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【薪ストーブ】掃除・メンテナンスの備忘録


5000字以上、写真たくさん。

自分のために書くnote。


毎年必ずやる薪ストーブと煙突の掃除。

だけど、自分たちだけでやると1年に1回のことなんて忘れてしまう。

なので、今回は業者さんに頼んで、きちんとメンテナンスしてもらいつつ、要所要所ポイントを押さえて、今後自分たちだけでもきちんとやれるようにここに記しておく。

(なお、名称などは全くわからないので、自分でわかる呼び名で記す)


【我が家の薪ストーブ】
JOTUL(ヨツール)F-400 SE 
2013年設置
購入・施工:さくらプランニング


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それではさっそく、写真付きで掃除・メンテナンスのメモを書いていこう。



①薪ストーブ周辺の養生


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まず、薪ストーブ周辺を養生する。

と言っても、きちんとやればススはそんなに室内に飛び散らないはずなので、ソファやテレビのビニールは実は不要である。(念のためやったけど)

掃除道具を置く周辺2m×2mほど新聞紙や養生シートでカバーできれば充分。

そして自分も汚れていい服装、手袋、マスクなどを着用。



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準備ができたらまずは煙突からカバーを外す。

外すのは簡単だけど、取り付ける時はナットとボルトが外れているのでつけづらい。面倒だけどできれば必ず取り外したいパーツ。

(そうしないとつなぎ目の養生ができないので)


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一番大事なのはここ!

煙突のつなぎ目をきっちりと養生テープで蓋をする。


<ポイント>

煙突に少しでも隙間があると、煙突掃除の際にススが隙間から室内に舞い込むので絶対に絶対にやること。(今までは養生を一箇所しかしてなくて部屋中ススだらけになっていた。←6年目で気づくなど。)


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左右のボルトで締めている部分も念のため養生。

養生はこれで完璧。


②煙突掃除

掃除の基本は「上から下へ」

まずは屋根に登って煙突の掃除とメンテナンスから。

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(遠慮して室内から撮影)

煙突の蓋のようなトップの部分を外して(ススが舞わないようにゴミ袋で覆うように)、煙突入り口あたりのススをブラシでこすって落とす。


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その後、ロープに重石付きのブラシがついたタイプの道具を煙突に入れ、ロープを上下して煙突内のススを落とす。

ふわふわした良質なススなら5~6回でよくて、バリバリとした落ちにくいススなら10回ほど。

重石ブラシを薪ストーブ内にガンッと落とさないように注意して、ジャリジャリジャリ・・・と上下する。

煙突の口に濡れ雑巾を当てて置くとススが舞いづらい。

ちなみに、うちみたいに煙突がまっすぐな場合は棒状のブラシより重石タイプのブラシの方がやりやすいからオススメとのこと。



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ゴミ袋の中で、ブラシのススを落としたり、煙突の蓋や網などをきれいにスス落とし。

周辺をきれいに拭いて、煙突掃除完了。

ちなみに、薪を焚いている時に微妙に室内が煙いとか、うまく上昇気流が起きない場合は、この網がススで汚れまくっているということがあるらしい。鳥が巣を作ってしまうことも稀にあるとのことで、使用中でも煙突の調子がおかしければまず網の状態を確認するのが大切。


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ちなみにネコたちは、ガジャガジャした掃除の音が怖くてベッド下で警戒中。


③薪ストーブ・蓋

煙突が終わったら室内で薪ストーブの掃除・メンテナンス。

ここでも掃除の基本は上から、下へ、なのでまずは上蓋を外す。


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炉内内側からボルトを外す。

いきなりススだらけになるけど、頑張る。


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ボルトが取れたら上蓋を外す。

外すのは乗ってるだけなので簡単だけど重い。


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専用の掃除機を使って、ブラシを当てながらススを集める感じで、掃除機に吸わせる。

金ブラシだと細かいところまで取れやすいし、こするような感じで取るとサビも取れる。


<ポイント>

この時、蓋部分のガスケットロープが傷んでないか確認する。

外れていないか、真っ白になっていないか、弾力が失われていないか、ボソボソパラパラとこぼれないか。

外れていたら押し込み、真っ白になって弾力がなくなり、パラパラこぼれるようになっていたら取り替えが必要。

以下、ガスケットロープが使われている場所は全て同じように確認する。


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めちゃめちゃきれいになった!



