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そのとき息子は恋人のような笑みを浮かべていた

「息子とデート」などとSNSに書くと、昨今はジェンダーの観点から「けしからん」となるらしいので、こういうタイトルも良くないのかもしれないと思いつつ。

自分自身がそう感じたのは事実なので、子育てのいち記憶として書き残しておこうと思います。

エピソード1 恋人の笑み 

時はさかのぼってちょうど2年前。長男の育休が終わりかけようとしていた頃で、ちょうど1歳になる前くらいでした。

午後のお散歩から帰ってきて、ベッドの上で長男をあやしていたらそのまま寝てしまい、私も一緒に寝落ちしてしまったことがありました。
(平日の日中に子どもと昼寝って、これだけでもキラキラした育休中の記憶なのですが)

そしてふと目を覚ますと、子どもの方が先に目を覚ましていて、私の顔をにいーっとした満面の笑みで眺めていたのです。

子どもの方が先に起きていて、私の起きるのを静かに待っていたこと自体が初めてで驚いたのですが、その表情も初めてだったので余計に印象に残りました。

でも、こういう笑顔、何だかこれまでの人生で出会ったことがある気がする。何だっけ・・・と記憶を検索していくと、ハッと思い当たりました。

そうだ、これは初めて一晩一緒に過ごした男の子がする表情だ、と。

一晩というのは、必ずしもベッドを共にするという意味に限らずで、例えば一緒に飲み明かしたとか、何人かでオールしたとかでもいいのですが。

要は、男の子が好きな女の子といて、この娘がとうとう自分のものになって嬉しいとか、好意を持っている女の子と一段深い関係になれて嬉しい、と思っている時に無防備にこぼれちゃう喜び、みたいな感じです。

あ、この人私のことが好きなんだなあ…と言外に伝わってくる表情です。

その顔をうちの息子がしていたのです。

たぶん息子は、起きたらママが隣にいたことが嬉しくて、自分だけが起きてママを独り占めしている方ような気持ちだったのでしょう。

男の子はママが大好きと言いますが(娘を持ったことがないので女の子がどうかわからないのですが)、本当にそうなんだなと感じた出来事でした。

エピソード2 付き合いたての恋人

2歳になった息子はよく言葉が出てくるようになり、夜添い寝しながら言葉を交わすことも増えてきました。

ちなみに、息子は好きなものやちょっと憧れのあるものを「ちょんちょん」とくすくすしながら指でつつくのが好きです。消防署の消防車とか、路駐しているオートバイとか(笑)。

あるとき、薄暗がりの中、横に寝ていた息子が「ママの目、ちょんちょん」と言いながらニコニコして私のまぶたをそっと触り、くすくす。続けて「ママのお鼻」「ママのおくち」と触っていくのですが、それが付き合いたての恋人のじゃれあいのようで、思わず笑ってしまいました。

「ちゅーはどこでするの?」と聞かれて「おくちだよ」と答えたら、そのままキスされたことも。

こらこら、と平静を装いながら内心キュンキュンです。キュン力の高さ、見習いたいくらいです(笑)。

エピソード3 不機嫌な恋人

最後に、一番最近のエピソードを。

私は長男が生まれて以来、ほとんど夜家を空けたことがないのですが、先日親しい仲間から新年会の誘いがあり、コロナ下で2年近く会っていなかったので参加させてもらうことにしました。

寝かしつけの時間には間に合うよう帰ってくるからと夫に約束し、子どもには特に何も言わずに出かけました(夫がママは買い物に行ったと後から説明)。

久しぶりの仲間との再会を楽しみつつも、ケータイに夫から連絡が入るのではないか(子どもが泣いているから早く帰ってきてetc.)と内心ヒヤヒヤ。

しかし実際にはそんなこともなく、会場を出る時に連絡すると、夫からは用意していった夕食もちゃんと食べたよと返信がありました。

さて、こういう場合、家に帰ると子どもはどういう反応をするのか。

「ママー!」と駆け寄ってきたりするのでしょうか。経験値がなさすぎてわかりません。

実際はというと。「ただいまー」と家に帰ると、息子は部屋の奥のソファに座ったまま、私のことをキッとした目線で睨み据えていました。

何それ、想定外(笑)。

顔に書いてあった表情を読み取ると、
「何だよ、勝手にいなくなるんじゃねぇよ。一言言ってけよ。俺は怒ってんだよ」
とすねている。夫も概ね同じ見立てだったので、だいたい合っているかと。

そしてしばらくすると、「抱っこー」といつもの抱っこマンに戻りました。

成長に伴って、同じ「恋人」でも感情の表出の仕方が進化?するものなんですね。面白い。

 *
さて、息子はいつまで「ママ大好き」でいてくれるのでしょう。

貴重な「ママ大好き」期を大切に味わって過ごしたいものです。

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