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鎮守の森

神社を囲むようにぽかんと島のように森林がある。こんな風景を見たことはあるだろうか?

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「鎮守の森」は神様を守るために、土地をいじったり木を伐採したりせず、そのまま維持されている森林。鎮守の森について研究され、活動されている、宮脇昭さんの著書を読み、日本の森林のあるべき姿を考えた。


今まで人間は効率的な土地利用をするために、森林伐採をしたり、木材として有効なスギやヒノキを単一的に大量植林したり、と森をいじってきた。

一時はそれでよかったかもしれない。

でも、長い目で地球環境を考えたとき、「鎮守の森」を残し、もっと増やして行くべきなのではないか? というのが議論の重要なポイント。

実際、今住んでいる熊本県で熊本地震の被害について聞くと、その答えは明確だった。熊本地震の際に発生した土砂崩れによって、綺麗さっぱり流されたのは新しく植林された「スギ林」で、残ったのはその土地に長く残るケヤキやカシなどの大樹だったらしい。

それをタイムリーに聞いていたから、この本を読んで点と点がつながった。

自然は嘘をつかない。

「自然の摂理に全てお任せ〜!」
して出来た木々・草花の集合体である、「鎮守の森」は力強い。それもそのはず、数百年あるいは千年間かけてゆっくり完成された鎮守の森には、その土地の特徴に一番あった絶妙なバランスで、木々や草木が生えているからである。


もっとも高くて大きな「高木」を中心に

高木:シイ、タブノキ、カシ
亜高木:シロダモ、ヤブツバキ、モチノキ
低木:アオキ、ヤツデ
下草:マント群落、ソデ群落
(一例)

というように、様々な高さ・特徴の草木が存在する、立体的な構造になっている。その他にも地中の見えないところに、虫や微生物、木々には鳥たちの住処があり、立派なエコサイクルができているのだ。

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(近くの神社で一番大きなケヤキ、樹齢は300を超えているらしい、圧巻。)


人間も自然もありのままの姿が一番。
人間はありのままでいる人や、ありのままの自然に心惹かれるよなあ、と思う。いつ会っても変わらない笑顔を持っている人、会うだけで安心するし、ほっとする。

それと一緒で、今は物凄いスピードで社会や情報技術が変化しているからこそ、不変のものに対しての安心感は計り知れない。変わらない、ありのままの自然である「鎮守の森」に人間は惹かれ、心の拠り所としてきたのではないだろうか。

熊本県・南阿蘇村に移住してから「人間は自然には敵わない」ということが、どんどん確信に変わっている。どのように自然環境と付き合うべきなのか、自分の中で考えを深めて、もっと発信していきたい。

ではまた!🌱

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