見出し画像

【薬剤師の転職】働き方の相性と副業の道を開拓するメリット

日本で薬剤師として働くには、薬学部卒業して、国家試験に合格する必要があります。
現在の薬学部は6年。
国家試験は年に1回。
合格するまで、なかなかハードな道のりです。
暗記の量や集中力、努力も必要ですが、学費の工面が大変です。

※ここからの話は、一個人の見解です。すべての人が当てはまるわけではありません!
一言で薬剤師と言っても、病院、調剤薬局、ドラッグストアー、企業など働き方が変われば条件が変わります。
参考になる方がいればと思い、私の体験をシェアします。

調剤薬剤師の年間のルーティン

調剤薬剤師の1年をざっくり簡単に紹介します。
基本的に、調剤薬局は閑散期の暑い季節と、
繁忙期でとても忙しい冬の時期の2パターンに分かれます。

簡単に言えば、10月くらいから風邪がはじまり、
寒くなると感染症、ノロウイルスなどが流行りだし、
落ち着いてきたかな~と思う頃に花粉症の時期に突入です。
10月~5月くらいまでとても忙しいです。
※皮膚科は汗もなどがおこりやすい夏も忙しいです。

薬剤師の新人は、冬を乗り切ったら一人前と言われています。
私の一感想ですが、知識量も大事ですが、現場で求められているのは最後まで体力的に生き残れるかどうかな気がします。
体力が大事!

毎日、100人以上の患者さんに接する仕事です。(場所にもよります)
シーズンになると、インフルエンザ、コロナ、アデノウィルス、ノロウイルス、胃腸炎、流行り病、食中毒、その他もろもろの患者さんが来ます。
感染せずに、冬を乗り切ることのできる新人は多くはないです。

体力が持たず、疲労で自分の免疫が下がれば、自分の体調がすぐ崩してしまいます。そして、十分な休息が取れないためか、回復に時間がかかります。
繁忙期は、人にうつす可能性がある感染症以外で連日休むことはほぼ出来ません。人員が潤っているという稀な職場を除いて、現場は常に人手不足です。

ベテラン薬剤師になれば、体調管理もできるようになりますが、ベテランになるまでに数回かは感染症をもらいダウンして、声がでなくなる体験をし、体で学んでいきます。
現場で求められているのは、最終的には体力!のような気がします。(国家試験合格できるくらいの最低知識を持ち合わせていることが前提です)

薬剤師と言えど、働き方に相性がある

私自身が転職する際に、いろいろ調べたシェアを出来たらと思います。
もっと良い条件や働き方を知っている方もいるかもしれないので、転職する際はプロの方にも意見を聞いてください。

私自身は、調剤薬局で新人教育を受けて育っているためか、短時間で多く回すという働き方に特化しているように感じています。
私は、大きな病院の門前との相性が良いです。

働き方があっているのか、
悩む薬剤師もいますが、働き方や働く場所にも相性があります。
例えば、
大型店舗、大病院の門前、商店街の薬局、地域密着型薬局、1人薬剤師、ドラッグストアー、その他

一言で薬剤師と言っても、どこで新人教育を受けたか、あと性格によっても相性があります。
相性が良い場所だと、何枚処方箋が来ても波に乗っている感じで疲労を感じません。
しかし、相性が悪い場所だと、本当に疲労困憊で疲れ果ててしまい、人によっては体調を崩すこともあります。

基本的スペックは必要ですが、それぞれ求められる能力が多少異なります。
そのため、どうしても相性が出てきます。

おっとりな性格の人や1人1人と丁寧に話をする人は、スピードと正確性を求められる場所はストレスに感じるでしょう。
また、スピード重視に慣れている人にとって、1人薬剤師など広い知識と膨大な業務をこなす場所は慣れるのに時間がかかると予想されます。