④薪ストーブ・炉内

ここでもまずは上から。

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上蓋を外した内部。

まず、前蓋のような外れるパーツがあるので、それを外してブラシでこすり、余分なススは掃除機で吸う。


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奥には煙突から落としたススがめちゃくちゃ溜まっている。

このスス、ふわふわと黒い小麦粉のようになっていたら上手に薪が炊けている証拠。(今回はとてもきれいと褒められた)

がさがさとした硬い粉だったり、コーンフレークみたいになっていると水分が多い薪を焚いたり温度が低かったりするようだ。

ススの状態もきちんと見ておくと◎


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大量のススを取り除く。


<ポイント>

掃除機でススを全部吸わせようとしない!掃除機で吸うのはあくまでも「室内に舞う恐れのあるスス」で、まずはできる限りススをチリトリなどでゴミ袋に入れること。

取りにくい箇所は、炉内に落としてしまって後から取り除くのも◎

掃除機でススを全部吸うと、すぐにフィルターが詰まる。←すぐ詰まるな〜〜と思って去年まで吸いまくっていた。反省。)


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めちゃきれいになった〜〜〜!

サビはそこまで気にしなくて良いとのこと。



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炉内を掃除する前に、炉内の上部にある穴がポコポコ空いたパーツ(正式名称不明・・・)を留めている金具が、動くかどうか確認する。

ものすごく硬いので、ペンチなどでギコギコ回してみて、動くならOK。


<ポイント>

金具は動かすだけ!金具を外したり、パーツを外したりはしないこと!!!

挟まっていたガスケットロープが外れてしまうので、基本は絶対外さない。

ただ、ロープが垂れてきている場合は金具を緩めてロープを中に押し込んだり、劣化して入ればパーツを外してロープ交換をしたりする必要もある。

留め金具が動くかどうかの確認は、毎年やることで焼きつきなどを防ぎ、いざ外さないといけなくなった時にきちんと動くようにしておくため重要。

以下、他の部位でも、必ず留め金具(ボルトナットや差込口など)は動くかどうか確認する。


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炉内を隅々までブラシをかけてこする。

ススは下の灰受けに落としてしまえば、後で灰受けごとゴミ袋に入れられる。


<ポイント>

ススをキチンと落とすのはきれいにしたいからではなく、炉内の鉄のパーツが割れていたり、ゆがんでいたりしていないかを確認するため、とのこと。

(目からウロコだった。。。)

掃除自体は正直どっちでもよくて、使用になんの影響もないけど、きれいにすることで傷みに気づくことができる。

なるほど。。。


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ブラシでこすりながら、舞い散るススを吸い取る。

ここでも、ススは基本的に灰受けに落とし、落ちきれない、舞ってしまうススをブラシの先から吸い取るイメージで。

これを意識すると格段に室内に散らかるススが減る。


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ちなみに専用掃除機はこんな感じ。

いつもはこのドラム缶とホースみたいなのを借りて、自宅の掃除機を接続して使っている。

ドラム缶の中にフィルターがあるので、原理的には掃除機にはススは通らないはず。(だけど毎回結構ススはついちゃうけどね・・・)


<ポイント>

掃除機の接続部も養生テープできちんと隙間をなくすのが大事。


あと、炉内の掃除する前に写真にある↑パーツ(ドアの前のパーツ)も外しておいた方が掃除しやすい。



⑤薪ストーブ・灰受け

炉内、下部。


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このパーツ外れるって知らなかった。。。。

ただパコッとはまっているだけの、スリットのパーツ。

正直、掃除という意味ではしてもしなくても良いけど、長年使っていると熱で曲がったりすることもあるらしいのでその確認ついでに掃除するというイメージ。


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裏返したりね。


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こんなふうになってるとは。。。


下が灰受け。

掃除した際のススが溜まっている。

手前のボルトで止まっている金具は、空気調整の弁を開けたり閉じたりするパーツのカバー。

ここもできれば取り外して、中を掃除しておくとよい。

灰がたまると、空気調整弁が動きにくくなるため。

やらない場合でも、ボルトが動くかどうかは確かめておくこと。


<ポイント>

炉内を掃除するのは、炉内のパーツが熱で曲がっていたり、割れていたりするのを確認するため。

ただススを落とすのではなく、異常がないか確認すること。

ススがついていると気づかない、ひび割れなどにも注意。



⑥薪ストーブ・扉

やっと終わりが近づいてきた〜〜〜。


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扉の枠もきれいに掃除。

細かいところは金ブラシが便利。


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灰受けの中に溜まったススもゴミ袋に入れて、灰受けのケースを取り出して奥の方もブラシと掃除機できれいに。

灰受けの扉は外せなくもないけど、大変だから外さなくてよし。


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扉を外す。

これは乗っかっているだけなので、ただ外せばいい。

同じく、ブラシでこすりながら掃除機を当てススを払う。

さらに、同じくガスケットロープに傷みがないか確認。

ガラス部分も雑巾できれいに。


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<ポイント>

ガラスを留めているボルトも毎年緩めてみて動くかどうか確認する。

外してしまう必要はなく、動けばよし。

(熱で焼付いたりしているといざという時にガラスが取り外せなくなるため)

