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コンビニで食い繋ぐ日々それだけでこの世は生きるに値する

元彼の話をしようと思う。
まずは1人ずつ。書ける人から。順番に。笑
別にオーラが見えるわけではなくてもオーラが見える人いるじゃん?
あ、あの人だけなんか別格に雰囲気違うな。みたいな。そんな人だった。(彼が紛れもない第一弾)
彼は必ず輪の中心にいて、彼がいると自然と笑いが起こる。顔のルックスと底知れぬ明るさ、だらしなさはさておき、全てが完璧で人徳に恵まれた人だった。

専門学校入学当時、
私はというと、志布志というど田舎から出てきたメイクもファッションも知らない田舎っぺで周りに溶け込むだけで必死で、恥を押し殺しながら学校へ通っていた
そんな時、彼が好きだから協力して欲しいという友達の相談を受け、私も友達を作りたい一心で彼の家に初めて遊びに行った
場違いなほどオーラに包まれた可愛い女の子たちとかっこいい男の人たち.

その真ん中で彼はギターを弾いて歌っていた

私とは違う世界線を生きている人たちの集まりなんだと最初から思っていたから、とりあえず隅っこでピザポテトを頬張っていたのだけ覚えている。
それから何回か、少し周りとはずれたかなの一面をを面白がる人が増え
ありがたく集まりに呼んでもらうようになり
みんなからかなさんと呼んでもらえるようになり、あまりそこから覚えてないが流れるように彼が好きだと言っていた友達を差し置いて私たちは付き合った
友達も勘付いていたようだった。おめでとうと祝福してくれた。

好きな人を友達に取られるなんて、私じゃ到底無理な話だ。その友達は今もなお親友として私を支えてくれている。

彼はバンドをしていた。人一倍輝く彼には当たり前の如くファンがたくさんいたし、何回も浮気された。

「なんでまた浮気したの?」
「でも僕はホテル代は出してないよ(泣)」
「…そういう問題じゃない!」
「ごめんなさい。僕からは誘ってないです…。今度ご飯奢ります。」
「言ったからな。」

今考えれば馬鹿馬鹿しく、とてつもなく面白い。

自己肯定感のとことん低い私は、こんなに可愛い女の子抱いたのに私のところに帰ってきてくれるなんて!と、彼により一層愛情を注ぎ依存していった。

彼が島人だったこともあり、夏休みは島へ遊びにいった。彼の家族は何も隠すことなく私を盛大に受け入れてくれて、たくさんのところに連れて行ってくれた。ちなみに初めて記憶を無くしたのは紛れもなく、彼の家だ。
カチャーシーも体験したし、島特有のにゅうめんも食べた。日焼けをしすぎてエステの授業で怒られたのも今となってはいい思い出だ。

彼とタバコを吸いながらたわいもない話をしかれのギターを聴きながらビールを飲み、セックスをして寝る。朝起きたらとっくに登校時間は過ぎていて学校からの電話で怒られて2人でのそのそと学校へ向かう。彼との同棲生活は周りの友達のおかげもあってか終始笑いと刺激に包まれた幸せな2年間だった。
いい意味でも悪い意味でも彼に翻弄された2年間だった。

専門学校卒業後、私たちは遠距離になった。
ただでさえ同棲の頃から浮気されていたのだ。どうか、かな以上の人が現れませんように。何か大きなことが起きても、かなの存在が頭に浮かびますように。
心のどこかで彼を思い、彼以外の未来など考えず、ひたすら仕事を頑張る日々が続いた。

でも、時間とはとても怖いものだと思う。

…多分、自然消滅だったかと思う。
別れ話をしたかも覚えていない。
私は双極性障害になり、彼もまた慣れない環境に耐えきれず、お互いが自分のことしか見れなくなった。彼のことを考える時間や余裕などほとほとなくなっていた。


今は仲のいい友達になっている。彼は島に帰り外仕事を頑張っている。結婚して子供もいる。

結婚してもなお、市内に遊びにきた時は時々みんなで遊んでいる。
かなさんといた頃に戻りたい。そう彼は笑いながらいうが、こっちから願い下げだ。私も私でまた、1人でも生きていける能力を無駄に身につけてしまった。
お互いに依存し合い、求め合い、夢に向かって何の曇りもなく突っ走っていたあの頃が今はとても愛おしい。

君はかなの匂いが好きだって言ったけど
君は香水の香りとタバコの匂いで君を何も感じ取れなかったよ。

君を知ってしまってからには
もう2度と普通の恋愛はできない.

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