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忙しいって、心を亡くすと書くけれど

最近、仕事が立て込んでいる。

私の仕事は事務職なので、わりと自分のペースで進められる職種だと思う。

でも、1月に異動したばかり&あと1か月で退職を控えているため、引継ぎ準備もしなければならないという理由もあって最近は目が回りそうな忙しさ!

頼まれたことはメモしないと忘れる。
帰宅が遅いのでプライベート時間を夜更かしして過ごし、朝はギリギリまで寝ている。
昼夜ともにコンビニ食が多くなる……
などと、普段憧れている”丁寧な暮らし”とは程遠い毎日を過ごしています。

繁忙期はいつもこんな感じで生活の質が落ちてしまいがちだけど、最近こりゃちょっとヤバいなと思うのが、いろんな出来事に対する心の機敏が鈍くなっているな、と感じること。

同僚や恋人と会話をしていてもどこか身が入ってなかったり、本を読んでも文字を追ってるだけになってたり。

以前なら心が震えた小説や外の景色。
気に入って買ったはずの雑貨や洋服。
そういうものを見ても何とも思わなくなっていたり。

表現として大袈裟かもしれないけど、心を亡くすってこんな小さなところから始まるのかも。

でも。

今日、たまたま用事があってお邪魔した家の方に、手土産のクッキーを渡したら、その家のお子さんがお菓子をくれた。

お姉ちゃんがじゃがりこを、弟くんがグミをくれた。

小さい頃の私なら、初対面の見ず知らずの大人に自分の貴重な(!)お菓子をあげることなんてきっと出来なかったと思う。

なんだか、心がほんわかした。
いい子たちだったな。

外に出たら、降っていた雪がぽつぽつした雨に変わっていて晴れ間が見えた。

少し春の匂いもした。

このような、人が持つささやかな優しさや、毎日少しずつ変わる季節を感じることを、私は随分忘れていたように思う。

もうすぐ3月。
いろんな別れや出会いが入り交じる。

私も、今いる職場を退職して、新しいまちで新しい職場で仕事が始まる。

忙しさで心の余裕を失っているかもしれないけれど、お世話になった職場の人や馴染みの景色に、「ありがとう」と思える自分でいたい。

そして新しい環境では、日々自分の心の小さな震えを大切に感じ取りながら過ごしていきたいなと思う。

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