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ホリエモンが語る宇宙ビジネスの未来

4/24(水)~26日(金)に東京ビックサイトで開催されていた「宇宙ビジネス展示会SPEXA」に行ってきました。丁度訪問した時に「宇宙の仕事、世界で選ばれる日本のロケット開発」というテーマでトークセッションが行われていたので傍聴したのですが、大変面白い内容でした。

インターステラテクノロジズ(株) 堀江 貴文
(株)SPACEWAKER 眞鍋 顕秀
将来宇宙輸送システム(株) 畑田 康二
(株)ロケットリンクテクノロジーズ 森田 泰弘
イノベーション・エンジン(株) 小松 伸多佳

登壇していたのは、上記の宇宙ベンチャーの皆様でしたが、簡単にポイントをまとめると以下のような話でした。

1.日本は宇宙ビジネスに適した場所。次の①~③の優位性がある。
①ロケーション(日本列島は、打ち上げに適した地球の自転を利用できる打ち上げが出来るいい位置にある、また東側が海なので打ち上げやすい)
②サプライチェーン(1980年代からJAXAがロケット開発を続けてきてくれたおかげで、日本国内だけで完結するのSCMでロケットが作れる)
③人材、アカデミック(アカデミックのレベルが高い、人材が豊富)
この①~③の条件がそろっている国はほとんどない。日本の宇宙ビジネスは世界でも戦っていけるし、十分勝機はある。

2.若者が宇宙ビジネス企業に就職しようとすると、親ブロック、嫁ブロックにより断念するケースがある。ただし、宇宙はすでに我々の生活に密接に関係していることを理解していない。「宇宙は夢がある」などど言っている時代ではもはやない。10年後には携帯も基地局ではなく、スターリンクのように衛星と直でブロードバンドでつながる時代になる。逆に宇宙ビジネスに関係していない産業の方がリスク。

3.今の宇宙ビジネスを取り巻く環境は、2000年前後のIT勃興期と似ている。当時はIT=胡散臭いというイメージを持たれていたが、10年後には若者が就職したい人気企業になっていった。ホリエモンが起業した時も、ホリエモンの会社に入りたいという若者の親が乗り込んできて「うちの息子は、こんな怪しい会社に就職させるために東大に入れたわけじゃありません!」と怒鳴りこまれたことがあった。

4.世界の大富豪のイーロン・マスク、ジェフ・ベゾスが宇宙ビジネスに多額の資金を投入している。この状況で市場が拡大しないわけがない。今は、宇宙ビジネスは米国が先行しているが、自動車産業もかつては、米国のビック3が先行し、日本の自動車産業は後発だった。しかし、いまではトヨタが世界一の自動車メーカーになっている。後発でも十分勝てる。先行者利益が全てではない。

5.スペースXは、1社で1万人の雇用を創出している。一方、日本は、JAXAからベンチャー含め全部で約8,000人。スペースX1社より少ない。もっと宇宙ビジネスに携わる人材を増やしていくことが重要。今回、JAXA基金が出来たが、今後、JAXAはロケットの開発・製造を民間にシフトしていくということを意味している。かつては民間企業がほとんど参入してこなかったので、JAXAが自分たちで開発・製造していたが、今はベンチャーも増えてきているし、民間に任せられる状況となってきた。なので、若者でロケットの開発・製造をやりたいと思っている人がいたら民間の方がいい。JAXAのロケット開発・製造は、今後シュリンクしていく可能性が高い。

最後にホリエモンが、最後に本当にアメリカに勝てるんですか?という質問に「米国に勝てないと思ってしまうのは、戦後教育のせい。残念ながら日本は太平洋戦争で米国に負け、米国の占領政策のもと、米国には永久に勝てないんだという意識を埋め込ませる教育が戦後行われてきた。そろそろその呪縛から自分たちを解き放って米国に勝ちましょう!」と締めていました。大変面白いトークセッションでした。

おわり

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