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勇気を持って背中を押そう。

5月が終わる。本来なら結婚式シーズンで毎週「おめでとう!!」の声が会場に響き、サロンには結婚式の荷物がたくさん届いて「いよいよだね〜♪緊張するー!」なんていいながら笑い声にあふれている週末・・・。今年は全てが延期になりプランナー達はみんなその対応や新しいガイドラインの説明に追われていました。明日から6月・・・まだ回復まではいかないけどこれから私たちのすることは見えています。

するべきことに気づいた日

4月、桜が満開だった日に結婚式をする予定だった2人が延期の手続きに来られました。ギリギリまで悩んで3日前に延期を決められたおふたり。たくさん泣いたんでしょう・・・肩を落として申し訳なさそうに「すみません。」とおっしゃられました。本来なら今日は結婚式の日、最高の幸せを感じる日でした。プランナーから「せっかくだからランチ食べて帰りませんか?」とガーデンの桜が見えるお席へご案内しました。美味しいご飯で少しでも元気になってもらえたらと思ってのことでした。

不思議なのですが、結婚式には偶然なのか神様のイタズラなのか奇跡のような出来事がよく起こります。実はこの日にその奇跡が起こりました。

お食事が進んでいた頃、厨房から連絡が・・・なんとケーキ屋さんの手違いで3日前にキャンセルしたはずのウェディングケーキが届いていると言うのです。ちゃんとキャンセル伝表は届いてる!なんで?本来ならミスです。

でも・・・これはなんだか、(2人に笑顔になってもらえるようにとウェディングケーキがやってきた???)ようにしか思えない。

そこで私たちはガーデンの桜の木の下へケーキを準備し、「実は・・・」と事情をお話してお2人をご案内しました。打ち合わせに来る度に「当日満開になってくれるかなー?」と桜の木の下での結婚式をとても楽しみにしていたお二人。新婦さんはみるみる笑顔と泣き顔でくしゃくしゃになって「嬉しい」と思わぬ出来事にとても喜んでくださいました。スタッフみんなで拍手でお祝いし、ケーキはその後デザートで召し上がっていただきました。

2人の願いを叶えることができて何より嬉しかったのは私たち。後から新婦さんにいただいたメッセージに「引き続きよろしくお願いします♡」と前向きになられた様子を感じホッとしました。

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コロナウィルスが原因でたくさんの新郎新婦が結婚式を延期にされました。結婚式はちょっとご飯を食べに行こうというような軽いイベントではなく、何ヶ月も前から準備をして2人でたくさん悩んで一つ一つ作り上げていくものです。この日を逃すと今度いつできるか分からないカップルも多く中には泣く泣く中止をされた方もいらっしゃいました。新郎新婦にとっての失望感は計り知れません。

そんな日を2人はどんな気持ちで迎えているのだろうと・・・。

よく「寄り添う」と言う言葉を私たちは日常に使います。新郎新婦に寄り添って思いを形にするのは私たちの使命でもあります。「2人の幸せを願うこと。そしてそれを思い出になった時まで想像して形にすること。」

結婚式を作ることだけが私たちの仕事ではないのです。

「どうか今日も悲しまないで、おめでとうの日が増えただけ。」と、このことがあってから当初予定されていた結婚式の日に私たちはお花を送ることになりました。すでに日が過ぎたお二人には当日のアイテムとして使えるようにとメッセージを入れたフォトフレームを。

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まだまだ不安の中ではあるけれど私たちのするべきことは見えています。2人が心配にならないように新しいガイドラインに則って会場の準備をしっかりして「大丈夫。結婚式の神様が幸せを倍にしてくれるよ。」と2人の背中を押すこと。今までだって思っても見ないことが当日に起こって泣きながら抱きついてきた新婦さんもいました。そんな時はいつも「大丈夫大丈夫、きっといい結婚式になるよ。」と冷たくなった手を握って背中を押してきた。

自粛を余儀なくされたこの時間は私たちにとっても「するべきこと」を思い出させてくれる貴重な時間になりました。

余談ですが今日は久しぶりに去年、西日本豪雨災害で結婚式を延期され出産後に結婚式をされたお二人が遊びに来てくれました。色んなことがあるけどピンチはたくさんの副産物を持って来てくれる。

さあ、どんな幸せを2人と作ろう!


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