また、薬剤師になる人は、基本的に真面目で、できて当たり前だよね。
という感覚でいる方が多い印象です。
人には長所もあれば、短所もあります。
人よりうまくできない業務やストレスに感じることもあります。
自分が他の人より劣っている、同僚に迷惑をかけている、と自分を責めるのではなく、他の人に助力を求めることも大切です。
真面目で正義感が強い分、自分が疲弊してしまいます。

自分の特徴を把握しておくことが大切です。
簡単にいうと、
・何をやっている時が疲れないのか、周りの人から褒められるのか
・逆に、何をやっている時が疲れやすいのか、気が滅入るのか
書き出してみましょう。
自分の相性が見えてきて転職で選ぶ際の参考になります。

まずは、自分のことを知ることが大事です。
分からない!と言う方は周りの人に聞いてみると良いです。
自分で思っている自分自身と、客観的に他の第三者から見られている自分の印象は異なる点も多いです。
あの人は自分のことを分かっていない!と受け取るのではなく、
こんな感じにも自分は見られているんだな♪と新たな一面に気づけた!
と受け取ることも大事です。

薬剤師の転職先のジャンルは、ほぼ決まっている?!

薬剤師の世界は転職が多いです。
場所にもよりますが、人の出入りが多い印象です。
大学ではだいたい男女比が半々でしたが、世の中にいる先輩薬剤師は女性が多いからでしょうか。
結婚、産休、育休、出張先についていく、実家に戻る、など女性ならではのタイミングで職を変える方が多いです。
そのため、働き方も、その時のタイミングで変えることが多いです。
正社員、派遣社員、時短、契約社員、パート、アルバイト、など契約が異なります。

①調剤薬局、ドラッグストアー

:給料高めで、残業あり(土日どっちか出勤)、募集多い

調剤薬局やドラッグストアーの中から転職先を選ぶときは、必ずその会社で働いている人に実際の現状を聞きましょう。
実際、店舗によって働く環境は変わりますが、本部や人事と現場で働いている方々との相性などを確認すると良いです。
入社後に本部や人事との相性が最悪で、退職するなどもあります。

調剤薬局とドラッグストアーは、給料が高めですが、長時間労働になりやすいです。土日祝日開いている店舗がほとんどなので、土日出勤が求められます。24時間対応のピッチの対応あるなしも確認したいですね。

また雇用形態が多種多様なので、働き方をしっかり考える必要があります。
(正社員、派遣社員、時短、契約社員、パート、アルバイトなど)
転職するときに、案件は圧倒的に多いです。自分の条件にあった案件から選ぶことができるはずです。

個人経営店舗、大型店舗、商店街などの地域密着店舗、在宅専門店舗、ドラッグストアー併設店舗、商業施設店舗、1人薬剤師店舗、24時間オープン店舗など働く環境と責任の幅が全然違うのでしっかり調べて確認をとりましょう!

まさか?!で失敗しないための確認ポイント!
・給料、交通費、住宅補助の有り無し
・有給(土日休み、祝日、年何日休みか、夏季・冬季休み、年末年始の休み)
・福利厚生、育休や産休の確認は必須!
・働いている人の人柄、本部・人事の人柄と対応
・店舗の移動やヘルプの回数
・残業
・休みの取りやすさ、何カ月前にシフト提出するのか
・棚卸の対応
・24時間対応のピッチの対応有り無し など

②企業

:給料低め、時間通り退社OK、募集人数少なめ、有給とれる、福利厚生手厚い

企業の場合は、定時勤務の会社員と同じ働き方です。(薬剤師も会社員ですが(笑))
働き口は、製薬会社や医療系の会社、卸などが多いです(中には、銀行や証券会社などまったく薬剤師免許が関係ない業界に努める強者もいます)

企業の場合、MRIの営業、DIで薬事情報、薬事の法律関係、新薬開発、提出用の資料作成、電話対応など多岐に及びます。卸の麻薬管理などのレアな職場もあります。
特徴は、一般的に調剤薬局よりは給料が低めですが、福利厚生が手厚く、定時勤務です。(もちろん、仕事があるときの残業はあると思いますが)

