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季節と暮らし。

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季節や時間の移ろいを大切にしていきたい。そんな想いでいつもより少し丁寧に『時』を感じてみた生活の記録。
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#季節の変わり目

風薫る、初夏の足音。

本日、5月5日は、奈良時代に中国から伝わった五節句の一つである「端午の節句」です。 日本では「こどもの日」としても親しまれ、子どもたちの(特に男の子の)健やかな成長を祈願する日とされています。 もともと「端午」は月の最初の午(うま)の日を指していたそうですが、「午」と「五」の音が同じ発音であったことから、数字の「五」と意味が混同されるようになり、5月5日が祝いの日となっていったそうです。 五月人形や鯉のぼり、健康を保ち邪気を払うとされている菖蒲湯など、この日にまつわる行事

前に進むために、"諦める”。

春も深まる今日この頃。 本日より二十四節気では「清明」という季節に入りました。 「清浄明潔」という言葉が由来の季語で、草木や虫、全ての命が生き生きと煌めきを見せる季節。日本語ですと「生命」と同じ音を使うので、命の躍動をより想像させられますね。 中国では、ご先祖様にご加護と平安を祈る『清明節』でもあり、日本のお盆のような季節でもあるそうです。 清らかに、明るく、生き生きと。 自然だけでなく我々人間にも、同じように命が輝く光が降り注いでいることでしょう。 さて、近頃の私は

「別れ」は、大げさなくらいが丁度いい。

本日は春分。昼と夜がちょうど同じ長さになる、季節の節目の日。 だんだんと気温も暖かくなり、桜が満開へと近づくのを日に日に感じるこの頃です。 皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか? 私はせっかくなので、春の和菓子をいただこうかなと、散歩のついでに和菓子屋『仙太郎』さんへ立ち寄ってみました。 調べてみると、「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」という、すりおろした大和芋を使ったお饅頭だそうです。 見た目が可愛くて手に取りましたが、なるほど、淡い甘味はお芋の風味だったのだと後か

家の中にも、春の訪れを。

2月も下旬に差し掛かり、また少し、季節の移ろう音が聞こえてくるようです。 昨日より二十四節気では『雨水』という季節に入りました。 雪解けが始まり、大地に水が染みわたるこの季節は、農耕の準備を始める目安となっていたそうです。 もうすぐ春一番が吹き抜け、鶯のさえずりと共に、本格的な春を感じ始めることができそうですね。 家で作業をする時間が多いので、部屋にも春っぽさを取り入れてみました。明るくはつらつとした色合いが、心に元気を与えてくれます。 花屋さんに行くと、学生時代にアル

東京の雪から、江戸に想いを馳せてみる。

今朝はとても冷え込んでいて、布団から出るのに一苦労。 カーテンを開けてみると、家々の屋根に雪が降り積もっていました。 東京の雪景色だ! 上京して4度目の冬となりますが、ここまで雪が積もった景色を見たのは初めて。 悪天候で苦労された方が大勢いるかと思いますが、不謹慎にも、私は少し感動を覚えてしまいました。 しかし、雪国育ちなので ”雪で滑ることの危険性” もよくわかっているつもりです。少しの雪でも、冬用タイヤではない車で走る怖さを思うとぞっとしますし、冬靴じゃないと滑るの

落花生で、ささやかな節分。

今日は2月3日、節分です。 節分には「季節を分ける」という意味があり、昨今では立春の前日を指す日として知られています。 旧暦では立春の頃が新しい年の始まりと捉える考え方があり、前日である節分は大晦日にあたりました。豆まきで邪気を払い、新年の無病息災を祈る行事は、現代の今でも受け継がれています。 皆さんは豆まきなどされたでしょうか? 節分の行事は地域によって異なる風習があり、近年では関西発祥の「恵方巻き」が全国でも食べられるようになるなど、時代に合わせて形を変えながら、

四季を想う、祖父を想う。

「日本に生まれて良かったな」と、ふと思うのはいつも季節の変わり目。(皆さんはどんな時にそう思うでしょうか。) 一年の中で四つも季節があって、色づく花が変わり、木の葉の色が変わり、虫の音や鳥の声、香りや肌で感じる気温も変わり、私たちが生きるためにいただく食べ物も時の流れと共に移り変わります。 こんなに多彩な変化を楽しめるのは日本ならではかなと思うので、日本に生まれて良かったとつくづく思うのです。 どの季節が一番好き?とたまにそんな話にもなりますが、正直私は一番を決められま