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【子連れで行くインクルーシブ公園 #01】砧公園「みんなのひろば」はどんな場所?

「インクルーシブ公園」という言葉、聞いたことはありますか?

障がいのある子もない子も一緒になって遊べる公園のことを言います。海外ではInclusive Playgroundと呼ばれています(「インクルーシブ公園」は日本での通称です)。

日本では、2020年3月に東京・世田谷の砧公園に初めて「みんなのひろば」として登場しました。9月には豊島区に「としまキッズパーク」がオープン。その後も渋谷区や藤沢市でも次々と登場し、設立に向けたワークショップの開催も各地で進んでいます。NHKや日経などの全国メディアでも度々取り上げられています。まだ一般の方が知っているレベルには行っていないですが、個人的に注目している分野です。

特に東京都では、今後インクルーシブの観点で公園に遊具を新設する際に補助金を出すことが決まったため、今後多くの公園が再整備などを機に「インクルーシブ公園化」していくのではないかと考えられています。
なぜ、こんな裏事情(?)まで知っているかというと、このインクルーシブ公園の話を聞いた時にピン!と来てしまい、書籍の企画にならないかと色々画策したことがあるからなのです。
結局その企画は社内で通らなかったのですが、いまも新しい公園がオープンしたと聞けば子連れで訪ねているので、せっかくなら記録に残しつつこのテーマを発信しようと思い、シリーズとして書き溜めて行こうと思います。

私がこのテーマにピンと来たのは、障がいのある子もない子も”一緒になって”遊べる、ことがコンセプトになっていたらです(インクルーシブ=包括的、の意味するところですね)。インクルーシブ公園のトークショーなどで関係者のお話を聞くと、障がい者”だけ”が使える遊具、つまり健常者の子を排除するような遊具を置いてもインクルーシブとは呼ばないそうです。遊具を通じて、障がい者もそうでない子も一緒になって遊べる、遊んでいるうちにお互いのことがちょっとずつわかってきて慣れてくる、それが障がい者もそうじゃない人も当たり前に普通にコミュニケーションして暮らす社会の第一歩になる・・・そういう大きな構想の、第一歩を体現しているのがインクルーシブ公園なのです。

とってもいいじゃないですか!

このようなビジョンを持っているので、インクルーシブ公園は単に遊具の話にとどまらず、オープンするまでの住民参加のプロセスが重視されていたり、オープン後の運用も重要だとされています。そういうところも、新しくチャレンジング。実は最先端の熱い分野なのです。

さて、前置きが長くなりましたが、インクルーシブ公園って実際どんなところなの?を紹介していきます。

ここが、砧公園の「みんなの広場」です。訪ねたのは2020年の9月(コロナ下の真っ最中でしたが、だいぶ賑わっておりました)。
奥に見えるのが、車いすでも登れる船型の遊具。幅の広いすべり台も見えます。

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インクルーシブ公園はよちよち歩きの幼児を連れて行くにもいいですよ!
普通の公園にあるすべり台って、よく見ると「対象年齢:3歳〜6歳」ってシールが貼ってあったりします。
子どもにとってはそんなことお構いなしなので、1歳や2歳でもすべりたがるのですが、親が付き添わないと危ないなという場面や、激しく遊んでいる大きな子とぶつかって危ないな、、とハラハラする場面も。
その点、ここのすべり台は車いす用のゆるやかなスロープになっているので小さな子でも登りやすく、付き添いの大人が一緒にすべれるような幅の広いすべり台になっているので、幼児も遊びやすいのです。

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また、ここの遊具は地面がゴムチップ舗装なので、その点も安心感があります。

こちらは回転遊具。体幹の弱い子どもでも楽しめるように、大きな凹みに身体を預けられるようになっています。

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同様にブランコも、背もたれや安全バーがついたものや、複数人で寝転がったまま乗れる皿型ブランコがあります。付き添いの人と一緒に乗って楽しめます(混みすぎていて写真を撮りそびれたので、ビジュアルは後にご紹介する別記事のリンクからご覧ください)。

変わった形のシーソーも見えますね。

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さて、障がい者と言うと車いすのイメージが強いですが、障がいには内部障がいや聴覚・言語障がい、ダウン症などさまざまな種類があるので、インクルーシブ公園=車イスだけに対応した公園ではありません。誤解されやすいポイントのようです。
「みんなのひろば」には、切り株型のシェルター遊具もありました。騒がしい環境が苦手な子の一時避難場所として設置されているそうです。

こちらは楽器型のおもちゃ。左手前にいるのがうちの息子です。この時1歳半でした。この遊具の周りには、同じような月齢のよちよち歩きちゃんたちが集合してました。

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なお、ひろば全体は柵で囲われているので、子どもが目を離した隙に飛び出していってしまう、というようなこともありません。

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詳しい情報は下記に参考リンクをつけておきますので、こちらからご覧ください。パラサポさんの記事では、それぞれの遊具の詳細な説明があります。

パラサポWEB 砧公園にある未来の公園『みんなのひろば』全貌公開!【後編】
公式の詳細全体マップ(PDF)はこちら

最終的には枝拾いに夢中になる息子・・・笑。遊具で遊ばなくても、こういう遊びでも子どもは十分楽しいですよね。

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最後は「みんなのひろば」の外の芝生でピクニックをして帰りました。

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こんな感じで、プライベートも混ぜつつ、ゆるやかにインクルーシブ公園をレポートしていけたらいいなと思っています。
先ほども書いたように、インクルーシブ公園は幼児を連れて行くにもいいですし、そこで自分の子どもが普段の生活ではなかなか触れ合えない、障がいを持ったお子さんと会ったり遊んだりする経験ができたらと私は考えています。

コミュニケーションがうまくできない要因の一つって、お互いを「知らない」ことにあると思うから。

私自身もそうです。どんな障がいがある人がいて、何に困っていて、声がけするときに何に気を配ればいいのか?どう手伝えばいいのか?それがわからないから、結局コミュニケーションのきっかけがつかめなくて疎遠になってしまう。私がインクルーシブ公園に行くのは、そんな自分自身への反省や、今からでも変われるチャンスをつかめたら、という気持ちの現れでもあります。

これからのレポートも、よろしければ引き続きお付き合いください。

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