普通の女子大生が、夢を見つけて叶えるまでの話。
突然ですが、取材などで聞かれる質問BEST3。
「なんで管理栄養士になったんですか?」
「今のお仕事を志したきっかけはなんですか?」
「どうやって出版につながったんですか?」
独立を目指す方や学生さんなどからのDMも多く
いつも同じお話をしていることに気がついたので、
自分の中での整理も兼ね、ここで一度まとめておくことにしました。
化学が好きだから管理栄養士の道へ進んだ。
一つ目の質問への回答です。
毎回答えるたびに
「えっ、小さい頃から料理が好きだったとかではなく?」
と驚かれます。
元々料理が好きだったかどうかは、今となって振り返ってみれば、
わかったさんのレシピをノートに書き写したり、子ども料理教室へ行ったり、雑誌の料理ページをファイリングしたりしてたなぁ・・・っていうくらいです。
(結構好きだったみたい)
そもそも管理栄養士の勉強をしていく上で基本になるのは調理技術よりも生化学だったりします。
カリキュラムも調理実習より実験のほうが何倍も多かった・・・。
私はいわゆる理系女子で、
中でも化学が好きで(正確に言うと化学が好きな先輩のことが好きだったから化学が好きになった)、
それを活かすなら「薬剤師」か「管理栄養士」を母親に勧められ
薬よりも食べもののほうが身近で面白そうという理由で管理栄養士を選びました。
「毎日当たり前に食べているものが体の中で分解されていって化学反応を起こして体にも心にも影響を及ぼすっておもしろくない?」
が管理栄養士を選んだ動機です。
ちなみに今は化学のことはほとんど覚えていません。
夢は突然現れる
大学3年の秋、そろそろ就活というタイミングで私は悩んでいました。
栄養学の勉強に興味があっただけで、管理栄養士になったら具体的に何がしたいかまでは考えていなかったから。
ぼんやり思うのは、「食べ物のちからでみんながずっと元気でいられたらいいのに」ということ。
多くの人が、病気になってから(もしくはなる直前で)ようやく食事指導をうけたり、食事制限をしたり。
自由に食べてきたせいで、自由が奪われていってしまう。
「おいしいものをずっとおいしく食べ続けられたらみんなHAPPYなのに」と。
そんなとき、料理家SHIORIさんの「作ってあげたい彼ごはん」に出会いました。
(文字通り当時の彼氏にごはんを作ってあげようと思って見ていた)
かわいい食器たちに彩りよい盛り付け。本の質感やデザインも好みでした。
「かわいい」「おいしそう」「作ってみたい」
いずれ日本の食卓の未来を担うことになるであろう若い女の子たち(もちろん男性も同様に担って欲しいが)に圧倒的に支持されている料理本に初めて出会いました。
自分がいま勉強している「健康」「栄養」をここにつないでいきたい。
こうして大学3年生の秋の夜に渋谷の本屋さんで突然、夢ができました。
「料理本を出したい」
これが2つ目の質問への回答です。
夢を叶える道筋を描く
管理栄養士になれば、「健康的な食事の提案」ができるようになるはず。
フードコーディネーターになれば、「美味しそうな見せ方や盛り付け、レシピの作り方」を身に着けることができるはず。
大学4年の後期。
本来なら国家試験に向けて勉強に集中すべき半年間を、
フードコーディネーターとのダブルスクールに充てました。
(ついでにダンスサークルでダンスもしていました)
国家試験の勉強とフードコーディネーターの学校の課題に追われる日々。
更に私は「このままでは栄養学と見せ方は身に付くが調理技術が身につかない」と考え、
「料理本を出す」と決めてすぐにホテル出身のシェフがいるカフェで厨房のアルバイトを始めていました。
どうやってこなしていたのか今となっては不明ですが、
無事2つの学校を卒業し、国家試験にも合格。
卒業後は厨房の仕事とフードコーディネーターの先生方のアシスタントをやりながら、料理本を出すにはどうすれば良いかを考える日々。
出版までの道筋と目標の細分化、そのためにやることリストを手帳に書きとめていました。
当時は料理ブログ全盛期。
ただブログにレシピを載せるだけではすでに活躍中のカリスマ主婦たちに埋もれてしまう。
それでもきっと、20代前半の管理栄養士である私だからこそ作れる本があるはず。
ブログに毎日レシピを投稿しながら、
右も左もわからないまま営業もしました。
実績をちょっとずつ積み上げ、企画書を持って憧れの編集者さんに直談判。
簡単に書いていますが、人生で一番、勇気を使ったと思います。
私が書いた企画は通りませんでしたが、
このことをきっかけに別企画をご提案いただき、
ブログで撮りためたレシピをまとめて(&新規レシピも撮影して)著者としての出版が決まりました。
大学卒業からちょうど2年後、2012年の春のことでした。
今でもご依頼メールを見返すとドキドキします。
そこから気づけば、これまでに20冊以上のレシピ本を出版させていただきました。
これが、3つ目の質問への回答です。
できることをひたすらやる
ブログを書き始めてから1年ほど経った頃、どこから見つけていただいたのか、
フリーペーパー「R25」の連載のお仕事が飛び込んできました。
「なぜ私に?」とその時は思いましたが、
これは当時の私だからこそ声がかかった案件で、今の私にはきっとこないでしょう。
若すぎる。甘い。と思われるかもしれない、
運が良かっただけ。と思われるかもしれないけど、
あの頃がなかったら、今の私もいません。
何もないのに、就職もせず「料理本を出す!」とひた走っていた私を止めることもバカにすることもなく、支えてくれ時には背中を押してくれる、人にも恵まれていました。
ひたすらブログにレシピを書き続ける。
「私の」レシピを必要としてくれそうなところへ営業をする。
実績になりそうなことをとにかくやる。
会いたい人には自分から会いに行く。
信念を持って、同じことを言い続けて、できることをひたすらやった。
「できること」っていうのは能力的に可能という意味ではなく、
思いつく限りの行動をするという意味です。
これが私の夢の叶え方でした。
あの頃の自分に励まされながら、これからのことを考えていきます。
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