読了本『反応しない練習』
いろいろなものに振り回されていた私。
知人が薦められ、累計18万部突破のロングセラー、草薙 龍瞬さんの『反応しない練習』を読みました。
常に順風満帆の人などいなくて、毎日何かしら「不快」と感じること、ありますよね。
苦手な人がいたり、くよくよしてしまう出来事があったり、、、
「自分の気持ちがコントロールできたらどんなに楽だろう」と思ったこと、皆さんあると思います。
仕事、家庭、人間関係、恋愛…
そこから発現する「ストレス」や「不安」をやわらげたい、それらを感じる自分を変えたいと思っている方にぜひ読んでみていただきたい一冊です。
構成はこのようになっています。
第1章 反応する前に「まず、理解する」
第2章 良し悪しを「判断」しない
第3章 マイナスの感情で「損しない」
第4章 他人の目から「自由になる」
第5章 「正しく」競争する
最終章 考える「基準」を持つ
この本の中では、「ストレス」や「不安」など不快な感情はすべて「心の反応」から生じるとされています。
私にとっては、特に前半の内容が参考になりました。
例えば、「第1章 反応する前に「まず、理解する」」の「悩みをなくそうとしない。「理解」する」には、ブッダの考え方についてこのようにあります。
悩みがあるという“現実”を見すえて、その“原因”を理解して、解決への“方法”を実践しようという、最先端の医学にも似た明快な処方箋
悩みや苦しみから抜け出すためにするべき“考え方”が説かれているのです。
では具体的にどうしていけばよいか。
中でも実践しやすかったのが「第3章 マイナスの感情で「損をしない」」の「困った相手と「どう関わるか」」のパートです。
まず、相手との関わり方の原理原則を以下5つにまとめています。
①相手を「判断」しない
②過去は「忘れる」
③相手を「新しい人」と考える
④「理解し合う」ことを目的とする
⑤「関わりのゴール」を見る
この②、③はなんとなく分かってはいたものの、改めて文章で読むと、目から鱗が落ちるようでした。
過去を引きずって立ち直れない。何度も思い出しては怒ったり悲しくなったりするというのは、その相手に対してではなく「記憶」に対して心が反応しているということ。
相手は関係なく、自分の記憶に対して勝手に不快になるなんて、無駄ですよね。こういう時は「私はただの記憶に対して反応している」と冷静に理解するだけで心持ちが違ってくるように思います。
「人も心も“無常”である」という仏教的思想について。
目の前の人は同じ人に見えて「前日とは別人であること」が説得力を持って書かれています。
相手から、以前怒られた、悪口を言われたという事実があったとしても、逆に前は好きだとかずっと一緒にいたいと言われたという事実があったとしても、乱暴な言い方をすれば「その人はもういない」わけです。
良くも悪くも常に「初めてあった人」として相手と関わるということ。この考え方は、ある種の不安を感じると同時に私を途方もなく自由にしてくれると思いました。
「感情を、上げもせず、下げもしない」というシンプルな生活を目指しつつも、全編を通してよりよく生きるというか、今よりよくする、心地よくするという希望がベースにある書籍です。
冒頭書いた通り、ストレスでしんどい方や他人と比べてしまって疲れているような方に一度手に取っていただきたいと思います。
順番に全て読まなくても、興味のあるとこだけ読むのでも十分理解できるところもポイントです。
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