見出し画像

子育てが終わったら夫婦二人暮らしに気詰まりを感じ始めた

結婚して35年、フルタイムの共働きで3人の息子を育てあげ、昨年春に三男坊が社会人に。

難病を持つ二男三男を含め、皆県外の大学を出てそれぞれ自立した生活を送っている。
自慢は嫌いだがこれだけは密かに自分の中で誇りに思っていることだ。

ありきたりな表現しかできないが、ここまで来る道のりは平坦ではなかった。
でも、夫と二人だから乗り越えられたことは紛れもない事実だ。

しかし、この大仕事である子育てが終了して、いろんな不満が自分の中で噴出し始めてきた。
子育て真っ最中で突っ走っているときは、考える心の余裕がなかったのかもしれない。

私の両親は私が幼い頃に離婚しそれぞれ家庭を持ったため私は祖父母に育てられたが裕福とは言えない家庭環境だったため、奨学金を借りて高校を卒業し、その後就職した。
一方、夫はいわゆる両親揃った家庭で普通に育ち、大学も卒業している。
そのせいか、私はこれまでどこか夫に引け目を感じながら生活していた。
だから夫に迷惑かけてはいけないという思いが強く、面倒なことはとにかく私が率先してやるようにしていた。
町内会、学校行事、親戚付き合い、役所関係の手続き、不動産売買、引っ越し、何から何まで対外的なことは私がすべて主導的にやってきた。
それは長年知らず知らずのうちに自分に負荷をかけていたようで、ここ近年は夕飯何にするかという程度の問いかけですら動悸がするくらい選択を迫られることに恐怖をおぼえるようになっていた。

そのうち、リビングに二人でいることに気詰まりを感じ始めた。

うちの夫婦はこれまでずっと近所へ買い物に行くにも二人で出掛けているような、どこに行くにも何をやるにも二人セットで取り組んでいた。
そういう生活を長く続けていると、単体で何かすることはいけないこと、罪悪のように感じるようになってしまった。
一人でどこかに行くときは必ず相手に場所や用務を明らかにする。それが私たちの暗黙のルールになっていたのだ。

しかし、その均衡が崩れてきたのは2年前から。
夫は定年退職し今は再雇用の身なので平日も夕方は一人時間がある。有休も結構取りやすいようだ。
一方、私はまだフルタイムで働いているので、うちに帰るといつも夫がリビングに居る。
たまに私が有休を取ると言えば頼みもしないのに休みを合わせてくる。
いつもいつも夫が側にいて、私が自由になる時間は私がトイレとお風呂に入っているときと、夫がトイレとお風呂に入っているときだけ。

そんなとき転機がきた。

今年1月に夫がコロナに罹ったのだ。

結婚して初めて寝室を別にした。コロナが治ってからも夫はしばらく咳が続いたためその後も寝室を分けたままにした。

そして5か月が経ち。

途中で夫から寝室を元に戻さないかと言われたが、気兼ねがないので熟睡できていることを理由に断った。

そして最近はどんどん一緒にいる時間がしんどくなり始めてきた。
知らず知らずのうちにネットでワンルームマンションをググったこともある。

夫の母は現在89歳。昔人間なのもあるが精神的に自立していない他力本願な人だ。
私とは真逆な義母のそんなところが昔から嫌いだった。
しかし、私は夫を気遣い、夫の母であるから私が出来ることはすべてやってきた。嫌なことも、嫌だと感じても自分を殺してやってきた。
夫は昔から母親が第一で、彼の中での私の優先順位は母親より下だった。昔そのことを夫にぶつけたら、「二人を比較できない」と言ったが、どう考えても母親の方を優先していた。そのこともずっと私の心の奥底にこびりついていた。

今義母はリハビリ入院しているが、退院後はサービス付き高齢者向け住宅に住みたいというので、夫ではなく私が義母の安い年金額で入れる住宅を時間をかけて探し入居の手続きをした。

毎週義母の病院に行くのが苦で苦で仕方なかったので、自分が潰れる前に勇気を出して夫に毎週は行きたくないからたまには一人で行ってくれないかと申し出たらものすごく機嫌を悪くされた。(ここでも優先順位がわかる)
私は自分の身内のことで夫を駆り出したことはない。私が嫌だと思うことを夫にさせては申し訳ないから。
なのに夫は、私がこんなにも心身参っているのに、それでも無視して毎週義母の面会に私を連れて行く。それは義母がそれを望んでいるから。夫は私の気持ちより実母の意向が優先なのだ。昔人間の義母は、面会には嫁が来て当然という頭がある。周囲の体裁を気にしているのだ。

フルタイムで働く身としては、土日の休みは尊いはずなのに、私の場合は苦痛でしかない。
土曜日は義母の面会、土日ずっと夫が側に居る。

全く気が休まらないどころか、ストレスが積み重なって爆発しそうだ。
私はただ自由な時間がほしいだけ。
ひとり時間がほしいだけ。

自由な時間で自分を大切にして心に栄養が行き渡ったら他の人に優しくすることもできると思う。

今日、勇気を出して2時間だけ別室ですごさせてもらった。
リビングで寝転がってテレビを見ている夫に
「下(1階)に居るから」
と、勇気を出して告げた。

怪訝な顔をされた。

それから1階でひとり、心が解き放たれた感じがした。何もない部屋だから何も出来ないけど、こうしてnoteに綴る時間をもらえた。
いつもなら、こんなに長時間スマホに向き合うことは、夫に気を遣ってできないことだ。

四六時中ずっと側に居ることが必ずしも仲良く居られる秘訣ではないと思う。
むしろ、少し距離を置いた方がお互いを思いやる心の余裕が生まれるのでは?
そう思ってるのは私の方だけかもしれないけど。

リミットが来たのでリビングに戻らなければならない。
気詰まりだ。とても気詰まりだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?