調剤業務など現場に抵抗がある方や、研究に進んだ方、薬剤師免許に頓着しない方、定時勤務・定時退社したい方、土日祝日休みが欲しい方、が選びやすいのではないでしょうか。

転職する際は、転職サイトに登録後、案件が多くないので紹介された中から受けてみるという印象です。
企業の場合、薬剤師免許が不要な職場も多いので転職はハードルが高めな印象です。企業ならではの知識も一から覚えないといけないので、慣れるのに時間がかかるかもしれません。
一個人の体感ですが、薬剤師は専門性がある分、閉鎖的な環境で育っているため、一般的な業務が抜け落ちている感じがします。
ギャップを体感することが多いと思います。

③病院

:給料低め、募集人数少なめ、勉強する

病院の場合は、入った病院次第です。夜勤や救急搬送があるところもあれば、定時で上がれるところもあるようです。
大きな病院もあれば、クリニックなどもあります。

基本的に、病院に行く方は、勉強好き、特殊な技術を学びたい、など目的があって行く印象です。給料が少し低くても、長時間労働、過酷な勤務でも、勤務し続ける感じがします。何かきっかけがない限り辞めない印象があります。

病院の業務の相性は、学生の時の実務実習の体験しだいのような気がします。私は、あまり良い記憶がなかったので病院勤務は選択肢の中になかったです。友人によっては、とても面白かった、楽しかった、もっと知識にふれたいと思ったなど、良い体験した方は病院志望していました。

④派遣社員

:時給や休みを自分で選べる、働く場所を選べる

派遣社員は、派遣会社に登録して案件を自分で選びます。
登録する際に、働く時間帯や時給、週何日働くかなど条件を登録することで、その条件にあった案件の中から選ぶことができます。
数カ月更新になるため、来月どうなるかの保証はありません。
逆に言えば、働く場所を自分で選べるため、北海道、沖縄、九州など地方をまわることもできます。
中には、短期間で稼いで、数週間~数カ月海外を周遊するという強者もいます。働き方が自由です。

派遣社員の働き方のメリットは、
・自分の時間を優先したい(残業するかは自分次第です)
・いろんな調剤薬局を体験したい(いろいろまわるので相性が良い働き口に出会える可能性がある)
・時給を上げたい、残業したくない
・面倒な人間関係に巻き込まれたくない(数カ月で移動するため)
・まとまった休みが欲しい、希望日に休みが欲しい
・いろんな土地に行きたい(観光がてら地方を周れます)
・副業可能

派遣会社の働き方のデメリットは、
・来月どうなるか保証がない(実際、コロナ時期に派遣切りにあいました)
・産休・育休の条件が厳しい(出産を考えている方は正社員がおススメです)
・福利厚生が薄い(正社員のように守ってはくれません)
・退職金はありません(多分)
・1か月まるまる働かなかったら退職扱いです(派遣会社の規定によって異なるかも)

⑤公務員になる

:定時帰宅、安定、休みがとりやすい
公務員になることもできますが、年齢制限で試験があるため、選択肢に考えている方は早めに対策が必要です。
公務員のメリットは安定、休みがとりやすい、定時出社定時帰宅ができることでしょうか。勤務する場所によるとは思いますが。

⑥+αで副業する

私自身は、派遣で働きつつ、ライターや講師などを掛け持ちしています。

会社員で薬局長をやっていた時期もありますが、薬局長は法律で副業が禁止されています。会社員の場合、会社の規定に従う必要があるため、働き方は会社の方針に従う必要があります。

