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【人事屋のつぶやきエッセイ】与える人と奪う人について

最近YouTubeをみていたら「50代以降は智慧が溜まっているんだから出しなさい。どこかの誰か若者が必要としている智慧かもしれんから」というような台詞があって、「なるほど。老いぼれ街道に入っちゃったよ!人生の午後だよ!」と嘆き節だっけど、気を取り直して書いてみよう(笑)。

ちょっとした職場での智慧です。あるある対策。

アメリカの有名な心理学者(組織心理学)のアダム・グラントが2013年に出版した『GIVE&TAKE』やTEDで話したGiver とTakerの話。年末に改めてみてみた。"I want to live in a world where givers succeed"(与える人が成功する世の中を行きたい。そういう世界を創りたい

アダムさん、10年経ったよ。世の中変わったかなぁ・・・。

私はキャリアのある時点から企業で人事屋業をしておりまして、最近、「人事って何屋さん?私はいったい何をしてきたんだ?」と思って、若干、悩んでいたんだけれど、このTEDを改めて観た時に、腑に落ちた。人事屋業もいろんな領域があって、私は、いわゆる、ジェネラリスト(=広く全体を管理する役目)なのだけれど、私が大事にしてきたこと、すなわち、私のエネルギーの源の怒りパワー!が再確認できた。「あぁ、私、ずるっこい人が嫌いなんだ。意味もなく、威張る人が嫌いなんだ。人のことを利用したり搾取するような人が嫌いなんだ。」そんなのあたり前じゃん!と思う人もいると思うけど、結構、ゴロゴロいるよね職場に・・・。どこにでも・・・。そして知らないうちに「吸い取られている」事件・・・結構ないですか?

まだまだいるんですTaker (奪う人)。うようよ。

昔いた会社で「◯◯さん(私のこと)、一生懸命やる気持ちはあります、気が付くこともたくさんあります、でも、、、拾い損なんです。それが嫌なんです」と素直に言ってくれた社員がいた。

「そうだよね。そりゃそうだ。」一歩前に出て、落ちてたゴミを拾っても、誰に褒められるわけでもなく、そのうち”よく気が付く、ごみを拾ってくれる人”みたいにされる虚しさ。あってはいけないと思うし、自分の居場所が綺麗になるからいいじゃんって、何とか自分の中に収めても、ゴミ落とす奴はいっこうに気づかず捨て続ける・・・みたいな。

TEDの動画の中では、そんな対策として①Protect Givers from burnout(与える人を燃え尽きから守る) ②Encourage help-seeking(サポートを求めて良い環境を創る)、③Get the right people on the bus=Keep the wrong people off the bus (正しいメンバーを組織に入れる、正しくないメンバーは組織に入れない)という、シンプルな3つを紹介している。

正しい!が、、、しかし、、、①、②はできると思うけど、③って社員の人からしてみたら、「そんなの知らないよ!僕・私が雇ったんじゃないもん!」と思うだろうし、正直、③を面接で100%アセスメントするのはほぼ不可能。

なので、職場での必殺技があるとしたら、これかと。

①Takerか?!と怪しい思ったら「お願いごと」を何回か実際にしてみる。
それほど難しい事でなければ、Giverの人は「手伝おうか?」「何かできることある?」となる。が、Takerの人は物理的にも心理的にも後ずさりする。知らないうちにいなくなる人もいる。あれ、さっきまでいたのに、、、みたいな。嗅覚がすごいので面倒事を察知するといなくなる。しかも素早い!

②本人に言う。できないよ!という人もいるかもだけど、これが大事。勇気がいるけど、諦めない。影で「あいつTakerだよね」と思ってコソコソ噂したりレッテル貼りをする位なら、1-2回正直に言ってみる。
例えば・・・
「あのさ、ちょっと、話たいことがあるんだ。◯◯のプロジェクトで、こういうことに取り組んでいるんだけど、チームの中で最近不平等が起きている様に見受けられるんだ。▲▲さんが■■をあまり積極的にしないという声もあがっているんだけど、▲▲さんはどう思う?正直、こちらも言いづらいんだけど、誤解したままもお互いよくないと思うから、何か積極的になれない理由があったら聞かせてくれないかなぁ」などなど。

「お前はTakerだ!」と言って聞く人はいないと思うので(苦笑)、図らずも一時的にTakerになっている(ダースベーダ―みたいに、ダークサイド落ちそうな人)は救えると思う。Takerの人はちょっとプライドが高めなので、実はフィードバックに弱い人も多いと思う。だからこそ直接言うのが効く時がある。

ただ、、、本当の本当に困ったら「あなたのせいで困っています。周囲のことも考えてください。みんなの時間や労力を奪う人になってますよ。」とはっきりシンプルに言っちゃった方が良い。Takerの人は、自分に都合の良いように解釈しちゃう人もいるので、「いえいえ、あなたの勘違いです。(他の誰でもなく)今は、この案件に関しては、あなたが困ったちゃんです」を伝える。結構、今迄、指摘されたことない人も多くいるように思う。要するに「ちょっと面倒くさい人」なので、みんなに軽く無視されて今日まで来た人なのかと。

「それが言えたら苦労しませんよ~」と職場でよく言われるけど、私は言えちゃうのよね。職業柄もあると思うけど、「あなたは社会人としてカッコ悪いことになちゃってますよ~」って、値札がついたままスーツ着ている人に値札ついてますよって言わない?頭にカーラー巻きながらバス乗っている人いたら、あのぉ、カーラーついてますよって言わない?同じじゃないけど、同じこと。

③そして、、、どうしても、どうしても、困ったちゃんな人は、、、できるだけ距離を取る(本当にドライに&ビジネスライクに接する)。直接、被害めいたことに合ったったなら相談する→逃げる。逃げていいんですよ~。その人のお父さん・お母さんがしなければならなかった「教育」をあなたがしてあげる必要は全くないんです。私も何度も「そういうことは、今迄、ご両親や学校の先生に教わってこなかったなんですか?」と言いたい位怒り心頭したこともあります!!

実際の現場経験で、「仕事で結果さえ出せば、相手を蹴落としてもいい、きついこと言っても許される、俺様の言う事を聞け」と思っていた節がある方がいたので、「ん?言いたいことはわかったし、いろんな価値観があるとは思うけど、でも、仕事ができるより前に、人として善であることを考えて、行動してください。周囲が迷惑しています。それが嫌なら、”仕事の為なら他人を蹴落としてもいい会社”に行ってください。」と言ったこともあります。

学者の言う事だからと流さずに、自分の中で十分に租借して、日常に使えるツールにすると、ちょっとだけ楽になるかもよ。

じゃ!グッド・ラック、働く人々よ!

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