気圧配置で日本海側で雪が降りやすく、太平洋側は冬晴れになるでしょう」

2月16日は「天気図記念日」



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