派遣をしながら、いろんな地域の薬局をまわりながら、いろんな薬剤師とも会ってきましたが、働き方が多種多様で驚きました。

薬剤師しながら、
・ライター、アフィリエイターをする
・役者(役者がメインで、隙間時間に薬剤師)
・週3薬剤師、他の日は海外の人に日本語教えている、趣味の時間をもつ
・定期的に海外に行く
・ビジネスを立ち上げる
・不動産をまわす
・語学留学行くため会社辞めます
・SNSや動画制作
・出版:薬事の本をだす

一昔前は、薬剤師一択で、
すごい人は自分で薬局を立ち上げる!という印象でしたが、
今は薬剤師をしながら自分らしさを他の分野で表現しても良い時代なのかもしれません。働き方は自由自在です。
今の時代に生まれて良かった。

副業で仕事の幅を広げるメリット

一個人の感想ですが、
薬剤師業務一択より、他の分野でも仕事を広げる方がメリットが大きいです。
・メンタルが安定します(一つの仕事に依存しないからだと思います)
・収入が増える
・友人、人脈が増える
・インプットが増えるので、知識量が増える
・出来ることが増え、日々成長していることが自分でも分かるので毎日が楽しい
・時間管理ができるようになる(時間は有限なのでどのように時間を使うのか管理できるようになる)
・知識欲が満たされる(医療以外のことを知ることが新鮮で面白い)
・コミュニケーション能力が上がる(他の分野の人たちとコミュニケーションとることで医療系の当たり前が当たり前じゃないことに気づく)
・世の中について興味を持つ
・世の中のことを知ることで医療の大切さを改めて気づく(薬剤師業務の質が上がる)
・まわりまわって、薬剤師の能力が上がり、重宝される

人によって、感じる価値はそれぞれ違うと思いますが、
選択肢を広げることはメリットしかないように感じます。

人によっては、大変そう、ずっと働くの?、遊べないの?
など否定的な意見もありますが、
24時間と決まった時間を何に割り当てるのかは、本人が何に価値を置いているかによって変わります。
私にとって仕事も、趣味の一環のようなものなので、苦ではありません。
夢中で研究に没頭しているかのような感じがして楽しいです。
ごはんも美味しくもりもり食べる様になり、睡眠もぐっすり眠れ、土日祝日も朝は定時に起き、健康的な生活が送れるようになりました。
自分を律することを体得し、良いこと尽くしです!

逆に、時間を持て余していると、
頭はネガティブなことばかり考えてしまい、不安におそわれそっちの方が疲れ果ててしまいます。

最後に

時代とともに、働き方に幅が出てきました。
薬剤師に限りませんが、自分がどういう生き方をしたい!
からの逆算で、働き方を選ぶ時代になったと思います。

もっと知識を学びたいから、専門の病院に就職する。
小さい子供がいるから、今は、薬局で時短勤務を選択して、育児と両立したい。
ゆくゆくは、場所を選ばずに働きたいから、派遣で働く時間を決めて、残りの時間はライターなど自力をつける時間に充てたい。

など、人それぞれどう生きていきたいのか、時間を何に割り当てるのか異なります。
今ある選択肢の中から選ぶのではなく、人生をどう作っていきたいのか?
だから、今はこの働きかたをするのがベストだな!と選択できると生きやすいのではないでしょうか。

私自身は、場所を選ばずに仕事をする環境を整えたいので、
今は派遣をしながら、自分の時間を確保し、自力をつけている段階です。
毎日が楽しいですし、新しい発見があるので、面白いです。
もっと知識が欲しいと思うようになりましたし、もっと体験したいとポジティブになりました。
言ったことはやる!で、
PC持って世界を周りながら、仕事もして、ワーケーションが出来るくらいになりたいですね!
あ!、なります!(笑)


※ここまでの話は、一個人の見解です。すべての人が当てはまるわけではありません!
一言で薬剤師と言っても、病院、調剤薬局、ドラッグストアー、企業など働き方が変われば条件が変わります。
参考になる方がいればと思い、私の体験をシェアしました。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?