喫茶間昧/松井貴之

喫茶間昧/珈琲と製作 人の間、時の間、空の間は曖昧で変わりゆくもの。日のように移ろい変…

喫茶間昧/松井貴之

喫茶間昧/珈琲と製作 人の間、時の間、空の間は曖昧で変わりゆくもの。日のように移ろい変わり得る"間"に関わります。※ご相談はDMで 営業時間|fri.sat 12:00-22:00 / sun 12:00-19:00 所在地|606-8353 京都市左京区正往寺町462-2 1F

最近の記事

6月24日

変容の場に自ら分け入り、みずみずしい知識と経験を得るのはとても新鮮な体験で、自身が日毎変容している実感がある それと同じくして、諦めなくてもよかったものもあったなと思うが、今だからこそ見える景色もあるという確かな実感もある 解体という行為は過去に思いを馳せ、時間を巻き戻しているようで大変興味深く、解体によって分別された廃棄物も分散集積を繰り返すなど、物に多様な形態が見られ非常におもしろい 多様な形態にひとの在り様を重ねる 淡々と身体を動かす内に自身が環境に適応し変容してゆ

    • 6月17日

      今日は常連のお客さんと、物理学とビジョンシンカー、バーバルシンカー、出力方法としての言語を絡めた雑談をした 即興的に話しながら考えつつ、お客さんの投げてくる言葉によってポンポンと頭の中に描かれる画が変わっていくのが気持ち良く、とても楽しかった 楽しかった時間の中で特に印象深かった言葉 「僕たちはインプットを無数に持っているけれど、アウトプットは言葉しか持たないんですよね」 本当にその通りだと思った 頭の中にあるビジョンを隣人に伝えようとすると言葉にしなければならない

      • 6月11日

        月は欠けたように見えるだけで欠けていない。そこに在るものをまだ見出せていない自分が在るだけ。月はうつくしい 今日もかわらずうつくしい

        • こんな自転車が見たかった

          (トップ画像は自転車を分解している様子) 今回組んでもらった自転車、元は友人の岩ちゃんから譲ってもらった物で、しっかり見てみると京都の老舗自転車屋アイバサイクルさんが組んだクロモリフレームのランドナーでした しかし長期間放置されていたらしくフレームには転倒痕、ドロップハンドルは歪み、消耗品は当然だめ。極め付けは茶色のフレームの上からシルバーラッカーか何かで塗装されているという有様 (岩ちゃんが昨年解体される路地奥の町家から引き上げてきた時点でこの状態でした) しかしま

          6月1日

          今朝は午前7時に目覚ましのアラームをセットしていたものの午前6時には目が覚めてしまいました。おそらく深層心理で自転車を受け取りに行くのが待ちきれなかったのだと思います。(遠足前日の小学生みたいや) 昨晩は疲れからかリビングで寝落ちしてしまったのでクシャクシャなまま。とりあえず目覚しがてらシャワーを浴び、歯を磨き、服を着て、珍しく朝食を摂りました。すべての支度が終わった頃には時計の針も7時を回っていて、慌てて家を出て電動キックボードに乗り修学院にあるバイクラボへ向かいます。

          4月3日

          生きる中で感じる否定感や不穏さなど、そのように感じる事やそれらを発露する事は肯定されずらい。しかしそのどれもがその人の感性としてあるもので、琴線に響き感じ入る事なのだと思う。心に響き感じて動いている。その感動こそがその人が生きている生の響きそのものだ 僕はそのように在る生を肯定したい 他者の否定感や不穏さを肯定することによって、事後的に自分を肯定(由し)できるようになるという逆説的アプローチもあるのかもしれない また自分(他者)を信じない事と、自分(他者)に期待せず託す

          3月10日

          朝起きて外へ出ると刺すような寒さはなく涼しさを感じる。仕事へ行く道中の景色も変わりゆき、梅、桃、木瓜に続いて、今朝は咲き始めた木蓮を見かけた。過ぎゆく時は花に溢れている。 今日はお店に着いたと同時に鍵を忘れ物した事に気付く。きっと昨日着ていたコートの中に入れっぱなしにしていたに違いない。その旨を連絡すると案の定そのようだった。 ここで途方に暮れても仕方がないので時間潰しに近所の珈琲屋さんへモーニングを食べに行く。近所に行きつけの珈琲屋さんがある有り難さを噛み締めながら、い

