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島での休日。景色と絵と会話。

職場の同僚と2人で、県内の島に行った。その日は天気が良くて、海や空がきらきらと輝いていた。筆でスウっと描いたような天使の羽に似ている白い雲が、水色の空にいくつも浮かんでいた。気持ちの良い5月の空気と連休の開放感。家族と離れて1人で旅行に行くのは結婚してからは初めてで、船に乗る時は特に非日常を感じて幸せな気持ちだった。

最近、水彩色鉛筆を買った。以前から色鉛筆で絵を描くことがあったが、細かい線をなん度も塗り重ねて色を表現するのは結構大変で、色を水で溶かして広げる方が少し楽なのかなという考えが元々あって、仕事が暇でモヤモヤした時に衝動買いした。

一応その日は、その水彩色鉛筆を使って島で絵を描くことが目的だったが、着いてすぐお昼を食べようということになった。目当てのお店はあったけど、混んでいて入れなかったので、フラフラと穏やかな波の音のする海の景色を眺めながら彷徨って、見つけたお店でたこ焼きとお刺身を食べた。その後も船のある港の景色を眺めたり、島の中央部の民家のある道を歩いた。

たくさん話をした。彼女に話す時は自然とするする言葉が出てきて途切れない。ほぼ私が話していた。歩きながらだと余計に言葉が出てきてしまう。退屈だったらごめんね…。ソフトクリームも食べた。さて、どこで絵を描こう…。

砂浜でピンクのお花の咲いているところに腰をかけた。彼女は海の風景を水彩で描いた。私は初心者なのでお花の絵を描いてみたが、全くうまく書けなかった。でも、自分は写実的な絵より印象派のようなものを目指そうと思った。それは少し描いてみた感触と、彼女との対話を通して自分の感情と向き合って、その方が合っているのかもと急に思った。自分に見えている景色を表現したい。主体的に自分の感情や感覚を出していきたい。できれば美しいものを、何かしら表現したい。3時ごろには太陽の光も柔らかくなって、海の風もひんやりと感じた。そろそろ帰る時間。貴重な1日をありがとう。

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