あと2日
『かなえさんは、いつからこの会社辞める、って決めて動いてたんですか?』
そんなことを、入社1年目の可愛い後輩ちゃんたちに聞かれた
*
思い返してみると、『この会社、もう嫌だ!!!!』と思って辞めたことは人生で1度もない
人生の中で、会社とかバイト先とか、そういう仕事を共にする人たちが集まった組織を辞めた経験は2回あるけれども、いずれも「新しくチャレンジしてみたいことができた」から辞めてきた
新卒で入った会社は、その会社の中で英語を勉強していくうちに「もっと英語を学びたい!海外に行ってみたい!」と思って、語学留学のために辞めたし
この後、カメラのことを学んでみたくて入ったバイト先は、そこに所属している間に撮影を依頼してくれる人が増えてきて、「フリーランスで活動してみたい」と思ったから辞めた
人間関係が合わなかったとか
お給料・労働条件に不服があったとか
仕事内容がキツく感じられてきたとか
そういうネガティブな理由で組織を辞めたことは1度もなくて
なんなら、今でも前の会社の人とやりとりすることもあるし、「この先、機会があるならばもう1度そこで働きたいなぁ…」と思えるぐらい
前の職場で関わった人たちも
前の職場でやっていたことも
全てが好きだった
それは
とてもしあわせなことなのだろうな、と思う
*
年内いっぱいで、今所属している会社を辞める
退職に向けて、今は有給を消化しながら、たまの出勤日はできる仕事をし、残った仕事を片付け、引き継ぎの準備を着々と進めている
いつ今の職場を辞めようと決めたのか、は正直自分でもよく分かっていない
夏が終わる頃に「やっぱりコレに挑戦したい!」と思うことが見つかって、それができる会社はどこだろうと動いているうちに、次の職場が決まり
次が決まったから
今の職場を辞めることにした
辞めようと思って次を探したわけではなく、次に進む道ができたから辞める決意をしたわけで、だから『いつからこの会社を辞めるって決めてたんですか?』という問いには答えることができなかった
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職場の自分のデスクで、
引き継ぎの準備や片付けを進めていると、妙に心がスカスカして悲しくさみしい気持ちになる
私は、今の職場が好きだ
お給料のことだとか、いろんな体制面での問題点とか、体力的な負担のことを挙げれば、正直「いい」とは言えない職場だけれど
でも、大好きな写真を撮って、同僚とカメラや写真について語りあって、たくさんのカップルさんのしあわせをお裾分けしてもらって、笑顔に溢れた毎日で
なによりもそこにいるメンバーが大好きで
だから、そこを去るということがとてもさみしい
次に進むと決めたのは自分だけれど、それでも、自分にとって居心地の良い場所と好きな人たちのもとを離れることは、気持ちの面で簡単なことではない
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今の職場に出勤するのはあと2日
その残りの2日をこんなに惜しむことができる私は、しあわせなのだろう
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