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「男は育児をもっと頑張れ」に疲れてしまう男性たち

昨日「ママ向け育児情報に、夫が傷ついている」という記事を上げました。今日はその続きです。

積水ハウスさんが先日公開した動画で”昭和・平成・令和の60年の父親像の変遷を、リアルに再現して振り返る”という企画がありまして。
「当たり前だと思っていた価値観も時代によって変化する」とか「男性の育休取得を後押しする」というメッセージもいいと思ったし、家の宣伝じゃないことにここまで力を入れているのもすごいし、映像自体もとても良くできていたので、悪気なく夫にシェアしたんです。

そうしたら、
「社会的に見れば正しいメッセージなんだろうと思うけど、自分としては辛かった」
という感想が戻ってきてしまいまして…。

夫いわく、頑張っているのに「まだ足りない、もっと頑張れ」と言われているようでしんどいと。

ああ、そう受け取ってしまうのか。
もちろん制作者にそういう意図はないと思いますが、当事者がそう受け止めたというのは事実で、改めて情報発信の難しさを感じました。

そして、夫にそう言われたことで、もしかして「女性活躍」の話と近いのでは?とふと思いました。
前安倍首相の時に「女性がもっと輝ける社会に」という掛け声に対して、「十分頑張っているのに、輝け、と言われるのは辛い!」という声が上がっていたことを思い出しました。あの感じと近いかもしれません。

男性の育休が広がるのも、女性が輝くのも、社会的に見れば歓迎すべきことだと思います。
でも、苦しみながらもがいている当人からすると、舞台に立たされて、もっとやれ、まだ足りない、キラキラしろ、と遠くの上の方から言われるのは辛い。
そういうことなんじゃないでしょうか。

私の父は典型的な昭和のサラリーマンで、3人兄弟の子育ては専業主婦の母が担ってきましたが、その父が私が20代くらいの時に、「お父さんは、S子(私のこと)が結婚してもバリバリ働いているところを見たいんだ」と言いました。
この言葉は長いこと私の中に残っていていました。父としては応援するつもりで言ったのだと思いますが、しんどくても仕事は続けなければ、とか、30後半に入って結婚に焦っている時に、この言葉がリフレインして落ち込んだりしたものです(親の言葉って結構拘束力がありますね)。

疲れている時には、理想を言われるよりも、頑張りを認めてもらいたい。だから、頑張っているパパに向けた「よく頑張ってるね、いつも大変だよね」という寄り添い型のメッセージがもっと発信されてもいいんじゃないかと思います。「育児に疲れているパパ」のリアルな姿が、もっとメディアやドラマの中にも出てきていいとも思う。
パパたちは人知れず頑張っているのですから。

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