見出し画像

「寒露」と「甘露」

季節がすすみ、二十四節気では昨日から「寒露」という季節に入りました。
空気の冷たさの中に、からっとした晴れ晴れしさも感じる秋らしい季節です。



「かんろ」という音の響きで連想されるのは、こちらの「甘露」の方が馴染み深いかもしれません。

私は甘党で甘露煮が大好きなので、この時期は特によく作ります。
サツマイモの甘露煮は料理を始めて一番最初に覚えたレシピ。
砂糖、醤油、みりんで煮るだけのシンプルな料理で、好みで味も調整しやすく、料理初心者でも簡単に習得することができました。
おやつ感覚でも、おかずでも楽しめ、我が家の作り置きの定番です。


他にもデザート感覚で楽しめる栗や柚子、おかずとしてはサンマ、イワシなどがよく知られているでしょうか。
「寒露」と「甘露」、恐らく関係ない言葉なのですが、語感からつい結び付けてしまうので、自分なりに秋の行事として一緒に楽しんでいます。



「甘露煮」という言葉で、私はもう一つ忘れられない料理がありまして、
みなさん「鰊蕎麦(にしんそば)」をご存じでしょうか?

私は北海道にいる時にはじめて出会ったのですが、調べてみると京都と北海道で食されている料理のようです。

こんな感じでお蕎麦の中にどーんと鰊の甘露煮が入ったものなのですが、これが本当に美味しくて、
鰊と甘露のほのかな甘みが出汁と絶妙に絡んでおり、見た目のインパクトと味の繊細なバランスがとても印象的です。


北海道では江差町という町が昔、鰊漁で栄えた歴史があり、その時に漁で財を成した豪商の家伝のレシピとして鰊蕎麦が誕生したようです。


京都ではその北海道の鰊を輸送されていた歴史があり、名物蕎麦として知られるようになったようで、現在でも多くのお蕎麦屋さんで提供されているとのこと。
年越し蕎麦で鰊蕎麦を食べることも多い、とWikipediaにありましたが、私は知らなかったので京都の方には馴染み深い料理なのかな?と驚きました。


私も時々、鰊の甘露煮が売っているのを見かけると、お蕎麦に入れて簡易的な鰊蕎麦を家でも作っていましたが、いつか自分で煮るところから挑戦してみたいです。





もともと「甘露」は、中国古来の伝説で「天から降る甘い不老不死の霊薬」、またインドでは「飢えを満たし、渇きを癒し、長寿をもたらし、死者をも蘇らせる甘い蜜のような霊薬」という伝説が元になっているそうです。

佃煮もそうですが、保存食としても有能なので、
このような伝説が残るくらい、昔の人にとって健康や食の彩りを支える存在だったのかなと想像できます。



「寒露」と「甘露」。ダジャレのような記事になってしまいましたが、
みなさんもこの時期に一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?


では、今日はこの辺で。
お読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?