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言葉にせずとも、伝わるもの。

本日8月15日は終戦の日。

時代背景やさまざまな国の事情が複雑に絡み合って戦争というものは起こるのだと思いますが、
どんな理由があれど、理不尽に人々の命が奪われる環境があっていいはずはないと、平和を願わずにはいられない、
そんな気持ちを改めて意識した一日でした。




戦争について思考を向けると、
いつも思い出されるのは亡くなった祖父との会話。


「分からないこと、疑問に思ったことは何でも、教えられるのを待っているのではなく、自分の手を使って調べて学びなさい。」

祖父の若い頃は、『学ぶ』ことより『働く』ことを優先しなければならなかった時代。
学業に苦労した経験から、孫の私にはよく「子どもだからって甘えてはいけない。能動的に学びなさい。」と言い聞かせていたのを覚えています。


7歳頃の私に容赦なく分厚い辞書や百科事典を手渡す、今思うとちょっと厳しい祖父でしたが、
『学ぶ喜び』を一番最初に教えてくれたのは紛れもなく祖父で、それは今の私の学びの原点となっています。



「分からないことは何でも聞きなさい。」
よくそう言っていた祖父でしたが、私にひとつだけ、聞いても頑なに教えてくれなかったことがありました。

それが、祖父自身が経験した戦争の体験です。

祖父は若い頃に戦争へ行った経験がある人でした。
結局私はその話を聞くことが叶わなかったのですが、何でも教えてくれた祖父が唯一、「知らなくていい」と、話そうとしなかった思い出が、逆に戦争というものの悲惨さを強く印象付けたように思います。


暑い夏、8月15日。
戦時中に亡くなった祖父の兄弟や家族のために、仏壇にお経を上げるその姿、香る線香と、遠くで小さく鳴る風鈴の、
何とも言えない静かな光景が心に鮮明に焼き付き、私と戦争というものを微かに結んでいるように感じられます。



大人になる間に知識として歴史や文化を学んできましたが、
何事も直接経験した方から得る学びは、たとえ全てを言葉にせずとも大変貴重で大切な経験なのだと、祖父との思い出から改めて感じた一日でした。


では、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。


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