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Positive discipline 2 アドラー心理学に基づく子どもとの関わり方

前回の記事に引き続きPositive discipline のお話ですが、今回は「自己肯定感」「存在価値」に繋がるお話です。

子どもの褒め方

これは、Positive discipline 以外の教育論でも同じようなことがよく言われています。

結果でなく、過程・その子がそこにたどり着くまでの行動を褒めましょう。

100点だったの! すごいね。
かけっこクラスで一番だったの!? 流石だね~運動神経良いんだね!
○○中学校に合格するなんて優秀なんだね。
絵が入賞したの? 流石、○○! アートの才能あるね。

言い換え
テストに向けて毎日家でも勉強してたもんね。授業しっかり聞いてたんだね。
普段から運動頑張ってるもんね。運動好きだもんね。
目標に向かってコツコツ取り組んでたもんね。
何の絵にするか一生懸命考えてたよね。色も工夫してたよね。

などなど、私もあまり言い換えは上手ではありませんが、成果にたどり着く過程を褒めてあげることが大切です。なぜなら、成果を褒めると

「成果を出さないと自分に価値はない」

という自分の価値を他人軸でしか測れなくなってしまうからです。

ここからは、私の持論です。
もし、その過程を見ていなかったとしたら、勝手に想像して褒めたところで説得力もなく、相手を疑心暗鬼にさせるだけだと思います。そのような場合「どんな風に頑張ったの?」「運動好きなの?」「なんでその学校に行きたいと思ったの? 」「なんでこの絵を描こうと思ったの?」など質問し、その過程やその子の好きな事・関心事に興味を示すのも良いのではないかなと思います。その会話の中で、その子の良いところや頑張り、褒めどころが引き出されてくるのではないでしょうか。自分に興味をもってくれるだけでも、子どもだろうと大人だろうと嬉しいのではないかなと思います。

また、SNSなどでこの話を見ると、「成果を褒めてはいけない!」と言い切っているものが多いと思います。SNSの場合、分かりやすくキャッチーであることも必要だと思うので、言い切ろうとすることは分かるのですが、「絶対に成果を褒めてはいけない」というのは極端だと私は個人的に思います。

先日、友人の子が体操の大会でハワイ州2位になりました👏
その子は「2位」ということが嬉しいし自慢です。みんなが「すごいね~」と褒めたたえると、少し恥ずかしそうに、でも誇らしげに喜んでしました。
誰でも成果が出たら、その成果を認めてほしいですよね。「2位」というところにも価値を置いてほしいと思います。「2位」を無視され過程だけ褒められても私だったら少し悲しいかもしれません。2位だったの!って自慢したい!

だから個人的には「成果を褒めていい」と思っています。
問題は、成果しか褒めないこと。その子の日々の様子、取り組み、努力にも目を向けてあげ、そこにも価値を置いてあげることが大事です。その上での「成果を褒める」であれば問題ないと思っています。
また、褒める以外にも「今日は一緒に○○行けて楽しかった」「今日も一緒に楽しく過ごせて幸せだった」など、その子がいるだけで価値があることを日頃から伝えられるともっと良いですね。

日本語で褒めるって何だか気恥ずかしいし、嘘くさく聞こえやすいし、難しいなと私は思ったりします。つい「すごいね」「えらいね」で何でも逃げてしまう・・この気恥ずかしさを振り切って家族・友人・周りの人みんなをもっともっと全力で褒められるようになりたいな~、愛してるよ~と伝えようと意識して頑張っているところです。

Family meeting

定期的に家族会議を持ちましょう。

学校の場合、Circle timeという活動が提案されています。子どもたちが円になって座り、クラスの問題について話し合ったり、誰かの相談にのったり、という時間を設けることです。いきなりこのCircle timeを始めても茶化す子がいたり、正直に話せない子もいるので、まずは深刻な問題というよりもクラスの信頼関係を築くゲームであったり、小さな問題の話し合いであったりから始めます。
ぬいぐるみや柔らかいボールなどを1つ用意します。それを持っている子に発言権があり、他の子は話を遮ってはいけません。順番に発言権を回すこともあれば、挙手制で回すこともあるでしょう。
自分と反対意見が出たとしても絶対に否定してはいけません。
「○○さん、考えを教えてくれてありがとう」
「○○さん、そのアイディアは自分になかったよ。ありがとう」
など、どんな発言に対しても、まずは発言した子に感謝を伝えてから自分の意見を伝えます。名前を呼んであげるのも大切です。

このCircle timeを家庭でも行うことがPositive discipline では推奨されています。
冷蔵庫にホワイトボードを貼って、各々が話し合いたい議題を書き込んでおくなどし、週に1回一緒にテーブルを囲んでみてはいかがでしょうか。

夏休みの予定、お父さんの靴下放置問題、朝のバタバタ問題など家族全員で話し合い、解決策を一緒に考え実行する。

子どもは次のようなことを学んでいきます。
・自分が家族にとって価値がある存在であること(大事な決定の場に必要とされている、発言権がある)
・家族の一員として貢献する役割があること(自分に貢献する力がある )
・自分の考え、想いが尊重される(べき)こと
・他の家族の考え、想いも尊重される(べき)ということ

子どもは、自分が価値ある存在であること、信頼されていることを自然と学び、自己肯定感を高めていきます。
ここで再度注意点ですが、どんな意見が出ても誰もそれを否定しないということ前提です。家族会議をしても毎回家族から自分の発言を否定されていたら、逆効果ですね。
たとえば、非現実的なこと、実現するには難しすぎる極端な意見・アイディアが出た場合は、
・どうしたら実現できるだろうか。
・それは本当にみんなで続けられるだろうか。
など議論することができます。否定するのではなく、「面白いアイディアだけど、今は難しそうだね」とその子も含めた家族で結論づけるようにします。

これ、ついつい子どものために我慢しがちなお父さんお母さんにとっても自分の気持ちを子どもに共有する良い機会かなと私は捉えています。
親にも気持ちがあるんだよ、と子どもに伝えることも大事かなと。
また、お片付けやお風呂掃除など家事を「お手伝い」ではなく「家族の一員としての役割」と捉えてくれるようになれば親にとっても嬉しいはず👏

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