ドアの取っ手に緩みがないか、空気調整の弁は動くかなど、可動部や留め具の部分はとにかくチェック。


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我が家のストーブは、ヒンジの下の段だけにワッシャーが入っていた。

それを忘れずにドアを設置して完了。

可動部が動きにくければ油をさしたりする。


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最後に、養生テープを二つ折りにしたものを挟んで扉をきっちり締め、テープを引っ張ってみて隙間のチェックを。

1ヶ所だけじゃなく、扉の上下左右、角の方や真ん中など、何ヶ所かで確認。(鉄が曲がっていると真ん中だけ隙間があったり・・・などもあるので)

スルスルと抜ける=空気が漏れているので、ガスケットロープの取り替えが必要。

キュッと抜けなければ合格。


普通に使っていてガスケットロープは4〜5年で取り替えることも多いらしい。

うちの場合は夜だけの使用だけだからか、まだまだ大丈夫とのこと。


⑦最後に


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掃除、検査が全て終わったら上蓋を乗せて取り付け、煙突のカバーを取り付けて完了。

カバーの取り付け、ボルトやナットが落ちやすく留めにくいので注意しつつ。。。

ストーブ全体の汚れも雑巾で拭いて、きれいに。


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めちゃくちゃきれいになった!


スタッフさんからの使用状況のアンケートに簡単に答えて、終了。


我が家での使用状況に対してのアドバイスはこちら。


■きちんと温度を保つこと。

・200度以下が続いたりするとススが出やすく不完全燃焼が起こりやすい、300度以上が続いてもストーブが傷みやすい、なので、250度以上を目安にして使うこと。


■室内の換気扇は、ストーブの温度が上がっている時にだけ使う

・ストーブのつけ始めや焚き終わりなど、温度が200度以下の時は換気扇を使わないこと。上昇気流で煙突に空気を吸い上げる力より換気扇の吸う力の方が強いので、室内に煙が入ったり、なかなかうまく燃えなかったりするため。=ススも出やすくなり、悪いことばかり。

・どうしても温度が低いのに換気扇が使いたければ、ストーブのすぐ近くの窓を2~3cmだけ少し開けると、そこからストーブが吸気するのでまだマシ。(でもできれば換気扇使わない方が良い)


■煙が室内に戻ったり、上昇気流が起きにくい時は煙突の検査を。

・煙突のトップの網にススが溜まったり鳥が巣を作ったりしている可能性もあるので、もし煙突に不具合を感じたら網をチェック。


■ススは燃えるゴミ、灰は燃えないゴミ

・煙突内部、炉内に溜まっているものはススで燃えるゴミ。酸性なので土などにまくと植物に悪影響が出る可能性があるので燃えるゴミとして捨てること。

・灰受けに溜まったものは燃えかすの灰でこれ以上燃えないゴミ。

ただし、アルカリ性なので畑などにまくと栄養になる。

(我が家は畑に撒いている)


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養生シートどころか床も全く汚れもなく、もちろんススもなく(ススが落ちていると、目には見えないけど手でさっと触ると手が黒くなる)、クイックルワイパーで拭いても全然黒くならない。

やっぱりプロは違うなあ・・・。

その間約2時間ほど。


***


今回、来てもらったことで一番学びがあったのが「薪ストーブ掃除っていうけど掃除自体が大事なんじゃない、傷みや不具合を確認しやすくするための掃除で、メンテナンスをするのが本来の目的。」という意識の違いだった。

毎年毎年、掃除しなきゃと思うのもちょっと面倒で、ススだらけになるしやだな・・・と思ってたのだけど、掃除じゃなく「メンテナンスの日」という気持ちでやると、なんだかすごくスッキリした。

毎年のメンテナンスをきちんと自分の目で確かめることで、今後大事に長く使えるし、仕組みを知って各部を確認することで、何かあった時も適切な対処ができる。


今回はきちんと各部の写真も撮って、こうやって説明付きで記したので、今後もこれを見ながらきちんとメンテナンスできればいいなと思っている。

よくやった私。

(一番よくやったのは掃除のスタッフさん)


ちなみに今回は、施工してもらったさくらプランニングさんに来てもらってメンテナンス・掃除をしてもらった。

出張メンテナンス代:約3万円

一見高い!と思うけど、安心安全に使うために自己流ではなく一度きちんと教えてもらえたという点ではとても良い時間であった。

感謝・・・!


今年もこれで安心して薪ストーブを使って過ごせるよ。


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ネコたちも大好きな薪ストーブ。

今年も楽しみだね!


以上、薪ストーブ・煙突の掃除・メンテナンスについて、でした。


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