          立春の梅に祈る

          ただ健やかであることを祈りたい。 今日2月4日は立春の日。二十四節気は立春からはじまり、新しい一年の始まりを告げる。この時期に咲く花といえば梅だ。 梅にまつわる言葉はいくつかありその中でも好きなのが「百花の魁」と「好文木」だ。百花の魁はその年のどの花よりも先だって咲くことを言い、先駆者のことを百花の魁に例えたりする。好文木は中国の故事にちなんだ別名で「文を好む花」という意味を持つ。 また梅は病気に強く無駄な枝を切ってやらないと樹形が崩れてしまい、よい花や実がつかなくなって

          素直さは大事だ。

          改めて言うまでもない。素直さは大事だ。 周知である当たり前の事に気づくまでに三十数年もかかってしまった自分を大変愚かしく思う。 愚かさからの学び、そして自戒としてここに残しておきたい。 素直さとはなんだろうと考えた。 今自分が思っていることや感じていることを発露すること。規範や道徳といった意識によって抑制的にならず自身の小さな欲望に耳を傾けること。 これらの通りに生きられればよいのだが、これがことのほか難しい。 過去にもこのように書いている。 現実には数多の人が利害関係と

          素直さは大事だ。

          デザインについて備忘録

          建築からすっかり身をひいてもたまには手の届く範囲でちいさな物をつくったりする。 ひさしぶりに図面を書いているとかつて恩師に言われたことを思い出した。 「顧客の要望やマーケティングの結果をまとめる事をデザインと呼ぶ人もいるけど、そもそも僕たちが生み出そうとしている"物や事"ってなんだろう?って根本から考えてデザインした方が面白いよ。まだ言葉になっていない現象を露わにするほうが面白いよね。」 正直むねに響いた。 これは前者の編集的なプロセスを否定している訳ではなくて、大な

          デザインについて備忘録

          1月7日

          働き過ぎて疲弊してしまっては本末転倒なのでこころを解せる場所で時間を過ごす。そうすると自然とまた走れるようになる。ひとの居場所をつくるために、ひとの居場所にいること。大事にして行きたい。

          12月30日

          つくること、表すことの楽しさや喜びは何ものにも代え難い。それに没入夢中になっている時は世界でひとりぼっちだ。その世界では孤独だけれど高く低く、深く浅く、大きく小さくどこまでも広がっていく。とても自由で幸せなことなのだと思う。

          12月25日

          大げさな言い方になるけど何かをつくるという行為は、まだ世界に存在していないことを実現させることと同じだと思う。 それは日常的な作業やルーティンではない。 見たことのないもの、触れたことのないもの、未知との遭遇はいつも不安だ。 しかしそこには不安と引き換えに自分がつくりたいものをつくる自由、そしてときめきと躍動するこころがある。 想像することはどこまでも自由であり実現することで自分を由しとできる。 想像する自分もまた自由で豊かだと思う。

          生きること

          生きること、それ自体を美しく感じられない。 それは理不尽な挫折に満ち過酷で愛することもまた人を打ちのめす。 幾度も絶望の淵で堪え、実現困難な海で足掻き生きればならない。 それでもなお、詩が過酷な生や愛に対してなし得ることがあるとすれば、路傍に転がる石のように見向きもされず、忘却されゆく無名の生や刹那的に煌めく夜を救うもの。 言わずもがな明瞭な救いは存在せず詩は無力だが、偶さかの希望に満ちた日を頑なに抱きしめたい。

          12月12日

          予定も無いし気まぐれにお店でも開けるか~とか思ってたけど、どうにも元気が出ない。寸前までグダグダと迷い、這う這うの体で逃げてきた。 どうにも今日はコーヒーじゃない。コーラフロートの気分だなと思い、グビっと摂取する。 満足したからか珈琲も飲みたくなり、ついでにチーズケーキまで頼んでしまった。 我が事ながらなんとも単純に元気になるもんだと呆れてしまう。 たまには誰かに淹れてもらった珈琲が飲みたくなる時もあるもんだ。

          今日も生きている

          時間も世界も目に見えるものではない。 時間も世界も僕の認識にすぎず実体を持たない。 それにも関わらず、常に時間と自分を取り巻く世界を気にしながら生きている。 それは変化の濁流に飲み込まれぬよう時間や世界を捉え、無理に安定させようとしているのかもしれない。 常に自分も時間も世界も変わり続けている。 喜びを分かち合ったことも、嬉しかったことも、傷つき悲しかったことも、許せず憤ったことも。色付く葉が舞い落ち吐息が白くなるように、全ては変化し流れていってしまう。 「だから全て