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成長と成長の踊り場で【連載⑩】さて44歳リクルートを辞めて

放置型マネージャーと言われながらも僕のグループから社内表彰や社外で評価を受けるメンバーがたくさん出たのには一つ考え方がありました。

それが、「成長の踊り場で重点的に介在する」ということでした。踊り場とは、階段と階段の間にある小スペース。

どういうことかというと、人には
①成長をそんなにしたくない時期と、
②めちゃくちしたい時期と、
③その間の成長の踊り場の時期
があると思います。

①の成長意欲が今はないという人に手をかけても本人も望んでいないし徒労に終わってしまう。

②の成長意欲で意気揚々としている人は放っておいた方が成長実感を自ら得て大きな成功体験となる。

成長し続けてはいるが、次の成長ボーナスステージに入る前に、モヤモヤとつまづいているが、背中を少し押してあげたら、次のステージに登れる人。その③の人に重点的に介在することにしていました。

それはリクルートで言うとどういうタイミングかと言うと、表彰を頂けるか頂けないかギリギリの人、ベスプラという仕事の成果発表の準備をしている人、クライアントに今までにない大きなご提案をしようとしている人などです。

本気を出そうとしている間際の人材に、客観的な見え方や、本人が言語化できていないこと、伝え方の工夫(例えば、『劇場版コナンの法則』、いつかシェアします)などをお伝えすると、少しの勇気が足されて爆発的なエネルギーを出すことがありました。

そして一度、成長のための爆発的エネルギーを発した人は、もう安心です。つまづいても、またその時のエネルギー発揮の記憶と体験が支えてくれるので、波打ちながらでも自律自走の自己実現に向かって成長の螺旋階段を歩いていくのです。

そうなんです、これは「ぬか床」の扱い方と全く同じです。発酵をぬか床がしている最中に手をかけすぎてもいけないし、休ませる時もかき混ぜない。かき混ぜるのは夏場なら1日2回、冬場なら1日1回、好気性と嫌気性の菌のバランスを取る為に、発酵の踊り場で手を入れる。手をかけすぎても、手をかけない放置でもいけない。

人材育成も同じだと信じています。

次は、リクルートの人材育成のスタンダードについて。その次にアレンジ手法について。

頂いたサポートを誰かをサポートするエネルギーにして参ります。