〖短編小説〗1月22日は「カレーの日」
この短編は860文字、約2分で読めます。あなたの2分を頂ければ幸いです。
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ピンポンパンポーン♪
《今日の給食は美味しかったですか?明日の給食は、みなさんが大好きなメニューです。楽しみにしていてくださいね。これでお昼の放送を終わります》
そんな放送が流れたのは、小学校中が待ちに待った1月22日の前日だった。休み時間はおバカな男子はお外でボール遊び、おませな女子はお教室で言葉遊びと相場が決まっている昨今の小学校。とある教室からは女子たちの会話が聞こえてきた。
「明日たのしみ。もうわくわくして眠れない」ひとりの女子がそう呟いた。
「なんでなんで?明日なんかあるっけ?」同じグループの女子が言う。
「ちょっと、さっきの放送聞いてなかったの!明日はみんな大好きあのメニューじゃん」
「放送、あー明日の給食の話か…私むり、苦手なの」
「うそでしょ!苦手なひとはじめて見た」
「小さい頃に、はじめて食べたんだけど、なんか外国の味がして気持ち悪くなっちゃって、それから食べれなくてさ」
「そっか~確かに独特の味だもんねー外国の味だよね」
「ごはんは好きなんだけど、上にかかってるアレがね~」
「えーアレがおいしいんじゃん!」
そして、小学校中が歓声をあげる運命の1月22日が訪れたのだった。
***
「みなさーん、配膳は終わりましたか?」号令をかける先生も今日のメニューを楽しみにしていたようで、心なしかウキウキしている。
「では、みんなそろって、いただきまーす!」
「「いただきまーす!」」
ピンポンパンポーン♪
《これから、お昼の放送を始めます。まず給食委員から今日のメニューについての説明です》
《今日は皆さんが心待ちにした、全国学校給食ランキングで毎年1位を獲得する超人気メニューです。このメニューはアジアの島国、日本という国の伝統料理で、日本から私たちの国インドに伝わったのは1912年頃と言われています。さらに現在ではインド風にアレンジされたものも多く、多くのインド人に愛されています。では皆さんよく味わって、納豆ごはんを食べてください》
「おれ、納豆おかわりーー!」
「ずりー!じゃんけんだぞ、じゃんけん!」
1月22日は「カレーの日」
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